( ドアで魅せる家づくりのヒント集 )

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( column )

心地よいグレイッシュ空間のつくり方

2024.12.01

interview
田中 佳佑
text
徳 瑠里香

心地よいグレイッシュ空間の
つくり方

グレーを基調に、自分にとって心地のよい空間をつくりたい。でも、何からどう選んだらいいのだろう?

住宅の空間づくりを手がけるレジデンシャルオーガナイザー・吉本とも子さんにコーディネイトのコツを教えてもらいました。

POINT1:床を起点に、色味を合わせる

グレイッシュカラーとは「ある基本⾊」にグレーが混じったスモーキーでやさしい⾊味全体のことです。ですから、ひとくちに「グレイッシュ」と言ってもさまざまな⾊のバリエーションがあります。

⼼地よさは⼈によって違いますが、⾊味だけで⾔うと、私たち⽇本⼈の肌⾊にとても近い、⾚み〜橙〜⻩みのグラデーションがリラックスでき、⼼地よさを演出してくれます。

ただ、色味の方向性が異なるグレーを合わせると、チグハグ感が生まれてしまいます。

壁や建具に特別なこだわりがなければ、まずは床材から選びましょう。床を起点に、好みの色味を見つけ、方向性を合わせた建具を選んでいきます。

床の色味に合わせて選ぶ
オススメのドアカラー

赤味系:パールグレー柄、ホワイトオーク柄
オレンジ系:イデアオーク柄
オレンジ〜黄味系:グレージュアッシュ柄、ホワイトアッシュ柄
黄味系:ホワイトアッシュ柄、ブルーグレーオーク柄

POINT2:目立たせたいか、馴染ませたいか

心地がよいのは、メリハリのある空間なのか、穏やかな空間なのか。全体のインテリアイメージから、グレイッシュカラーの濃淡や明るさのバランスを決めていくこともできます。

メリハリのある空間が好みであれば、濃く深いグレイッシュカラーを選び、全体に配置する面積は少なく。穏やかな空間が好みであれば、薄く淡いグレイッシュカラーを選び、配置面積は広めでもOK。

そのうえでドアの⾊は、まずは床の⾊に対して、次に壁に対して、⽬⽴たせたいのか、馴染ませたいのかで選びます。

例えば、⽩や淡いベージュ系のクロスにはホワイトアッシュ柄、グレージュアッシュ柄、パールグレイ柄を合わせると広がりのある印象に。ブルーグレーオーク柄を合わせると遊び⼼のある印象になります。

POINT3:素材のテクスチャーにこだわる

インテリアをコーディネイトするときに着目したいのは主に、素材とフォルムと色。Instagramなどで好みの空間写真を集める際、惹かれるのは、素材?フォルム?色?と自分に聞いてみてください。繰り返すうちに、自分の好みがより鮮明になるはずです。

なかでも注目したいのは素材のテクスチャー。例えばファッションでは、同じグレーでもコットンなのかレザーなのか、素材によって着心地のよさが違うはず。同じように、インテリア素材に凹凸があるのかないのか、⽊⽬がはっきり⾒えるのか見えないかなど、自分にとって心地よい素材のテクスチャーを見つけてみてください。

POINT4:個性は全体の2割で表現

色味やテクスチャーを揃えたグレイッシュカラーで統一感を出したら、全体の2割程度で個性を表現するのもおすすめです。少し違うカラーやテクスチャーを取り入れるだけで、空気感は変わります。

例えば、ブルーグレーオーク柄のドアを採用する場合、単体だと浮いてしまうので、ソファやカーテンなど計3箇所で取り入れる。その分量を全体の2割程度にすると、個性が引き立ちつつも、まとまった印象になります。木目と石目など異素材を組みわせるときも同様です。

番外編:「リッチナチュラル」のすすめ

個人的に注目しているのが、「リッチナチュラル」。定番になった北欧のイメージ、グレイッシュでナチュラルな空間にエレガントさやモダンさを加えたスタイルです。⾊の組み合わせにグレーをいれると、都会的になる、アカ抜ける、おしゃれに⾒える効果があります。インテリアにおいて、グレイッシュカラーに⼈気が出たのもそういった要因があるからでしょう。

リッチさをプラスする方法としては、例えば扉をハイドアにする。ドアを起点に、床と天井のラインがつながることで、視覚的な効果により高級感がぐっと上がります。

ほかには、1点だけでも、値は張るけど品質の良い“本物”を取り入れる。全部揃えるのは難しくても、照明やチェアなど、こだわりのインテリアアイテムが一つあると、空間にリッチさがプラスされます。

ベリティスのドアは、色味のバリエーションも豊富で、“本物”の家具にも馴染みやすい質感の選択肢もあります。ひとさじの個性ある「リッチナチュラルなグレイッシュ空間」を演出するのに活用してみてください。

吉本とも子さん

レジデンシャルオーガナイザー。インテリアのトータルコーディネイトに加えて、片付けにストレスを感じない住まいづくりを提案する。著書に『収納家具いらずの片づけ図解百科』(主婦と生活社)がある。

吉本さんオススメアイテム

マグネットが付けられる化粧ボードやドア。
収納ドアの裏がマグネット対応にできれば、
収納の工夫がいろいろできるので面白いと思っています。