公開日:2026/07/08
更新日:2026/07/08
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戸建てリフォーム前に知っておきたい!確認申請が必要になる「大規模修繕・模様替え」とは?
2025年4月に建築基準法が改正され、リフォームに影響が出ています。これまで建築確認申請が不要だった木造2階建て住宅の大規模の修繕・模様替えでも申請が必要になるケースがあります。どんなリフォームが対象なのか、何が変わったのか解説します。
2025年4月建築基準法改正でリフォームはどう変わった?
リフォーム内容によっては、これまで不要だった建築確認申請が必要に
2025年4月の建築基準法改正では、「4号特例」が廃止され、木造2階建て住宅を中心に多くの戸建て住宅で、構造審査を省略できなくなりました。
そのため、構造に関わる大規模なリフォームでは、従来よりも建築確認申請が必要になるケースが広がっています。
建築確認申請が必要になるケース
- ・壁を撤去して間取りを大きく変える
- ・柱や梁に関わる工事
- ・階段の位置変更
- ・屋根を大きく改修する工事
- ・スケルトンリフォーム など
キッチンの交換やクロスの張り替えなどの内装工事は対象外ですが、主要構造部(壁・柱・梁・床・屋根・階段など)に手を加える工事では、申請が必要になる可能性があります。
リフォームを検討されている場合は、まず「自宅の工事が対象になるかどうか」を確認することが大切です。
「4号特例」とは?
4号特例とは、小規模な木造住宅において、建築確認時の構造審査の一部を省略できる制度のことです。これまでは、木造2階建て住宅では、構造計算の提出が不要で、構造に関する審査が簡略化されていました。
しかし、2025年4月の建築基準法改正により、この4号特例は廃止され、旧4号建築物は「新2号建築物」と「新3号建築物」に再編されました。
新3号建築物(木造平屋・200㎡以下)は、従来通り構造審査・省エネ審査が省略されますが、新2号建築物(木造2階建てなど)は構造審査が省略されず、構造計算が必要になるケースが大幅に増加しました。
そのため、これまで建築確認申請が不要だった工事でも、主要構造部に関わる大規模なリフォームでは、申請が必要になる可能性があります。
リフォームではまず、自宅が新2号建築物か新3号建築物かを確認することが重要なポイントです。
建築確認申請で新たに必要になること
建築確認申請が必要になる場合、リフォームする内容によっては、建物の安全性や基準を満たしているか確認が必要になります。
たとえば、壁や柱に関わる工事では「構造計算」などの審査、増築を伴う場合は、原則として「省エネ基準への適合」が求められます。
「構造計算などの審査」が必要になるケース
構造に関わるリフォームでは、建物の安全性を確認するために、構造計算などの審査が必要になる場合があります。特に2025年4月以降は、木造2階建て住宅を含む新2号建築物では構造審査が省略されないため、構造に影響する工事では構造計算が必要になるケースが増えています。
たとえば、
・壁を撤去してLDKを広くする
・階段の位置を変更する
・柱や梁を補強・撤去する
といった工事では、建物全体のバランスに影響するため、構造審査の対象になる可能性があります。
そのため、まずは工事内容がどこまで構造に影響するのかを確認することが重要です。
増築を伴う場合は、「省エネ基準への適合」が必要になることも
2025年4月以降、増築や外壁・屋根・窓など、家の外側の断熱に関わる部分を大きく改修する工事では、省エネ基準への適合が求められるようになりました。
たとえば、新しく部屋を増築する場合は、その増築部分について断熱性能や窓の性能などが、基準を満たしている必要があります。対象となるのはあくまで増改築部分のみです。
また、外壁の断熱材を張り替える工事や、窓を高性能なものに交換する工事などでも、省エネ審査が必要になるケースがあります。
ただし、戸建て住宅の場合、国が定める「仕様基準」に沿って断熱材や窓、設備などを選ぶことで省エネ適合性判定(省エネ審査)が省略できる仕組みがあります。
そのため、戸建ての増築では、仕様基準に沿った材料・設備を選ぶことで、手続きが簡単になり、よりスムーズになる場合があります。
建築確認申請が必要になるリフォームは?
