( interview )
ぬくもりを感じる淡いトーンのLDK。吹き抜け窓から明るい光が降り注ぎ、子どもたちの楽しげな声が響く。ここは2021年に完成したRiiさん家族の家だ。
「ずっと憧れだった」というVERITIS(ベリティス)のドア。3年の時を経て、ドアリノベという形でその夢を叶えた。
こだわりの空間はどのようにしてつくられ、どんな経緯でドアを変えようと思ったのか。Riiさんに話を聞いた。
カームチェリー柄
幼い頃から、住宅の広告などに載っている間取り図を見るのが好きだったというRiiさん。具体的な時期を決めていたわけではないが、心の片隅にはいつもマイホームへの想いがあった。
Riiさん「以前住んでいたのは2LDKの賃貸マンションでした。入居当初は3人だった子どもが4人に増えて、さすがに窮屈に感じるように。家族みんなでのびのび過ごしたいと思い、念願のマイホームを建てることにしました」
小学校に通う長男のことを考え、当時住んでいた場所の近くで土地を探し、大手ハウスメーカーの分譲地に決めた。間取りはどのように決めていったのか。
Riiさん「最初からはっきりとしたイメージがあったわけではないので、Instagramで家関連のアカウントを調べまくりました。吹き抜けがほしい、キッチンに立った時にテレビが見えるようにしたい、脱衣室とランドリールームは別々がいいなど、いいなと思ったポイントは全部メモしてリストアップ。ハウスメーカーさんに提案された間取りにそれらをプラスして、ブラッシュアップしていきました」
シンボリックなリビング階段もこだわりのひとつ。ひな壇階段にすることで、階段下スペースの確保とデザイン性を両立させた。
Riiさん「転落のリスクを減らすため、フラットな踊り場を設置しました。階段下には収納と秘密基地のような空間を設けて、子どもたちが遊べるようにしています。こうした空間づかいができるのも、注文住宅の楽しさの一つですよね」
階段の踏み板はベリティスのカームチェリー柄。玄関・リビング・一階の洗面室にも同じカームチェリー柄の床を採用した。床材もInstagramで事例を検索し、候補を絞っていったという。
Riiさん「各メーカーさんでたくさん種類があるので、結構ギリギリまで悩みました。ベリティスは色柄が素敵なのはもちろん、板の幅が広めなところも可愛いと思いました。
メープル柄とも迷ったんですけど、最終的にカームチェリー柄に。ナチュラルすぎず、淡色の空間をほどよく引き締めてくれるかなって。ほんのりグレイッシュな色味が絶妙で、とても気に入っています。明るさによって見え方が変わるので、その時々でいろんな雰囲気を楽しめるのもいいですね」
オールホワイトのキッチン
すっきりとしたフロートキッチンはパナソニックのラクシーナ。色柄はマットホワイトを採用した。配膳と片付けのしやすさを考え、「キッチンとダイニングは絶対に横並び」と早い段階で決めていたという。
Riiさん「ペニンシュラ型なのでアイランドキッチンほどの開放感はありませんが、白で統一することで圧迫感が出ないようにしました。マットな質感が空間ともよく馴染んでいます。
ダイニングの位置は横並びにして大正解!キッチンで料理をしている間、子どもたちが先にごはんを食べ始めることもあるんですけど、何かこぼしてもすぐに拭きに行けます」
LDKのメインクロスは白を使い、キッチン背面やニッチには淡色のアクセントクロスを取り入れた。
Riiさん「空間に統一感を出したかったので、さりげなくアクセントになるカラーを選びました。全体は白・ベージュ・木目でまとめて、黒や柄物などの強めのものはほんの少し使う程度にとどめています」
全体的な内装のイメージを固める上でも、参考にしたのはInstagram。ただ最初から今のテイストにしようと決めていたわけではないという。
Riiさん「実は、グレーっぽい感じとかモルタルみたいな雰囲気も好きなんです。どっちのテイストにするかすごく悩んで、Instagramでたくさん事例検索して、最終的にベージュ系に決めました。でもあきらめきれなくて、2階のトイレは採用しなかった方のテイストを取り入れたりしています。
今はもうやめちゃったんですけど、2年くらい前まで韓国こども服のオンラインショップを運営していたんです。韓国こども服ってベージュ系のナチュラルなテイストが多いじゃないですか。あの雰囲気が大好きなので、内装の方向性も近くなったというのはあるかもしれません」
印象を変える
こだわり抜いて完成した念願のマイホーム。それでも、暮らしの中で求めるものは少しずつ変わっていく。ドアリノベを決めるまでには、どんな心境の変化があったのか。
