入浴介助の負担軽減だけでは語れない

実際の現場から読み解く
「2室連結ユニットバス」の魅力

リハビリリゾート てぃーだ千城台

通所介護事業所、リハビリリゾート てぃーだ千城台では、
在来工法の浴室をユニットバスに改修。。
それに併せて取り入れたのが、2室連結ユニットバスでした。
魅力の1つは入浴介助の負担軽減ですが、
実例だからこそ聞こえてくる別の魅力もあるとのこと。
その魅力について施設長にお話を伺いました。

>施設長 松崎拓也 様
リハビリリゾート
てぃーだ千城台
施設長 松崎拓也 様

介護現場に寄り添う
2室連結ユニットバス

同じ千葉市若葉区内にもう1カ所新しく通所介護事業所を開設するのを機に、競合を避けようとコンセプトを見直しました。その結果、車いすのご利用者様を受け入れることを決め、福祉車両を1台調達するほか、スタッフの負担軽減や人員シフトも工夫ができそうだと考え、チェア浴にも利用できる個浴タイプと2室連結タイプを採用することを決めました。

チェア浴に用いる機器としてまず選んだのは、福祉・介護機器メーカー「いうら」で製造・販売する入浴リフト(リフト付シャワーキャリー)です。このリフトは、浴槽に設置したレールに接続し、シートごと浴槽上にスライドさせ、入浴を介助するものです。浴室で利用するには、このリフトを取り付けられる浴槽に取り替えなければなりません。

どの浴槽を導入するか、商品を調べていくうちに出合ったのが、パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社で製造・販売するユニットバス「アクアハート」シリーズです。使い心地を東京・汐留のショウルームまで確かめに行き、その個浴タイプの採用をまず決めました。この時、同じユニットバスの2室連結タイプのことを聞き、浴室の改修に伴い個浴と組み合わせて取り入れることを検討し始めました。

個浴タイプは入浴リフトを組み合わせ、チェア浴を可能に。ユニットバスへの改修工事に伴い、随所に手すりを設置。また個浴タイプには、入浴リフトを用いたチェア浴を可能にするレールを浴槽に設置。その上をスライドさせる形でシートをまず浴槽上に移動させ、そこでシートの位置を下げれば、利用者が浴槽につかって

ACTION

2室連結タイプ(アクアハート F-ex)の採用で
利用者と介護スタッフ両方にメリット

#入浴介助の効率UP #介護の質UP

入浴介助の負担軽減につながる
2室連結タイプという選択肢

検討段階で入浴介助にあたる介護スタッフに聞くと、壁で仕切られた個浴のユニットバス2つならスタッフは2人必要ですが、2室連結タイプならスタッフは1人で済むかも、という声が上がりました。浴槽の間を仕切るのはカーテンのため、介護スタッフがご利用者様の入浴介助にあたっている時でも、もう1人のご利用者様が浴槽から出ようとしていれば、音が聞こえます。その音を頼りに、そちらの入浴介助に回ることも可能です。それに「アクアハート」の2室連結ユニットバスは、浴槽の間のスペースを有効に活用できそうなので、入浴介助の負担をさらに軽減できるのではないかとスタッフは好意的に受け止めてくれました。

もう1つ、チームワークの熟成を促すようにも思います。象徴は、広葉樹を組み合わせてつくったテーブル4台で構成する「ビッグテーブル」です。このテーブルを囲んでみんなでランチを楽しむこともあります。食卓といえばやはり、木のテーブルですよね。それを囲むことでコミュニケーションが促され、家族的な関係を築けます。

実際に、入浴介助の負担については、ご利用者様の組み合わせによってやはり軽減されています。改修工事前は浴槽が大きいため、浴槽につかるご利用者様を1人にはしておけなかったのですが、介護スタッフが1人でも、もう一方の浴槽周りで別のご利用者様を介助することが可能です。身体状況に応じてご利用者様を適切に組み合わせることができれば、入浴介助の効率をさらに上げられる可能性も見込めそうです。

1対1ではない関係性から
利用者と介護スタッフに生まれた
新たなコミュニケーション

また、入浴介助が1対1でなく、利用者2人に対して介護スタッフ1人という組み合わせになることで、新たな関係性が生まれました。男性の知人同士など裸を見られることに抵抗のないご利用者様については、入浴時にカーテンを開け放すこともあります。そのうえで介護スタッフが体調をお聞きすると、不調な点がある場合、1対1の時と違って、それを素直に訴えることがあります。開放的な気持ちになるのか、3人での会話が弾むのか、1対1では決して訴えないような体の不調についても打ち明けてくれることがあるんです。そうすると私たちも必要な対応を取れますから、介護の質を上げられます。

難易度の高い
全裸での移動介助の負担も軽減

何よりもユニットバスに改修したのは、大正解でした。「アクアハート」への改修工事前は、シャワーのある場所から浴槽まで1mは移動しなければなりませんでした。当然、移動介助が必要です。ご利用者様は全裸ですから、介助するのは難しいんです。しかしいまは、シャワーのある場所と浴槽は近く、移動介助の苦労はありません。

それに、パナソニックハウジングソリューションズの提案を基に手すりを随所に設置してもらいました。改修工事前は浴槽の出入りで使う手すりだけでしたが、いまは出入り口の扉の近くやシャワーのある場所の近くなどにも設置しています。ご利用者様は介助を受けなくても、それらを使い分けながら一人で入浴することも可能になっています。浴槽をまたぐにしてもそう深くはありませんから、その点もご利用者様の入浴を助けています。

※内容は、2024年2月に実施した松崎施設長への取材より

リハビリリゾート ていーだ千城台

リハビリリゾート ていーだ千城台

千葉県若葉区にある大型デイサービスセンター(通所介護・介護予防通所介護)。専門職によるリハビリのほか、最新機器による楽しい運動ブログラム、カラオケや日替わりレクリエーション、屋外歩行訓練などを提供。

フラットで広びろ 2室分の介助スペース

AQUA HEART F-eX Kタイプ

2室を連結することで広さを確保したF-eXシリーズ Kタイプ。2代の浴槽を標準搭載しています。床の連結部分がフラットなため、大型ストレッチャーやシャワーキャリーの利用もスムーズに。