リフォームの流れを徹底解説!
期間や用意するものについてもまとめてご紹介
リフォームは、工事の規模にかかわらず、既存の建物を一部残しながら、新しい要素を加える作業です。新築のようにゼロから家を建てる場合と異なり、注意すべきポイントにも違いがあります。本記事では、はじめてのリフォームを検討している方に向けて、リフォーム全体の流れや注意点についてわかりやすく解説します。ぜひ、ご参考にしてください。
何から始める? リフォームの全体の流れを知っておこう
ここではリフォームを思い立ってから工事完了・引渡しまでの一連の流れを解説します。それぞれのステップで、どのように進めるとスムーズか、押さえておきたいポイントも合わせてご紹介します。
1. リフォームする目的を明確にする
最初にリフォームの目的を明確にします。「トイレが壊れて流せない。すぐ新しい設備が必要!」など緊急を要する場合は別ですが、基本的には「今」だけの視点ではなく、将来のライフスタイルの変化も見据えて考えることが大切です。「使い勝手が悪いからと単純に設備を新しくしたが、数年後に両親と同居することになり、再び取り替えることになった」というケースもあります。「将来、二世帯で快適に暮らせること」や「数年後に実家を継ぐまでの間、快適に過ごすこと」など、目的が明確になると、今の段階で本当に必要なリフォーム内容も見えてきます。
2. 目的を達成するために必要なリフォーム案を具現化する
目的が明確になったら、それを実現するにはどのようなリフォームが必要かを具体化します。まず、困っている点や改善したい点を書き出します。例えば「高齢の両親との同居のためバリアフリー化が必要」であれば、「浴室の段差を解消する」「1階に寝室を設ける」「自動清掃機能のついたトイレに替える」など、具体的な案が浮かんでくるでしょう。それをリスト化したら、実際にリフォーム後にどんな暮らしができるかをイメージします。その上でリフォームしたい項目に優先順位をつけておくと、予算調整が必要になった際に、取捨選択しやすくなります。
3. リフォーム会社を探す
具体的なリフォーム内容が決まったら、次はリフォーム会社を探します。まずは「住んでいる地域」と「リフォーム会社」でネット検索して、近隣の会社を調べてみましょう。最近はリフォーム会社の情報をまとめたポータルサイトや比較サイトもいろいろあり、便利です。また実際に条件に合うリフォーム会社を複数紹介してくれるサービスもあるので、合わせて活用するとよいでしょう。依頼先には、大手企業のリフォーム専門部門やリフォーム専業会社、さらには地元に根付いた工務店などがあります。会社によっても得意不得意があるので、自分たちの希望に合ったリフォームを得意としている会社かどうかを見極めることが大切です。例えばキッチンをリフォームしたいなら、水廻り工事に強い会社、内装を一新したいなら、デザインのセンスがよい会社など、自分の中でアンテナを立てておきます。
4. リフォーム会社と相談して見積りをとる
リフォーム会社が絞れてきたら、見積りを依頼します。リフォームの場合、建物の状況によって工事内容が変わるため、現地調査が必要です。見積りの前に、該当箇所を実際に見てもらい、必要な工事内容を確認してもらいます。調査には通常1~2時間はかかるでしょう。例えばキッチンの配置を大幅に変えたい場合は、給排水の配管位置によっては制約が出ることもあるので、図面などがあると相談もスムーズです。変更の可否や追加費用の有無なども、このタイミングである程度相談できます。
5. 施工内容と見積りに納得したら契約する
施工内容と見積りに納得して1社に絞ることができたら契約に進みます。契約後に施工内容を変更すると、追加費用が発生することがあるため、契約書や見積書、仕様書などの書類はしっかり内容を確認します。ポイントは、契約内容は自分たちの希望どおりか、設備や商品は正しいものが入っているか、さらに費用の支払時期や方法、万一契約解除した場合の違約金などもチェックしておくと安心です。また、アフターフォロー体制の確認も重要です。引渡し後の不具合対応や定期点検の有無など、事前に確認しておくことで、後のトラブル防止につながります。
6. リフォーム工事の実施
契約が済んだら、いよいよリフォーム工事がスタート。工事の工程は大きく6つに分かれており、それぞれで確認しておくべきポイントがあります。できれば各工程で現場を一度は見学し、特に壁の中の配線や配管の状態など、完成後に見えなくなる部分は事前に確認しておくことをおすすめします。
6-1. 養生工事
リフォームでは、既存部分を残したまま工事を行うため、関係のない箇所に傷や汚れがつかないように、最初に「養生」作業から始めます。養生には、専用の保護シートやブルーシート、ベニヤ板などを使用して、床・壁・既存の設備・家具などを保護します。マンションなどの集合住宅では、共用部である廊下やエレベーターの養生も必要です。さらに外部への配慮として、粉塵や騒音対策のため、玄関先や外構部分にも養生が施されることがあります。この養生作業の丁寧さは、会社によって差が出る部分でもあります。安心して任せるために、あらかじめ養生の仕上がりを確認できる写真や、過去の事例を見せてもらうのも良いでしょう。
