国が推進する既存学校のバリアフリー化
「小型エレベーター」が
既築物件に採用された背景
天理市立西中学校
文部科学省が進める既存学校のバリアフリー化。
調査によると、令和6年度時点で2階建て以上の校舎を保有する学校でエレベーターが設置された学校は約30.4※%。設置加速が求められている中、車いすを使用している生徒が入学する見込みであることがわかった天理市立西中学校において、パナソニックの小型エレベーターが採用されました。
市(教育委員会)、学校、設計施工会社の3者の協議により既存学校にどのようにエレベーターの導入を実現させたのか。校長先生と設計士にそのポイントをお伺いしました。
ご採用いただいた
「小型エレベーター XLウェルハートUi」


省スペース設計
巻胴式だから、釣合おもり不要。
昇降路も省スペースで設計可能
短工期・短納期
据付工事は2~4日、
製造発注から出荷まで約1カ月を実現
※件名により異なる場合もあります
木造建築にもOK
自立鉄塔が不要。
水平梁に補強材を取り付けて直接設置が可能
POINT
建設から45年以上も経過した公立学校で
エレベーターの導入にあたって
挙がった検討課題
#生徒への工事の影響
#設置場所
#コスト
※内容は、2025年5月に実施した取材より

天理市立西中学校
昭和52年開校の公立中学校。「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」を掲げ、文武両道の教育方針で地域とも密接な関係を築いている。
シンプルな構造で省スペース&省施工
設置・維持を低コストで実現する
「小型エレベーター XLウェルハートUi」
福祉の
まちづくり
条例対応※1

「ホームエレベーターは用途制限を受けてしまう」「業務用エレベーターでは設置が大変」 。そんな小規模建築物におすすめなのが、小型エレベーター。シンプルな構造だから、省スペース設計、短工期、低コストの設置費・維持費で、木造建築物にも対応します。
※本商品のご採用を検討される際は、建築計画の前に管轄行政庁に設置相談をお願いします。

Variation







※1 エレベーターに関する福祉のまちづくり条例等の規定につきましては、管轄行政庁へご確認をお願いします。
教育者の立場からすると
受験に影響する「工期や音」は重要なポイントでした
かねてより文部科学省が推進する学校のバリアフリー化を進めたいと考えていたところ、車いすを使用している生徒の入学が分かったことがエレベーターを導入するきっかけになりました。
検討の始まりはその生徒がこの中学に入学する2年前くらいです。市の教育委員会と連携しながら導入に向けて動き出したのが昨年でした。
既存の校舎への追加ですので実際に検討すると、どこに設置するべきか、コストをどのように抑えるかなど課題が浮上しました。
さらに、中学校としては工期も非常に重要なポイントでした。中学3年生は受験が控えているため、デリケートに、とてもセンシティブになります。見慣れない業者さんの出入りや工事の音で学習に影響が出ることはどうしても避けたい…。「重要なバリアフリー工事だから仕方がない」というわけにはいきません。
結果的にパナソニックの「小型エレベーター」にしたことで工期も短く、音が大きくなる工程などは授業の妨げにならない時に工事いただくなど施工会社さんにもご配慮いただき、スムーズな施工が実現できました。
3年生の教室の隣にエレベーターを設置したのですが、生徒や保護者から苦情などもなく、ホッとしています。
「小型エレベーター」の魅力は
コストと工期に直結する
設置場所の自由度
最近、新築の学校には設計段階からエレベーターが採用されることが増えてきていますが、天理市立西中学校は、1970年代の創立です。改修になりますので、エレベーターの導入にはクリアしなければならない建築要件が少なくありません。
そうなると、校舎に外付けする「増築」で対応することが多くなります。ただ増築は業務用など様々なエレベーターを検討できる一方、「建築確認」などの手間が増えることで、工期とコストにも大きく影響する傾向があり、導入のハードルが上がります。
公立学校ですので、工期はもちろんコストはとても重要視されます。そこで注目したのが外付け増築ではなく、コンパクトなので『ナカ』に設置できるパナソニックの「小型エレベーター」。検討途中で浮上した、活用していない3フロア分の教室にエレベーターを通す計画でした。市の教育委員会と学校の理解と協力を得て設計を始め、建物の基礎を避け、各階の梁を避け、なんとか昇降路のスペースを確保。業務用エレベーターのサイズではこの方法は不可能で、パナソニックの「小型エレベーター」のコンパクトさがポイントになりました。「小型エレベーター」を設置した1階部分の教室の余った空間は、個別面談室としてうまく活用いただいています。
設計の難易度は高めかもしれませんが、教室に余裕が出ている場合、増築の確認申請などが不要な今回の「小型エレベーター」の導入方法は、コストや工期の両面をクリアするとても有意義な方法だと実感したケースになりました。
「小型エレベーター」を通す設計に
個別面談室として活用
助成金要件に
当てはまっただけでなく、
予想以上の導入メリットも
学校へのエレベーターの導入は、車いすを使用している生徒だけでなく地域の方にもメリットを感じていただいています。
3階にある図書室のボランティアの方はお歳を召して階段が苦痛だったのですが、エレベーターの設置により引き続き引き受けていただいています。公立の学校は地域の方との接点も多いので、その観点からも学校のバリアフリー化は早急に望まれることだと感じています。
また偶然に「小型エレベーター」を運用してからケガで松葉杖を使用する生徒が複数おり、必要な生徒達にも役立つ結果に。理想は多数が乗員できる業務用エレベーターかもしれませんが、既存の学校の改修という範囲内でエレベーターが導入でき、予想以上に大きな導入メリットを感じています。
エレベーターの設置を検討する学校には、ぜひ「小型エレベーター」も視野に入れることをおすすめしたいですね。