2023/02/10
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収納のプロに聞く!実家の収納リフォーム成功のポイント
実家のものが多く、片付けたいけどできない…とお悩みの方も多いのでは。片付けセミナーや、年間100件以上の片付けのサポートをされている収納のプロ高山一子さんに実家の収納リフォーム成功のポイントを教えていただきました。
ものが捨てられず片付かない実家
たまに実家に帰ると、ものの多さにビックリすることがありませんか。「ものを大切にしなさい」と言われて育った親世代。今は着ていない衣類や使っていない食器、贈答品など、なかなか捨てられない人が多いようです。
さらに年齢を重ねると片付けることが面倒になり、今以上に家の中が散らかっていくことも考えられます。これから先も安心して暮らすためにも片付けは必要です。
片付けは勝手にしない。相談しながら進める
実家を相続する場合には、住むにせよ、貸すにせよ、売却するにせよ、まずはものの整理、破棄が必要になります。処分を専門業者に依頼した場合、数万円~数十万円程度、大がかりな場合は数百万円かかったというケースもあるようです。
ですが、良かれと思って実家の片付けを始めたら親に反対されたという方もいるのでは?「片付けると親はよろこんでくれる」と思っていると、うまくいかないことがあります。
最終的には、親が笑顔で暮らせるのが一番です。親にもっと快適な生活をしてもらうためには、収納リフォームも一つの方法です。
「大切なこと・もの」を明確にすること
収納リフォームをする場合、まずものを捨てたり、整理することを考えるかもしれませんが、何より大切なのは親がどんな目的でリフォームをしたいかを確認することです。
「セカンドライフをもっと充実させたい」「いざという時の安心・安全」「自分のことは自分でできるようにしたい」など、目的は家庭によってさまざまです。親とゴールをしっかりと共有することで、計画がスムーズに進みます。
また、親を客観的に見たときにどのような変化があるかをしっかりと観察することも大切です。リフォームでより良い環境にするためには、今どんなストレスがあるかを知る必要があります。例えば、料理や洗濯・買い物など、家事が以前のようにできていないのであれば、困りごとを解決し、快適に家事ができるプランを提案すると良いでしょう。
必要なものの確認から始める
まずは、大切なものを選ぶことからスタート。「お金まわり」「必需品」「もしもの時」「大切なもの」の4つを基準に考えます。
例えば、預金通帳や実印、契約書などの「お金に関するもの」。カギや財布、常備薬、健康保険証などの「必需品」。「もしもの時」に必要な入院セットや身分証明書など。趣味やコレクション、アルバムなど親が「大切なもの」を確認することも必要です。
すべてのものを残せない場合は、減らす必要が出てきますが、迷ったら捨てないという選択肢もあります。その時には、迷う理由ごとに箱に分けておきます。
大切なものを選ぶことができたら、わかりやすい場所に収納するように考えます。
収納は、しまいやすく取り出しやすいが基本
よく使うものは使うところに近い場所にしまうと探すストレスがありません。見えていないと忘れてしまったり、身体的にできないことも多くなるため手が届く位置に収納するのがおすすめ。壁面収納にすると整理しやすく、探しやすくなります。
納戸など収納場所を決めて、まとめて置いておくこともおすすめです。
その場合は、スーパーの陳列棚のように置いているものが一目でわかる「見える収納」にすることで、ものを探す手間が省けます。
外で使うものは玄関に収納
玄関の収納量を増やすなら、しまうものに合わせて棚の高さを変えられる「クロークボックス」がおすすめ。コート掛けなども付いていると、無駄なくスペースが使えます。
靴だけでなく傘、ゴルフバッグ、コート、キャリーバッグなど外出時に使うものは玄関にまとめるようにするとラクに準備ができます。野球のバットやバドミントンのラケットなど、孫が来たときの遊び道具もしまっておけます。
収納上手な最新のシステムキッチンがおすすめ
お鍋やお皿など、かさばるものが多いキッチン。これまでのキッチンは開閉式の扉を付けた収納が一般的だったので、ものが取り出しづらく、腰をかがめて作業をするのも年々つらくなってきます。
引き出し式のキッチン収納なら、上から見て何がどこにしまってあるか一目瞭然。しまうときも、取り出すときも姿勢に無理がありません。引き出し内部も仕切りがあって、多くのものを整理しながら収納できます。調理器具もスムーズに出し入れしやすいので、料理も効率よくできそうですね。
食器や食品をまとめて大容量のパントリーに収納
食器や調理器具、食品などものがあふれがちなキッチンは、すぐ近くに大容量のパントリーがあればスッキリと収納できて便利。キッチン横にスペースを作るのが難しい場合は、壁面固定の収納を利用してパントリーを作ってもいいですね。どこに何が入っているのかが把握しやすいので、必要なものをサッと取り出せます。
整理・収納をしっかり整えることで、片付けもラクになります。片付けがラクになることで、散らかることを防ぎ、掃除の手間も減ります。実家がスッキリと整理された部屋だと、親も子も安心できます。帰省のタイミングなどで、親に確認しながら一緒に片付けができるといいですね。
監修協力
高山 一子(たかやま いちこ)さん
収納コンサルタント/ライフオーガナイザー
SMART-WORKS主宰。一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会認定トレーナーとして活動するとともに、片付け収納サービス、新築・リフォーム時の収納コンサルティング、収納や片付けの各種セミナー講師として活動。