( ドアで魅せる家づくりのヒント集 )

( ドアで魅せる家づくりのヒント集 )VERITIS MAGAZINE

( interview )

理想が詰まったL字のLDK

2025.04.15

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徳 瑠里香
photography
林 直幸

理想が詰まったL字のLDK

うみさん

凛々しい山々に囲まれ、空気が澄む地方都市。夫の転勤をきっかけにこの土地で10年、賃貸に暮らしてきたうみさんは、2024年の春、マイホームを建てた。

メープル柄のガラス扉の先には、L字のLDKが広がり、窓から差し込む木漏れ日がやわらかく揺れる。

工務店の標準仕様だったパナソニック・VERITIS(ベリティス)を、グレードアップも含めフル活用した家づくりのコツとは──。

窓を開け放して、庭を眺めたい

「ずっと賃貸暮らしのつもりだった」。そう話すうみさんがマイホームを建てることになったのは、子どもの成長による家族の変化にたまたまが重なったから。

うみさん「子どもがもうすぐ中学生になり、男女ふたりなので、独立した部屋が必要だなと思っていたんです。賃貸で引っ越しを検討していたときに、たまたま近所に分譲地が売り出されて。夫婦ともリモートワークだし、家を建てちゃおうか!となかば勢いで……。

その土地が建築条件付きだったので、指定の工務店さんに行ってみたら、モデルハウスが素敵で、スタッフの方もいい人ばかりだったので、大丈夫そうだなって即決しました」

こうして始まったうみさんの家づくり。Instagramや雑誌で情報収集をして、工務店に伝えた間取りのいちばんの要望は「20帖のL字のLDK」。

うみさん「いいなって画像をストックしていった家がほとんどL字のLDKだったんです。吹き抜けも開放感があって素敵だけど、自分たちの身の丈ではない気がして。L字ならほどよく特別感があって、緊張しない等身大の心地よさがつくれそうだなと。

L字のLDKだと窓が大きく取れるんです。実家に庭があって窓を開け放して眺めるのが好きで、いつか庭が見える家に住みたいと思っていたんです。賃貸は道路に面していてカーテンを閉めっぱなしだったので」

メープル柄のドアが彩る
和モダン

ブラインドカーテンから自然光が差し込むあたたかいLDKでひときわ目を引くのが、並ぶガラス戸と格子の扉。リビングにはベリティス Craft Label(クラフトレーベル)MD型、和室にはStandard Label(スタンダードレーベル)HC型を採用した。

左(リビング)ドア:クラフトレーベルMD型 採光部:熱処理透明ガラス カラー:メープル柄 引手:C1型 オフブラック色
右(和室)ドア:スタンダードレーベルHC型 採光部:フロスト調熱処理ガラス カラー:メープル柄 引手:C3型 オフブラック色

うみさん「この2つの扉は標準からのグレードアップだったんですが、投資して大正解でした。毎日眺める、空間の顔になる扉なので。ふたつ並んだ姿が想像以上によくて、入居後にびっくりしました。洋と和が見事に調和して、かわいい和モダンな雰囲気を演出してくれます。

ガラス戸は緊張するかなと思ったんですが、誰もぶつかることもなく、手入れもしやすい。映り込みもきれいでうっとり。客間である和室は視線を遮りたかったのですりガラス調にしました」

ほかはシンプルなスタンダードレーベルPA型を採用し、1階のドアの色柄はすべてメープル柄で統一した。

うみさん「予算が抑えられるところは抑えて、メリハリが大事ですよね。シンプルなデザインでも面材が美しいので、たとえばトイレに座る度にきれいだなってしみじみ思います」

ドア:スタンダードレーベルPA型 カラー:メープル柄 引手:C1型オフブラック色
床:ベリティスフローリングトリプルコート・メープル柄(ラスティック)

メープル柄の決め手になったのは、床材。カタログを読み込み、シミュレーションサイトで試し、ショウルームで実物を見て惚れたのが、ベリティスフローリングトリプルコートのメープル柄だった。

