( ドアで魅せる家づくりのヒント集 )

( ドアで魅せる家づくりのヒント集 )VERITIS MAGAZINE

( interview )

パールグレー×モノトーン

2024.06.15

text
徳 瑠里香
photography
きるけ。

パールグレー×モノトーン

高瀬建設

創業から66年、長崎を拠点に、住宅をはじめとした建設事業で地域に貢献する高瀬建設。

2024年、大村市に「住めば住むほど好きになる」を一つの柱に、ホテルライクなモデルハウスを建てた。どんな工夫が散りばめられているのか。高瀬建設・住宅事業部の吉崎さんに話を伺った。

ワンストップで住まいに
安心と居心地を

──まず、高瀬建設さんの強みから教えていただけますか。

弊社には、不動産から新築住宅の建築、リフォーム、土木に水道、造園まで家づくりにまつわる部署があります。私たち住宅事業部が窓口になって、土地探しから設計施工、その後のメンテナンスまでを一貫して担えることが、弊社の強みです。

また、木と鉄を組み合わせた梁で災害に強い「パナソニックテクノストラクチャー工法」を20年近く採用しています。震度7の揺れにも耐えられる強度がありながら、壁や梁を増やさずに吹き抜けをつくって開放感を演出できるのは、この工法だからこそだと思っています。

──暮らす上での安心と居心地を提供されているのですね。お客さまと家づくりを進めていく中で大切にされていることはありますか?

住まいのニーズが多様化しているので、これまでの住宅の常識にとらわれず、柔軟に対応することを心がけています。我々の「こうあるべき」は捨てて、お客さまの「こうしたい」を否定しない。中には想像を超えるご要望もありますが、NGは出さず、どうやったらかたちにできるかを一緒に考えていきたいと思っています。

とはいえ予算もありますし、「あれがいい」「これがいい」を全部盛り込むとまとまりがなくなってしまうので、お客さまと何度もやりとりして、集約していくようにしています。予算内でニーズを集約してかたちにするのは、腕の見せどころですね。

スタイリッシュな和室が
もたらす特別感

──今回の物件は、どのような経緯と想いで建てられたのでしょうか?

お客さまに家づくりに具体的なイメージを持っていただくために、1年に1棟のペースでモデルハウスを建てています。ここ数年、私たちの家づくりは「住めば住むほど好きになる」「世代をつなぐ家づくり」をテーマにしていまして。今回もその芯はぶらさず、特別感のある、ワンランク上の暮らしが叶う家をコンセプトにしました。

──具体的に「住めば住むほど好きなる」特別感はどんなところにあるのでしょう?

今回のモデルハウスの肝は、ダイニングから一段上がったところに設けた4畳ほどの和室ですね。グレーの畳、グレーのアクセントクロス、光と影が美しく見える照明にもこだわりました。和室の扉を開けたときと閉じたとき、リビングにいるときと和室にいるとき、その感覚の違いも楽しんでもらえるように。和にも洋にも馴染むベリティスのパールグレー柄の扉がリビングと和室を違和感なくつなげてくれています。

ドア:スタンダードレーベルPA型 カラー:パールグレー柄 引き手:C1型 オフブラック色

ほかにも、毎日使う洗面台を扉のついた三面鏡ではなく、大きな1枚の鏡にすることで、ちょっとした特別感を演出しています。

──吹き抜けもあって全体的に開放感がありますね。間取りの工夫はありますか?

間取りは和室を含めて4LDKですが、9畳ほどの子ども部屋は間仕切りを使って2部屋にすることも可能です。水回りの位置を含め、こうあるべきを取っ払って、住まう人の使い勝手と導線を優先しました。

インテリアカウンター しっくいホワイト柄

2階の廊下にはベリティスのインテリアカウンターでワーク&スタディスペースを設けています。それぞれが別の場所で自由に過ごしながらも、ワンフロアでつながって一緒にいるような感覚になる間取りを目指しました。

遊び心のある、
軽やかなホテルライク

──白、黒、グレーで統一したモノトーンスタイルが、スタイリッシュな印象です。床や建具はどのように決めていったのでしょう?

上質な暮らしができるホテルライクでありながらも、若い層にも選んでいただける軽やかさを持たせたかった。その観点から、リビングと和室をつなぐドアをパールグレーにすることを最初に決めました。扉を閉じたときに、空間に馴染むのは白でも黒でもなく、パールグレーしかないと。

パールグレー柄を起点に、白いクロスを選び1階の床はチャコールオーク柄、2階はグレージュヒッコリー柄とエイジドチェスナット柄を選定。庭とつながる開放感を出すためにリビングドアはガラス張りで造作していますが、それ以外のドアはすべてベリティスです。2階の扉は、ホワイトオーク柄とグレージュアッシュ柄で、子ども部屋のみマグネット対応ボードに。寝室は中のブルーのクロスと馴染むようにグレージュアッシュ柄を選びました。

子ども部屋ドア(真ん中):クラフトレーベルPK型(マグネット対応ボード) カラー:ホワイトオーク柄 ハンドル:A2型オフブラック色

モデルルームなので、建具は新商品を含め私たちが試したいものを取り入れました。ベリティスは色柄の選択肢が豊富で選ぶ楽しみがありますよね。ベリティスが出る前はドアにはあまり注目していなかったんですが、採用してみたら空間をがらりと変えてくれるインパクトに驚きました。以来、弊社では基本ベリティスを提案させてもらっています。

──異なるドアや床の色柄で遊びがあるのに、全体の統一感がありますよね。

そこは意識しましたね。階段に廊下、ソファの背面ほか所々に黒のアイアンを取り入れて、引き締めている効果もあるかもしれません。アイアンは壁にならない分、閉塞感を削ぎ落とす役割も担ってくれています。

ドア:スタンダードレーベルPA型 カラー:パールグレー柄 引き手:C1型サテンシルバー色
一緒に、それぞれ自由に
過ごす家

──このモデルハウスは販売もされるとのことですが、ここではどんな暮らしが叶うのでしょう?

この家は「ウィンドウピクチャー」をはじめ窓がたくさんあるので、とにかく明るいんですよ。各方面から光が差してくる。家族だけでなく友人を招いて、ぜひこの明るい空間に集ってほしいですね。リビングとダイニングもパキッと分かれていないし、間取りに強制力がないので、人が集っても自由に過ごせるはずなので。一人の静かな時間も、みんなとの賑やかな時間も、どちらも味わえる家になっていることを願います。

パールグレー柄を起点に彩ったモノトーン空間。ダイニングに連なる和室の扉を開け閉めするだけで、空間の表情が変わる。部屋ごとに異なるドア、階ごとに違う床、可変性のある間取り。高瀬建設は、こうあるべきにとらわれない自由な視点で、住まう人の家づくり、その先にある暮らしに伴走していく。

高瀬建設株式会社

*記事内でご紹介した商品は、2024年6月15日時点の仕様となっております。
ご検討の際は、ショウルームやカタログ等でご確認ください。