リフォーム・リノベーションのヒント集

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2023/11/17

【2023年度版】長期優良住宅化リフォームのメリット

長期優良住宅をめざしてリフォームすることで、良い状態で家を維持できるようになります。長期優良住宅に認定されると、税の優遇などのメリットがあります。長期優良住宅リフォームのポイントと補助金についてご紹介します。

  • ※2023年9月現在の内容です。

長期優良住宅のポイント

長期優良住宅とは、長期的に良い状態を維持できるように設計され、定期的なメンテナンスを行うことで長く住み続けられる住まいです。長期優良住宅として認定されるには、自治体への申請が必要です。

新築だけでなく、リフォームでも長期優良住宅にすることが可能です。長期優良住宅にするためには、大きく分けて下記の5つがポイントになります。

1. 住宅の構造や設備が長期にわたり良好な状態で使えるように措置がとられていること
2. 良好な居住水準を確保するため一定以上の住戸面積がある
3. 地域の居住環境の維持・向上に配慮していること
4. 維持保全計画が適切であること
5. 自然災害による被害の発生の防止、軽減に配慮がされていること

これらの5つのポイントを満たしているかは、さらに細かい認定基準で判断していきます。

長期優良住宅の認定基準

長期優良住宅の認定を受けるためには、さまざまな認定基準を満たす必要があります。一戸建て住宅の場合の認定基準の概要をご紹介します。

1.劣化対策
数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること
2.耐震性
極めてまれに発生する地震に対し、継続利用するための改修ができるよう損傷レベルの低減を図ること
3.省エネルギー性
断熱性能などで、一定以上の省エネルギー性能が確保されていること
4.維持管理・更新の容易性
構造躯体に比べて耐用年数が短い設備配管について、維持管理(点検、清掃、補修、更新)を容易に行うための措置がされていること
5.可変性(共同住宅・長屋のみ)
居住者のライフスタイルの変化に応じて間取りの変更が可能であること
6.バリアフリー性(共同住宅のみ)
将来のバリアフリー改修に対応できるように配慮されていること
7.住宅面積の確保
良好な居住水準を確保するために必要な規模があること
8.居住環境
良好な景観の形成やその他の地域における居住環境の維持および向上に配慮されていること
9.維持保全計画の策定
建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること
10.災害配慮
自然災害による被害の発生の防止、または軽減に配慮されていること

長期優良住宅にするメリット

長期優良住宅(増築・改築)の認定を受けた住宅は、税の特例や住宅ローンの金利引き下げ、地震保険の割引などを受けることができます。

所得税額の控除
住宅ローンを利用してリフォームした場合や、耐震・省エネ・耐久性など要件を満たすリフォームを行った場合、所得税額が一定額控除されます。
固定資産税の減額措置
工事完了年の翌年度分の家屋に係る固定資産税が減額されます。
贈与税
自己居住のための住宅を取得・リフォームする資金として贈与を受けた場合、一定金額まで贈与税が非課税になります。長期優良住宅の場合は、非課税限度額が拡大されます。
住宅ローンの金利引き下げ
フラット35Sやフラット35リノベなどを利用する場合、金利の引き下げを受けることができます。
地震保険の割引
住宅の耐震性に応じた保険料の割引を受けることが可能です。

これらの優遇措置には期限があります。また、時期によって内容が変わることがあるので、利用の際はリフォーム会社や国土交通省のホームページ、損害保険会社などに確認が必要です。

長期優良住宅化リフォームの補助金

長期優良住宅にリフォームする場合は、要件を満たせば「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金を利用することができます。

長期優良住宅化リフォームの要件
1.リフォーム工事前にインスペクション(住宅診断)を行い、維持保全計画およびリフォームの履歴を作成すること
2.リフォーム工事後に、劣化対策、耐震性、省エネルギー対策の基準を満たすこと
3.「性能向上リフォーム工事」「三世代同居対応改修工事」「子育て世帯向け改修工事」「防災性・レジリエンス性の向上改修工事」のうち一つ以上を行うこと
性能向上リフォームは、劣化対策や耐震性の向上の工事のほか、バリアフリー工事やテレワークの環境整備改修なども含まれます。また、三世代同居対応改修工事や、子育てしやすい環境整備のための改修工事、防災性・レジリエンス性(強靭性)の向上のための改修工事も補助の対象になります。
●テレワークの環境整備改修
テレワークの環境整備改修は、テレワークを行うためのデスクや本棚を新たに設置する、間仕切り壁や建具で仕切られるスペースを新たに設置する場合も補助対象になっています。
●子育てしやすい環境整備改修
子育てしやすい環境整備には、子どもを見守れる対面式のキッチンへのリフォームや家事負担を軽減するための設備の設置についても補助対象に含まれています。
●防災性・レジリエンス性の向上改修
防災性・レジリエンス性の向上の改修工事は、感震ブレーカー付き分電盤の設置や蓄電池、エコキュート、雨水タンクの設置も含まれています。

「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金については、申請期限がありますので、注意が必要です。また、細かい要件がありますので、リフォーム会社に相談するなど、長期優良住宅について詳細を確認した上でご検討してください。

監修協力

熊谷 一志 さん

熊谷 一志 さん

家づくりコンサルティング株式会社
CFP®(日本FP協会認定)・1級FP技能士・宅地建物取引士
不動産・建築業界を経てきた経験を活かし、住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして2006年に家づくりコンサルティング株式会社を設立。延べ5000件を超える住宅購入時のお金に関する悩みのコンサルティングを行っている。フジテレビ「笑っていいとも!」、日経CNBC「マーケット経済専門チャンネル」などメディア出演の他、企業での講演やセミナー講師など幅広く活躍中。

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