( ドアで魅せる家づくりのヒント集 )

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( interview )

グレージュの“ちょうどよさ”

2025.08.01

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徳 瑠里香
photography
平山 奏二郎

グレージュの“ちょうどよさ”

大和財託株式会社

不動産・建築領域等を活用した資産価値共創事業を展開する大和財託。全国主要都市圏の不動産ネットワークとスピード感を強みに、中古マンションのリノベ再販事業を展開する。

今回訪ねたのは、大和財託の住宅ブランド「RENOSHIA(リノシア)」シリーズ。コンセプトは、内装デザインのトレンドを取り入れた、新築同様の設備が充実した住まい。

どんな住まいなのか。大和財託の代表取締役CEOの藤原さんと、事業本部 西日本建築業務課の丸尾さんに話を伺った。

個性よりも、時代の普遍性

──大和財託さんの住宅ブランド「リノシア」が生まれた経緯からお聞かせいただけますか。

藤原: 我々は創業以来、資産運用をしたい方に向けて、収益不動産となる新築アパート・マンションの建築、土地活用、賃貸管理など、幅広いサービスを一気通貫で提供しています。2023年から新規事業として、実需向けの住宅ブランドを立ち上げました。

日々不動産情報に触れていると、資産運用には適さないけれど、住まいとして最適な中古マンションの情報が集まってきます。

それまでは見送っていましたが、物件取得から設計・施工、アフターサービスまでを当社で一貫してできるため、高品質の住宅をコストを抑えて提供できるだろうと。関西から試験的に展開し、関東・名古屋・福岡と各拠点にも広がっています。

大和財託・代表取締役CEOの藤原さん

──「リノシア」の特徴は?

藤原: リノシアは、都市圏を中心に中古マンションを買い取り、最新トレンドを取り入れ、新築同様の設備にリノベーションして高い付加価値をつけた住宅ブランドです。

都心部で働く20〜40代のファミリー層をメインターゲットにしているので、間取りはLDKを最低限12帖確保した、3LDKが中心。我々の強みであるスピード感と柔軟性を活かし、市場調査を重ね、半年スパンで内装デザインや仕様をアップデートしています。

こだわりがないことがこだわりと言いますか。10人中1人に刺さる個性ではなく、10人中7人に気に入ってもらえる普遍性を重視しています。

──時代の空気を反映させた、多くの人が住みやすい普遍的な住まいということですね。普遍的だからこそ、どんな家具やインテリアにも馴染みやすく、自分たちの色に染めていける楽しみもありますよね。

藤原: そうですね。その余白を残しながらも、時間的にも経済的にもコストを抑え、トレンドを取り入れたハイグレードな設備の物件を提供できることが特徴だと思います。

グレージュアッシュ柄×
グレージュヒッコリー柄

──具体的に、今回の物件について教えてください。

丸尾: 新築同様のリノベーションを目指して、新築マンションで多く取り入れられているインテリアスタイルを調査して反映した物件になります。

大和財託・西日本建築業務課の丸尾さん

丸尾: 今のトレンドスタイルであるグレージュを基調に、空間で広く面積を占める床とクロス、ポイントになるドアの組み合わせから設計を進めました。

床材はベリティスフロアー グレージュヒッコリー柄、建具はグレージュアッシュ柄。白いクロスを合わせ、グレージュ空間を演出しています。

ドア:Standard Label(スタンダードレーベル)PA型 カラー:グレージュアッシュ柄 ハンドル:A3型 オフブラック色

──ドアのデザインはどのように決めたのでしょう?

丸尾: より多くの方に受け入れてもらえるよう、ドアはシンプルなPA型を採用しました。

また、家族が帰ってきたときにリビングから玄関へ漏れる光は、安心できると思い、LDKのドアは、採光部のあるWB型にしています。大きなガラス戸だと玄関からLDKが丸見えになってしまうので、ほどよい採光部のあるデザインを選びました。

普遍的でありながらも、ちょっとした特別感が添えられるように、ハンドルはすべてオフブラック色にしています。

玄関から見えるドア
ドアで空間にメリハリを

──間取りのこだわりはありますか?

丸尾: 家事動線を含む生活のしやすさに重きを置いています。その点、収納スペースはしっかり確保しました。キッチンには食材がすぐにしまえて隠せる扉付きのパントリーがあって、洗面所にはリネン庫を設けることで、パジャマやタオルをそのまま収納し、家事動線をスムーズにしています。

ほかにも、押入れをクローゼットに、洋室の小さなクローゼットをつなげて広くして使いやすくしています。

キッチン横のパントリー

──収納は暮らしやすさにおいて大事なポイントですよね。

丸尾: それから、家族で過ごす空間とプライベート空間のメリハリも意識しました。そのポイントになっているのがドアです。

LDKに隣接する個室はいつでもオープンに開け放って家族でゆっくり過ごせるように上吊り引き戸にしています。廊下に並ぶ3つの個室は仕事や勉強、趣味など個別の時間に集中できるように、開き戸にしました。

洋室の引き戸を開け放って開放的に
住みやすさの肝になる機能性

──今回の物件がリノシアの標準になるのでしょうか?

丸尾: リノシアには大きく2つのデザインラインアップがありまして。その1つがグレージュアッシュ柄のドアとグレージュヒッコリー柄の床を組み合わせた今回のグレージュ基調のもの。

もう1つが、しっくいホワイト柄のドアとウォッシュドオーク柄の床を組み合わせた「ホワイト」ベースのもの。

メインがファミリー層なので、あたたかみのあるグレージュ基調のデザインが人気です。

ドア:スタンダードレーベルWB型 採光部:半透明合わせガラス カラー:グレージュアッシュ柄 ハンドル:A3型 オフブラック色
床:ベリティスフロアー ダブルコート グレージュヒッコリー柄

──標準仕様としてベリティスを選んだ理由は?

藤原: いろいろな建材メーカーを検討しましたが、パナソニックはやっぱり技術力が高い。私も汐留のショウルームに伺ったのですが、表面のシートからものづくりへのこだわりを感じました。

丸尾: 実際に建材に触れて、表面に汚れがつきにくく、剥がれにくいのが一目瞭然でした。お客さまが困ることなく長く住める家を目指す中で、機能性の高さが決め手になりました。

藤原: あとは、トレンドを追う姿勢に共感したこともありますね。ドア一つとっても色柄とデザインのラインアップがとにかく豊富。トレンドカラーや現場の要望を取り入れた新商品も発売されていて、勉強させてもらっています。

──トレンドを追うという点で、今後取り入れたいカラーなどはありますか?

丸尾: 売価の高い物件では、ハイドアのPlus Label(プラスレーベル)を取り入れたり、パールグレー柄のドアを導入するなど、実験的に仕様を組み替えています。

しばらくはグレージュベースになると思いますが、今後仕様を組み替えるとしても、機能性への信頼があるので、ドアと床は基本ベリティスを採用したいと考えています。

時代の空気を反映した、シンプルであたたかみのあるグレージュ空間。都心部で働く人たちが通いやすい立地。中古マンションだけど暮らしやすい新築のような設備。無理なく抑えられた格帯。大和財託の住宅が広く選ばれる背景には、働く子育て世代にとっての“ちょうどよさ”があるのかもしれない。

*記事内でご紹介した商品は、2025年8月1日時点の仕様となっております。
ご検討の際は、ショウルームやカタログ等でご確認ください。