Riiさん「ベリティスに憧れはありつつ、予算などの兼ね合いで最初は他のメーカーさんのドアにしました。前のドアは採光部がチェッカー柄で、可愛いし目隠しにもなるからいいと思っていたんですけど、暮らしていくうちに、隠れていなくてもそんなに気にならないことがわかったんです。むしろ家族が帰って来た時に気配が感じられた方がいいなって」
インテリアの好みが少しずつ変化してきたのも、ドアリノベを考えるきっかけになったという。
Riiさん「好きなもののベースは変わっていないんですけど、少しエレガントな要素をプラスしたいと思うようになりましたね。今の空間の雰囲気を壊さずに印象を変えるなら、ドアリノベがベストだなと考えました」
Riiさんが選んだドアはCraft Label(クラフトレーベル)のLE型。塗装対応のワイルドオーク柄に、「キクスイ ロイヤルシリコン(19-75C)」をペイントした。
Riiさん「色は変えたいけど、空間としての統一感は変えたくない。そこで、テレビボードの天板に使っているベージュと合わせることにしました。
テレビボードは造作で、よく見たらツートーンかな?くらいの配色にしたくて、本体を白、天板を黄味と赤味のバランスが絶妙なベージュにしています。リビングのドアの周囲も白ベースなので、天板の色だったらマッチするんじゃないかなと思いました。
あと本当にたまたまなんですけど、1階の洗面台のカウンターもこの天板とほぼ同じ色だったんですよ。リビングのドアは洗面室とも距離が近いので、もう絶対にこの色だ!って。それで工務店さんにお願いして、近い色の塗料を探していただきました」
ドアノブもガラリと変えたかったポイントの一つ。A7型のハンドルと悩んでB1型の握り玉を採用した。
Riiさん「春に5人目の子どもが生まれたばかりで、残念ながらショウルームには行けなかったんですけど、シミュレーションサイトがあるのですごくイメージしやすかったです。A7型の曲がった感じも好きでしたが、ちょっときれいめになりすぎるかなと思って、ころんとしたフォルムが可愛らしい握り玉にしました」
新しいドアの工事は2日で完了。変えてみての感想は?
Riiさん「実際に取り付けるまでは不安もあったんですけど、周囲に白が多い分、ドアの色が映えていい感じでした。ドアが一つ変わっただけなのに、見るたびにテンションが上がって、毎日ときめいています」
ドアリノベを行ったことで、インテリアにも少し変化が出てきたという。
Riiさん「ダイニングと洗面室の照明はちょっとレトロなゴールドのものを使っていたんですけど、新しいドアのテイストに合わせてシンプルなデザインに変えました。リビングのドアを変えたことで、他のドアを変えたい欲もふつふつとわいてきましたね(笑)」
家を建てる時、ドアは最後に決めたというRiiさん。「私にとってドアは大きな家具のようなもの」と語る。
Riiさん「家の印象を決める大事な存在だと思ったので、間取りと内装の方向性が決まった後にドアを選びました。ドアは単なる出入り口ではなく、空間の顔になるもの。ドアリノベは工事期間も短いですし、インテリアを変える感覚で楽しむのもアリなんじゃないかなと思います」
さらにRiiさんが今後手を入れたいと考えているのは、アーチ壁に囲まれたヌック。
Riiさん「子どもたちのスタディスペースが現状ないので、ゆくゆくはヌックにカウンターなどを設置して、のんびりするだけじゃない場所として活用できたら。私もそこで仕事ができたりしたらいいな、なんて思っています。
家づくりを通して、暮らしに対する興味と知識が広がりました。家族との時間もすごく充実しましたね。今後、この家があるからこそできるような何かを始められたら素敵だなと思っています」
洗練された淡色の空間に映えるベリティスのドア。やわらかくナチュラルでありながら、どことなく芯の強さを感じるのは、Riiさんの人柄がこの家に表れているからかもしれない。ドアリノベで感じたときめきのように、日々のちょっとした変化をポジティブに捉えることで、Riiさん家族の暮らしはさらに彩り豊かになるだろう。
夫と5人の子どもの7人家族。淡色のインテリアと韓国子ども服が好きです。暮らし関連のさまざまな情報をInstagramで発信しています。
- https://www.instagram.com/rii__home.__/
*記事内でご紹介した商品は、2024年12月15日時点の仕様となっております。
ご検討の際は、ショウルームやカタログ等でご確認ください。