うみさん「コーディネーターさんがデザインの起点として床材を最初に選びましょうと提案してくれて。いちばん気に入ったのが明るい木目のメープル柄でした。床に合わせて、ドアも幅木も窓枠もメープル柄にしました」

キッチンはラクシーナのフォググレー柄、カップボードはメープル柄に。

2階の家族4人分の個室は、扉をグレージュアッシュ柄に統一し、各部屋の床やクロスはそれぞれ選んだ。

うみさん「廊下に並ぶ扉はメープル柄の次に気に入ったグレージュアッシュ柄で揃えました。扉を開けると、がらっと違う印象に。娘はかわいらしく、夫と息子はダークな感じ、私はホワイトオーク柄の床にしました」

夫婦それぞれの部屋にはインテリアカウンターでワークスペースを造作。
散らかっても片づけられる収納

家づくりの過程では、10年で4回住まいを変えた賃貸暮らしの不満を洗い出し、解消することにも心を注いだ。たとえば、収納。

うみさん「賃貸ではほしい場所に収納がなくて、なかなか片付かないことがストレスだったので、絶対に失敗したくなくて。家族の持ち物をエクセルのシートにリストアップして、間取りの収納スペースに割り振っていきました。その結果、雛人形やシーズンオフの衣類、客用布団など大物の収納ができないことがわかったので、和室に押入れをつくってもらいました」

収納ドア:スタンダードレーベルPA型(3枚連動引戸) カラー:パールグレー柄 引手:C1型オフブラック色

リビングに接する和室は、遠方に暮らす両親などの客間であり、普段は家族のくつろぎスペースに。大容量の押入れには、ベリティスのパールグレー柄の3枚連動の引戸をつけた。クロスも合わせてグレーで馴染ませた。

うみさん「収納場所って美しく見せるのが難しいけど、パールグレー柄のドアはかわいくキレイに隠してくれる。扉を開けたら生活感満載です(笑)」

和室をはじめすべての引戸を上吊りにしたのも、賃貸の不満から導き出したこだわり。

うみさん「賃貸時代、引戸の下のレールの隙間にお米とか埃が溜まって、凸凹があるから掃除もしにくい。それが嫌すぎて。すべて上吊り引戸にしたら、汚れも溜まらないし、掃除もしやすい。最高です」

建材への不安は、
暮らすうちに安心と愛着へ

マイホームに暮らして1年。うみさんの暮らしや心持ちは穏やかなほうへ向かっていった。

うみさん「もうね、生まれ変わったみたい。私の人生の節目は、子どもが生まれたときと、この家に暮らし始めたとき。世界が変わりました。賃貸暮らしのときは常にイライラしていたんですが、賃貸の不満を解消することをやりきったので、今はストレスがない。家事も料理も洗濯も片付けもやりやすくなって、穏やかに暮らせるようになりました」

賃貸では発揮できなかった“インテリア好き”の芽も花開き、Instagramでは自分がほしかった情報を積極的に発信するように。

うみさん「家づくりをしているとき、楽しい反面、心配もあったんです。うちはほぼパナソニックさんの建材ですが、この選択でほんとにいいのかな?って、正直不安でした。ショウルームで部分的に見るだけでは、暮らしのイメージが沸きにくく確信が持てなくて……。でも実際に入居してみたら、めちゃくちゃいい。

例えばドアの面材も自然光に当たるとより美しく、メンテナンスもしやすい。我が家と同じものを採用しようとしている人に、大丈夫だよって伝えたくて。安心して過ごしてもらえたらいいなって思っているんです」

メープル柄の床、ガラス戸、格子扉。「これでいいのか」迷いながら、あきらめず、一つひとつを選んでいったものは、暮らすうちに「これがいい」という確信に変わった。木漏れ日が揺れるリビングで、ひとりの部屋で、うみさんは穏やかな日々を紡いでいる。

うみさん

夫婦と小学生の男女2児と、一軒家で暮らす。Instagramで家づくりのやってよかった!をぎゅっと発信中。

*記事内でご紹介した商品は、2025年4月15日時点の仕様となっております。
ご検討の際は、ショウルームやカタログ等でご確認ください。