6-2. 解体工事
養生が済んだら、リフォーム箇所の解体です。壁・床・天井などの古い内装、さらにキッチン・浴室などの設備を順番に撤去します。解体には、工事範囲が一室のみの「部分解体」と、構造躯体だけを残す「スケルトン解体」があり、工事の規模によって分かれます。すべてを撤去することで、初めて建物の構造部分が露出し、土台や柱、配管の状態を目視で確認できるようになります。もし老朽化や劣化、シロアリ被害などが見つかった場合は、当初の計画にはない追加工事が必要となるケースもあります。想定外の事態にも対応できるよう、ある程度の予備費を見込んでおくと安心です。
6-3. 配管・配線工事
解体が終わると、電気・水道・ガスといったライフラインの工事に入ります。新しい間取りや設備の配置に合わせて、給排水管や電気配線、ガス管を延長・移設・交換します。例えば、キッチンを移動する場合は、床下や壁内に配管を新たに通す必要があります。これらの配管・配線工事は、仕上げ工事が進むと見えなくなる部分なので、工事途中で現場を確認しておくことが大切です。「コンセントの位置や数は足りているか」「スイッチは使いやすい高さか」など、図面上だけでなく実際の空間で確認すると安心です。
6-4. 大工工事
構造部分や間取りの変更が伴う場合は、大工工事が行われます。壁や床、天井の下地を作り、ドア枠や窓枠などを取り付けます。間取り変更を伴わない場合でも、床の張替えや造作家具の設置などで大工工事が発生することもあります。この段階で部屋の形が見えてくるため、完成後の暮らしを具体的にイメージしやすくなります。要望が反映されているか、現場で細かく確認しましょう。
6-5. 仕上げ工事
下地工事が終わると、クロス貼りや床仕上げなどの内装工事に入ります。さらにキッチン・浴室・トイレなどの住宅設備も設置され、インテリアの印象がぐっと変わります。クロスやフローリングの色味、設備のデザインなど、事前に決めていた内容と間違いがないか、この段階で改めてチェックしておきましょう。仕上げ工事は完成に直結する部分なので、完成後の「イメージと違う」を防ぐためにも慎重に確認することが大切です。
6-6. 完了検査・引渡し
すべての工事が終わると、リフォーム会社の担当者と一緒に現場を確認し、完了検査を行います。図面通りに施工されているか、設備は正しく動作するか、仕上げに不具合がないかを細かくチェックしましょう。気になる点があれば、この段階で必ず指摘し、補修や手直しを依頼します。検査をクリアしたら、引渡しとなり、新しい暮らしがスタートします。引渡し時には、設備機器の取扱説明書や保証書の受け取りも忘れずに行いましょう。
リフォームの流れにかかる期間の目安
リフォームにかかる期間は、工事の規模や内容によって大きく変わります。目安としては以下の通りです。
部分的なリフォーム(例:キッチン・浴室・トイレなど)
工事期間はおおよそ1週間〜3週間程度。設備交換のみなら数日で完了することもあります。
大規模なリフォーム(間取り変更・スケルトンリフォームなど)
工事期間は1か月〜3か月程度。工事規模が大きいほど、計画・調整・工事に時間を要します。
また、工事期間だけでなく「リフォーム会社探し」「見積り・契約」「着工までの準備」なども含めると、全体で数か月〜半年以上かかることも珍しくありません。余裕を持ったスケジュールで計画することが重要です。
リフォームの流れで用意しておくべきもの
リフォームをスムーズに進めるために、事前に用意しておくとよいものがあります。
1. 住宅の図面・資料
間取り図、仕様書、過去のリフォーム履歴などがあると、リフォーム会社との打ち合わせがスムーズになります。
2. 希望条件を書き出したメモ
リフォームの目的や希望する内容、優先順位などを整理したメモがあると、意図が伝わりやすくなります。
3. 予算計画
自己資金とローンの利用可能額をあらかじめ把握しておきましょう。予算に応じて、実現可能なリフォーム内容を提案してもらいやすくなります。
4. 参考資料(雑誌・SNS・施工事例など)
理想のイメージに近い写真や施工事例を集めておくと、リフォーム会社に希望を具体的に伝えることができます。
この記事のまとめ
リフォームは、「目的を明確にする」→「リフォーム案を具体化」→「会社探し」→「見積り」→「契約」→「工事」→「引渡し」という流れで進みます。工事内容や規模によって期間や費用は変動するため、余裕を持った計画が必要です。リフォームを成功させるためには、事前準備と情報収集が何よりも大切です。本記事を参考に、ご自身の理想の住まいづくりに役立ててください。
この内容は2025年9月現在のものです。
カテゴリTOPに戻る