建築基準法では、建物を支える主要構造部(壁・柱・梁・床・屋根・階段など)を大きく変更する工事は「大規模の修繕・模様替え」に該当し、建築確認申請が必要になる場合があります。
「大規模の修繕・模様替え」とは、主要構造部のうち、いずれか一つの部位で、過半(半分以上)を改修する工事を指します。
ただし、過半の考え方は部位によって異なります。
・壁:壁の総面積の過半
・柱:柱の総本数の過半
・梁:梁の総本数の過半
・床・屋根:面積の過半
・階段:過半を架け替える場合
スケルトンリフォームのように住まい全体のリフォームを行う場合だけでなく、一部の主要構造部に手を加える工事でも、建築確認申請が必要になるケースがあるので注意が必要です。
建築確認申請が必要になる可能性があるリフォーム
建築確認申請が必要になるかどうかは、工事内容が「大規模の修繕・模様替え」に該当するかで判断されます。 ここでは、戸建てリフォームで申請が必要になる可能性が高い代表的な工事を紹介します。
壁撤去を伴う大規模な間取り変更
部屋をつなげてLDKを広くするなど、壁を撤去する間取り変更のリフォームは注意が必要です。
耐力壁(建物を支える壁)を撤去する場合は、構造計算が必要になり、確認申請の対象となる可能性が高くなります。
一方、構造に影響しない間仕切り壁の変更は、申請不要となるケースもあります。
柱・梁など構造部に関わる工事
柱を抜いて空間を広げる工事や、梁の補強を伴うリフォームでは、建物の強度に直接影響します。
柱・梁の総本数の過半を改修する場合は「大規模の修繕・模様替え」に該当し、申請が必要になる可能性があります。
階段位置変更
階段は、主要構造部にあたるため、位置を変更したり、架け替えたりする工事では、建築確認申請が必要になる可能性があります。特に、動線変更を伴う大規模なリフォームでは、構造への影響も含めて確認が必要です。
屋根を大きく改修する工事
屋根の構造(垂木など)に手を加える工事は、主要構造部の改修に該当します。屋根の面積の過半を改修する場合は、確認申請が必要になる可能性があります。
既存の屋根の上に新しい屋根をかぶせるカバー工法によるリフォームは該当しません。
耐震改修を伴う全面改修
耐力壁の追加や柱・梁の補強など、耐震性能に関わる大規模な工事は、主要構造部の改修に該当する場合があります。
ただし、すべての耐震改修が対象になるわけではなく、工事範囲によって判断されます。
スケルトンリフォーム
建物の骨組みを残して内装や設備をすべて解体するスケルトンリフォームは、主要構造部に手を加える工事が含まれることが多く、建築確認申請が必要になる可能性が高い工事です。
◆建築確認申請が必要なリフォーム・不要なリフォーム一覧
| リフォーム内容 | 建築確認申請の可能性 |
|---|---|
| キッチン交換 | 原則不要 |
| 浴室・トイレ交換 | 原則不要 |
| クロス張り替え | 不要 |
| フローリング張り替え(仕上げ材のみ) | 原則不要 |
| フローリング張り替え(床下地や構造部分も含む) | 工事内容による |
| 外壁塗装 | 不要 |
| 屋根材交換 | 工事内容による |
| 壁撤去を伴う間取り変更 | 工事内容による |
| スケルトンリフォーム | 必要になる可能性が高い |
| 階段の架け替え | 必要になる可能性が高い |
| 柱・梁の変更 | 工事内容による |
| 耐震改修を伴う全面改修 | 工事内容による |
参考:https://www.mlit.go.jp/common/001853472.pdf
※実際の判断は自治体や工事内容によって異なるため、事前相談が必要
大規模なリフォームで注意したい「既存不適格建築物」
既存不適格建築物とは
建築当時は法律に適合していたが、その後の法改正や基準の見直しによって、現在の基準に適合しなくなった建物のことを「既存不適格建築物」と言います。
現在の耐震基準や建ぺい率・容積率、接道義務などの基準が変更されたことで、現在の基準では、当時と同じ規模や形状で建てられなくなっています。
既存不適格建築物でもリフォームできるケースは多い
既存不適格建築物であっても、リフォームができなくなるわけではありません。
キッチンや浴室の交換、クロスの張り替え、床材の交換など、建物の主要構造部に影響しない場合は、問題なくリフォームできます。
ただし、建築確認申請が必要となる大規模な修繕・模様替えを行う場合は注意が必要です。工事部分について現行法への適合が求められるため、既存不適格部分との整合性を確認する追加の調査や検討が発生することがあります。
築年数の古い住宅は事前確認が必要
築年数の古い住宅では、自宅が「既存不適格建築物」に該当している場合があります。
大規模な間取り変更やスケルトンリフォームを検討している場合は、図面や確認済証の有無を確認し、早めにリフォーム会社へ相談すると安心です。工事内容によって必要な手続きや進め方が変わる場合があります。
建築確認申請が必要になると、リフォームにどんな影響がある?
