リフォーム・リノベーションのヒント集

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2023/12/27

人もイヌもネコも高齢化。ずっと一緒に元気に暮らせる安心の住まいにリフォーム

いくつになっても、イヌやネコと楽しく暮らしたいと考える方は多いようです。考えておきたいのは、ペットと一緒に心地よく暮らせる住まいの工夫。快適・安心なリフォームで、ストレスを軽減。お互いがずっと元気で過ごせる住まいにしたいですね。

人もイヌもネコも高齢化。リフォームで元気&長生きを応援

年齢を重ねても「今週末は温泉旅行!」「まだまだ仕事をがんばるよ」など、趣味や仕事を元気にこなし、アクティブな生活を送る人が増えています。健康で元気に、できればずっとわが家に住み続けたい。イヌやネコと暮らしているとなおさらわが家での暮らしが大切になります。
人もイヌもネコも寿命が延びた現代、特に室内で暮らすことが増え、15~20年近い寿命をまっとうするイヌやネコも少なくありません。それでも、老化に伴う足腰や体力の衰えは避けられません。段差が苦手になり、温度差への対応力も弱くなります。
人もイヌもネコも快適に過ごすために、一緒に安心して暮らせる住まいのリフォームを考えましょう。

イヌ・ネコだけではなく、人の暑さ・寒さ対策も考える

高齢になると、人と同じようにイヌもネコも体温調節が難しくなるので、部屋の温度管理には気を付けましょう。特に夏は熱中症対策のために、エアコンで適切な温度管理が必要です。タイル張りなどの涼しいスペースを作ってあげることも暑さ対策になります。
冬は、毛布などを用意したり、床暖房などを入れたり、家全体を快適にしておきましょう。くぐり戸(ペットドア)があれば、イヌやネコは自分で快適な場所を移動して過ごすことができます。人にとっても、イヌやネコの出入りでドアの開け閉めをする必要がなく、部屋ごとに快適な室温を保ちやすくなります。
行動範囲が狭くなった老犬・老猫がいるなら、過ごしている部屋の室温は夏でも冬でもあたたかく適温に保ちましょう。

リフォームで段差解消!動き回りやすい工夫で転倒を予防

人もイヌもネコも、年をとると筋力が落ち、運動能力が低下していきます。リフォームで床の段差をなくせば、人のつまづきによる転倒もなくなり、高齢のイヌやネコも安心して動き回れます。さらに滑りにくい床材を選ぶことで、特に滑りに配慮が必要な小型犬の足腰への負担も軽減できます。

上下移動が楽になるホームエレベーター

2階建て以上の戸建てで暮らしていると、階段の上り下りが人にもイヌ・ネコにも負担になることがあります。小型犬にとって階段の段差は大きく、足腰の負担になったり、滑り落ちてケガをしたりする恐れもあり階段を上らせないようにすることが多いでしょう。足腰が弱ってきた中型犬や大型犬の階段の上り下りの介助は大変です。
また、ネコの健康のために各階に猫トイレを置いていると、鉱物系などの重い猫砂を持って階段を上るのは大きな負担です。老猫は階段の上り下りができなくなります。
そんなときにホームエレベーターがあれば、イヌ・ネコと一緒にラクに上下移動できます。ホームエレベーターは一畳よりも小さなスペースから設置できるコンパクトなものがあるので、選択肢のひとつになりそうです。

年を取ってからの居場所づくり

来客にソワソワ落ち着かない、少し疲れたからホッと一息つきたい…年を取ってくるとイヌもネコも慣れない刺激を受け入れにくくなります。ストレスを感じたときのために逃げ込める個室のようなお気に入りの居場所をつくっておくと、いつでも安心して過ごせます。特にイヌは、祖先のオオカミが穴を掘って住処にしていた習性から、ベッドやハウスなどの狭く囲まれた空間があると落ち着けます。ネコは、室温だけではなく人や他のネコとの距離も見ながら、快適な場所を探して移動するため、ソファやキャットウォークの上、窓台など、数か所の居場所を用意してあげるのがいいですね。
イヌは足腰が弱ってきても散歩や運動は良い刺激になります。お出かけしやすいように、玄関まわりを整えておくのも良いでしょう。寝たきりになったら、室温が適温で安定した居場所で家族の近くで過ごせるようにしましょう。

年を取るとネコも高い所への上り下りも難しくなり、より長時間眠るため、お気に入りの寝床を中心とした生活になります。また、ネコは最期まで自力でトイレに行きたがるため、アクセスしやすい場所にネコ用トイレやごはん・お水を配置してあげると良いでしょう。

リビングの一角にイヌやネコ用の専用ケアコーナーを設けることで、ケアをしやすく、一緒にいる時間を増やしてケアも楽しい時間にしやすくなります。

イヌの無駄吠えが困る…インターホン音への反応を止めたい

「そんなに吠えるとご近所さんに迷惑かも…」、長年快適に暮らすためには、ご近所との関係性も重要です。イヌとの暮らしで困るのは、大きな鳴き声です。家の中なら、例えばインターホンに反応して吠えるイヌも多いようです。解決法のひとつに、きっかけになる音が鳴ったら、いつもの居場所にいく訓練をしておくやり方があります。きちんと居場所に移動したら褒めてごほうびのおやつをあげるなど、インターホンの音が鳴ったらおとなしくすることを覚えてもらいます。呼出音を変えてみるのも一案です。イヌの性格に合った解決法を見つけましょう。

ハウスダストにカビも嫌!住まいの汚れた空気をまるごとキレイに

適切な換気をしていない住まいでは、化学物質、ハウスダスト、ウイルス、カビ、二酸化炭素など人体やイヌ・ネコに悪影響を及ぼす物質が室内に溜まっていきます。こうした物質は下層に漂うため、特に床面で暮らすことが多くなる高齢のイヌやネコは汚れた空気を吸いやすい状態。24時間換気は一日中止めずに、きちんと換気をしましょう。
つい窓を開けて掃除をしたくなりますが、ハウスダストなどが外からの風によって舞わないように窓を閉めて掃除をしましょう。
また、窓は開けっぱなしにしないこと。網戸は破ってしまうことがあるので、過信しないようにしましょう。空気清浄機は天井埋込形のものだと場所を取らずに空気をキレイに保てます。

監修

いしまるあきこさん

一級建築士 ・猫シッター

代表を務める 一級建築士事務所ねこのいえ設計室では、建築士の視点で猫と犬との住まいの設計・アドバイスと小規模リフォームの施工も行っている。猫シッター「ねこのいえ」では猫と犬のシッターだけではなく、お世話方法や暮らし方のアドバイスも。建築士と猫シッター2つの視点で猫と犬の行動や習性をふまえ、人と猫と犬がバランスよく快適で安全に暮らせる住まいを提案している。パナソニックの犬猫向き「わんにゃんSmile」建材を監修。

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