( ドアで魅せる家づくりのヒント集 )

( ドアで魅せる家づくりのヒント集 )VERITIS MAGAZINE

( guide )

グレージュアッシュ柄の順応性

2026.09.01

interview
田中 佳佑
text
片桐 絵都
photography
MUSUBU

グレージュアッシュ柄の
順応性

MUSUBU

間取り、立地、価格など、さまざまな制約がある都市型マンションのリノベーション。限られた条件の中でデザイン性も両立させるのは、なかなか難しいものです。

そのヒントになるのが、首都圏のマンションを中心に買取・再販を行うMUSUBUが手がけた2つの物件。テイストの異なる物件ながら、どちらにもVERITIS(ベリティス)のグレージュアッシュ柄のドアが効果的に使われています。

それぞれの設計を担当した井口鈴菜さんと吉原亜美さんに、ドア選びや空間づくりのポイントを伺いました。

●人が住むことで完成する家
●制約を活かし、デザインに昇華
●スペースを取らずに見せ場をつくる

人が住むことで完成する家

──数多くのマンションリノベを手がけているMUSUBUさんですが、“MUSUBUらしさ”のようなデザインの基準はありますか?

井口: 高級感のある仕様、トレンドの低彩度なホテルライクな仕様、北欧スタイルや木目を取り入れたナチュラルな仕様など、5つの仕様をベースにしています。

まずはどの仕様にするかを決め、そこから細かいデザインに落とし込んでいきます。この仕様は固定ではなく、トレンドやニーズに合わせて定期的に更新しています。

吉原: 全てに共通しているのは「飾りすぎない」こと。高級感を出す場合でも、華美に飾り立てすぎず、できるだけ幅広いテイストの家具が馴染むように仕上げます。完成形としてつくり込むのではなく、住まう人が個性を出せる余白を残すイメージです。

──今回ご紹介する2つの物件は、それぞれどの仕様に当てはまるのでしょう?

井口: 私が担当した「等々力物件」は、彩度を抑えつつトーンを揃え、上質な空間に仕上げています。この物件は世田谷区の等々力という落ち着いた環境にあり、低層階で、駅から少し離れています。そのため、住まい手としてはファミリー層やシニア世代の住み替えなどを想定しています。

等々力物件 間取り図

吉原: 私が担当した「田町物件」は、コンパクトな間取りのため、若いご夫婦や、まだお子さんが小さいご家族を想定して、白と木目が基調のナチュラルでシンプルなデザインにしました。

田町 間取り図

#Tip1:5つのデザイン仕様に当てはめる
#Tip2:自分らしさを出せる余白を残す

制約を活かし、デザインに昇華

──ではまず、「等々力物件」のデザインはどこから組み立てていったのでしょうか?

井口: この物件はコンクリートに直接仕上げ材を貼り付ける「直床」という構造になっていて、使える床材が限られていたため、床を起点にしました。

少ない選択肢の中でも一番上質な素材を選び、クセがなく淡い色味のアッシュ柄を採用。アクセントカラーとして黒を取り入れて、全体を引き締めました。

──ドアのデザインはどのように選んだのでしょうか?

井口: ドアも床の色を起点に決めました。リビングドアは石目調にして、それ以外は全てベリティスのグレージュアッシュ柄を採用しています。廊下にはタイルにしたかったのですが、マンションのため防音対策が必須で、直接貼り付けることができませんでした。そこで、タイル調のフローリングを使用しています。

グレージュアッシュ柄はほどよく表情があり、色味も絶妙。リビングの床の木目、廊下のタイル調、リビングドアの石目調と、異なる質感をうまくまとめてくれます。また、キッチンの引戸はハイドアにし、天井にレールを埋め込むことでシームレスに。こうした細部の仕様が充実しているのもベリティスの魅力ですね。

引戸:ベリティスプラスレーベルPZ型 色柄:グレージュアッシュ柄 引手:C1型 角型引手 サテンシルバー色

#Tip3:グレージュアッシュ柄で異なる質感をまとめる
#Tip4:レールを埋め込んだハイドアでシームレスに

スペースを取らずに
見せ場をつくる

──では次に、「田町物件」の空間づくりでこだわったポイントは?

吉原: 冒頭でもお話ししたように、一番の制約は「コンパクトさ」でした。部屋の使い方の選択肢を広げるため、玄関とリビング横に個室を設けたのですが、平米数が限られていたので、リビングの方の個室は入り口を傾斜させて、圧迫感が出ないように工夫しています。

──キッチン前面の木目がいいアクセントになっていますね。

吉原: ナチュラルな空間なので、普遍的なデザインにしすぎると個性がなくなってしまいます。ただ、新しい何かを付け加えるには広さが足りない。そこで、凹凸のあるリブ材を使ってキッチンの腰板を見せ場にしました。

──床とドアはどのように決めていったのでしょうか?

吉原: 空間の雰囲気を損なわず、かつ間延びしないよう、柄の主張がありながらも柔らかな風合いのオークの床材を選びました。そしてドアは、床と腰板の色に合わせてベリティスのグレージュアッシュ柄を。

黄味が強くないので、空間がすっきりと引き締まり、洗練された印象になります。その他のドアはベリティスのしっくいホワイト柄にして、白壁との一体感を出し、空間に広がりを持たせています。

ドア:ベリティス スタンダードレーベルLE型 色柄:グレージュアッシュ柄 ハンドル:A3型 サテンシルバー色

──同じグレージュアッシュ柄でも、「等々力物件」と「田町物件」でずいぶん見え方が違いますね。

吉原: そうなんです。木目のバランスと、温かすぎず冷たすぎない色味がポイントだと思います。制約の多い都市型マンションのリノベにおいて、この順応性はとてもありがたいですね。

井口: 条件が限られていても、工夫次第でデザインの幅は広げられます。これからも住まう人の笑顔を思い描きながら、都心の豊かな住まいを増やしていきたいです。

#Tip5:斜めの入り口で圧迫感軽減
#Tip6:キッチンの腰板を見せ場に

物件ごとの個性を丁寧に引き出すMUSUBUと、テイストに縛られないグレージュアッシュ柄のドア。それぞれの柔軟性が重なることで、都市型マンションリノベの可能性はさらに広がっていきそうです。

*記事内でご紹介した商品は、2026年9月1日時点の仕様となっております。
ご検討の際は、ショウルームやカタログ等でご確認ください。