2025年4月の建築基準法改正により、主要構造部に関わる大規模なリフォームでは、建築確認申請が必要になるケースが増えました。
建築確認申請が必要になると、リフォーム費用や工期・手続きの3つに影響が出る可能性があります。
ただし、すべてのリフォームで「大きく負担が増える」というわけではありません。
影響が出るのは、あくまで構造に関わる工事や増築など、申請が必要になる工事に限られます。
まずは、自宅の工事が申請対象になるかどうかを確認することが大切です。
リフォーム費用が増える可能性
建築確認申請が必要になると、これまで不要だった設計費用や審査費用が発生するため、リフォーム費用が増える場合があります。
特に2025年4月以降は、木造2階建て住宅などの新2号建築物では構造審査が省略されなくなったため、構造計算や補強検討が必要になるケースが増えています。
たとえば、下記の費用が追加で発生することがあります。
- ・建築確認申請にかかる審査手数料
- ・構造計算や補強方法の検討にかかる設計費用
- ・設計図書(図面)作成にかかる費用
- ・既存建物の状態を確認するための現況調査費用 (基礎・柱・梁の状態確認、図面が残っていない場合の調査など)
特に、壁を撤去する間取り変更や、柱・梁に関わる工事では、建物の強度を確認するための構造計算が必要になることが多く、費用が増える傾向にあります。
また、築年数の古い住宅では、新築時の図面が残っていないことが多く、現況調査が必要になるケースがあります。
費用は工事内容によって大きく変わるため、早めにリフォーム会社に相談し、概算を確認しておくと安心です。
工期が長くなる場合がある
建築確認申請が必要になる場合、申請手続きや審査期間が加わるため、工期が長くなることがあります。
特に2025年4月以降は、木造2階建て住宅などの新2号建築物では構造審査が省略されなくなったため、設計段階での検討に時間がかかるケースが増えています。
工期が延びる主な理由は次のとおりです。
- ・構造計算や補強方法の検討に時間がかかる
- ・建築確認申請の準備(図面作成・必要書類の整備)が必要になる
- ・審査機関による確認審査に一定期間を要する
- ・審査機関から指摘があった場合、図面の修正や再提出が必要になる
また、構造検討の結果、間取りや開口位置の調整が必要になる場合もあり、その分、設計期間が延びることがあります。
そのため、引っ越し時期が決まっている場合や、工期に制約がある場合は、通常より余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
リフォームをスムーズに進めるための3つのポイント
建築確認申請が必要になるリフォームでは、設計や審査に時間がかかるため、事前の準備がとても重要です。
ここでは、リフォームをスムーズに進めるために押さえておきたいポイントを紹介します。
大規模な間取り変更は早めに相談する
壁撤去を伴う間取り変更やスケルトンリフォームなど、構造に関わる可能性がある工事は、早めにリフォーム会社へ相談することが大切です。
たとえば、「LDKを広くしたい」「階段の位置を変えたい」「和室をなくして一体化したい」などのリフォームでは、工事内容によって建築確認申請が必要になる場合があります。
また、構造上の理由から、希望する間取りを実現するために、補強方法や工事内容を調整するケースもあります。
具体的なプランが決まっていない段階でも、方向性だけでもリフォーム会社に共有しておくと、スケジュールや費用感を把握しやすくなります。
図面や確認済証を探しておく
間取り変更や構造に関わる工事では、現在の建物がどのように造られているかを把握することが重要です。図面があることで、どこが構造上重要な壁か、柱や梁の位置、過去の増改築履歴などがわかり、設計や構造検討がスムーズに進みます。
築年数の古い住宅では、図面が残っていないケースもありますが、まずは手元にある資料を確認してみるとよいでしょう。
大規模リフォームの実績が多いリフォーム会社へ相談する
構造に関わる工事やスケルトンリフォームでは、
- ・どこまで壁を撤去できるか
- ・構造補強が必要か
- ・建築確認申請が必要になるか
など、専門的な判断が必要になります。
大規模リフォームの実績が多い会社であれば、
- ・構造検討の経験
- ・申請手続きの流れ
- ・補強方法の提案
などがスムーズで、安心して工事を進めることができます。
まとめ
2025年4月の建築基準法改正により、木造2階建て住宅などの新2号建築物では構造審査が省略されなくなり、主要構造部に関わる大規模なリフォームでは、建築確認申請が必要になるケースが増えました。
影響があるのは主に壁・柱・梁・階段・屋根など、建物を支える部分に手を加える工事です。
一方で、キッチン交換や内装工事など、構造に影響しない一般的なリフォームは、これまで通り申請不要で行える場合が多くあります。
「大規模修繕・模様替え」というとスケルトンリフォームをイメージしがちですが、間取り変更・階段架け替え・屋根の大規模改修など、一部の工事でも申請が必要になる場合があります。
大規模リフォームを検討している場合は、リフォーム会社へ早めに相談し、
- ・自宅が新2号建築物か新3号建築物か
- ・工事が申請対象になるか
- ・構造補強が必要か
を確認しておくと安心です。
この内容は2026年6月現在のものです。
監修協力

寒川 玲子(さむかわ れいこ)さん
一級建築士、空間デザイン心理士🄬プロ、防災士、マンションリフォームマネジャー。人生を変える住まいづくりの専門家。建築設計30年以上。戸建て住宅のリノベーション、マンションリノベーション、マンションの大規模修繕まで、区分所有から1棟丸ごとまで住まい専門に設計活動を展開。夫婦関係が危機的な状態から、空間デザイン心理学®を学んだことをきっかけに、自宅を見直し、夫婦仲が改善。住まいで人生が変わる経験をしたことで、一人でも多くの人を住まいで幸せにしたいとSNSなどで積極的に発信。