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2025.06.15
- text
- 徳 瑠里香
- photography
- 林 直幸
古民家、猫リノベ
空き家になった築68年の民家が、3頭まで猫が飼える賃貸物件に生まれ変わった。設計・施工を手がけたのは、猫も人も安全で快適な住まいづくりを提案する一級建築士・愛玩動物看護師のいしまるあきこさんが主宰する「まるねこ一級建築士事務所」。
空き家を所有する個人オーナーさんから相談を受けた不動産ストック活用コンサルティングを行う「家いちば」が示したさまざまな選択肢の中から、いしまるさんの提案する猫賃貸が選ばれてリノベすることになった。また、いしまるさんが担当する「ねこのいえ不動産」(運営:株式会社Carpe Diem)によって、工事完了前に猫2匹と一緒に暮らすご家族の入居が決まった。
水回りが不便、耐震性能が低い、暑くて寒い。そんな木造の古い民家の難点を丁寧に改善し、水回りはフルリノベ、壁と柱を増やした。
古家のリノベーションでは、すべてを新しくしてしまうことが多いが、既存の天井や柱を残しながら、床と天井や一部の壁などに断熱材を入れ、壁はしっくい塗りにした。さらに、すべての窓にパナソニックの内窓を付け、二重窓に。寒さに弱い猫と人が快適かつ健康に過ごせる家が叶った。
猫の侵入防止のため1階のキッチンは独立させた。別の空間にいてもお互いの存在を感じられるように、ガラス扉と壁には室内窓を設置。壁のカラーは猫が映えるブルーグレー色に。
リビングには、人が棚としても使える、小さなキャットウォーク・ステップをインテリアカウンターで造作。色柄はドアも合わせて、壁のブルーグレーと古民家にも馴染みやすいくすんだグレージュアッシュ柄を選んだ。
床は、グレージュヒッコリー柄に。猫にやさしい滑り配慮されたフローリングの「ベリティスフロアー わんにゃんSmile」を使用。縁側には同じ柄の「USUI-TA[ウスイータ]」を採用して馴染ませた。
各部屋の開き戸のハンドルは猫が開けにくい握り玉に、引戸には錠を付けて、猫が出入りOK/NGをドアで知らせる工夫を凝らしている。
古民家の猫リノベを多く手がけてきた建築士による、猫と人が心地よく安心して暮らせる家。
*記事内でご紹介した商品は、2025年6月15日時点の仕様となっております。
ご検討の際は、ショウルームやカタログ等でご確認ください。