( interview )
夫婦ふたりと愛犬一匹、愛媛県に2軒目の家を建てて暮らすshihoさん。ナチュラルなインテリアに、彩豊かでやさしい料理とお店さながらのテーブルコーディネート。雑誌やInstagramを通して、暮らしを愉しむ姿とその工夫が垣間見られる。
家を建ててからも続けている、自分にフィットする家づくりの過程でshihoさんが選んだのは、VERITIS(ベリティス)のドア。「まだ整えている途中」だという日々の暮らしとインテリアの工夫について伺った。

自分の感覚と向き合う
2017年に建てた現在の家は、shihoさんにとって2軒目の戸建。友人でもある工務店に相談し、理想を絵に描き、現場でその都度伝えてかたちにしていった。
shihoさん「2軒目なので、1軒目の“ああすればよかった”を改善することにはこだわりました。意識したのは、掃除がしやすいことと生活導線。犬と一緒なので、家の奥側に庭をつくって窓を大きくして、内と外のつながりを感じられるように。あとは、玄関を広くとって開放感を出しました」
とことんこだわって建てたつもりでも、生活を始めると“もっとこうしたい”という想いはむくむくと湧いてくる。コロナ禍を経て、家に求める心境の変化もあった。
shihoさん「家を建てた当時はインテリアを中心にInstagramで発信していて、流行りもの、見栄えがいいものを選ばなくちゃと、どこか肩肘張っていたところがありました。誰かの目を意識し続けた結果、自分がよくわからなくなっちゃって、どんどん自信がなくなった。
でも、一度発信をおやすみしたら、みんなと同じじゃなくていいんだと自分の感覚が戻ってきて、オリジナリティが出せるようになったんです。それからは、自分にとって居心地のいい家にして、心躍る毎日を過ごせたらいいなって思っています」

合わせて選んだドア
目線が外から内に向いたshihoさんは、その時々の自分の心地よさにフィットするように、家づくりをずっと続けている。
shihoさん「家を建ててすぐに、キッチンカウンターをDIYしました。家を建てた当時は、無骨なヴィンテージ感のあるインダストリアルスタイルが流行っていたので、結構取り入れていたんです。工務店に説明して説得して、あえて錆感のある古材を使ったり、垂れ壁とかも黒だったり。でも流行りを意識しなくなったとき、私はやっぱりナチュラルなスタイルが好きだなあと。キッチンカウンターをどちらのスタイルにも合う質感にしておいてよかったです」
ドア:ベリティス Standard Label LB型 チェリー柄床:アーキスペックフローリングSラスティック メープル柄
自然な風合いのキッチンカウンターに合わせて選んだのは、ベリティス Standard Label(スタンダードレーベル)LB型のチェリー柄のドア。
shihoさん「夫といろんなショウルームを回って、このドアを見つけました。なんと言っても木の質感がいい。自然な風合いでまるで本物。もう少し薄い色味と迷ったんですが、落ち着く色味がいいなとくすみのあるチェリー柄に。ハンドルは少し値が上がるのでこっそりアドバイザーの方に伝えて(笑)、真鍮色(A1型)を選びました」

玄関に連なるシューズクローゼットと書斎のドアは、リビングドアと同じチェリー柄で、スタンダードレーベルPA型の引き戸を採用した。
shihoさん「ドアを変えた当時はまだ、全体のスタイルがインダストリアル系だったんですが、無骨な空間にも、今のナチュラルな空間にも自然と馴染んでくれる。変わっていく自分の好みと家に寄り添ってくれるドアだなと、気に入っています」
現在の家でshihoさんが一番好きな場所は、キッチン。より心地の良い暮らしができるように、手を加えてきた場所でもある。
shihoさん「業者さんに依頼してカウンターを伸ばして、壁付の棚をつくりました。使い勝手をよくするのと、キッチン道具も増えていったので収納場所を増やすために。だいぶ今の理想に近づいてきました。お料理が好きなので、暇さえあればキッチンにいますね」


モノにちゃんと居場所がある。佇まいが整ったインテリア。暮らしの中で、大切にしていることは?
shihoさん「仕事を変えて家にいる時間が増えて一時期、物欲が増しちゃったことがあって。あれもこれも買ってモノが増えたときに、心地よくないなと思ったんです。インテリアには余白が大事。モノを増やしすぎないように、買っては手放し、飾っては外しを繰り返しています。新しく買い足すときは、本当に自分がほしいものかどうかを見極める。
そうやってできるだけ買いすぎず、あるもので工夫して生活を愉しむようにしています。たとえばグリーンも、珍しいものを見かけるとつい買いたくなるんですが、庭にある季節の草木を生けるなど、あるものを生かす。飾り方をちょっと工夫するだけで、空間が華やぐことがあって、そういう小さな日々の変化に喜びを感じます」

格子のあるドアに
パートナーの帰りを待ってキッチンで料理をする。お裾分けしてもらった檸檬でケーキを焼く。巡る季節、植物に水をやり枝をカットして、成長を愛でる。キャンドルを灯して本のページをめくる。そんな日々の暮らしを愉しむshihoさんは、常に“心地よい家づくり”に心を砕く。
shihoさん「手を加えて変えていきたい場所はいっぱいあります。ベランダを囲む木に色を塗りたいし、庭の手入れもしたい。前は濃い落ち着いた色味が好みだったけど、最近は薄めの明るい色も好き。ドアもいつか、透明ガラスに格子のある、無塗装な木目に近い色柄(ピュアワイルドオーク柄)にしてみたいなぁとも思っています。私の家づくりに完成形はありません。好みも暮らし方も変わっていくので、その時々の自分に合わせて、少しずつ、これからも家づくりを続けていきたいです」

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白と木目のバランスが整った、ナチュラルな空間。玄関とリビングを彩るチェリー柄のドアも、佇む道具も、飾られるモノたちも、ずっとそこにあったかのように馴染む。でも、その一つひとつは、shihoさんが変化するその時々の“自分にとっての心地よさ”を基準に選び抜いてきたもの。その積み重ねの延長線上に、彼女の“心躍る毎日”が生まれている。
2人の子どもが巣立ち、4年前に建てた家に夫婦2人とチワワのアンジーと、山に囲まれた田舎で暮らしています。慌ただしく過ぎていく毎日、工夫をして身の回りのものを整え、季節を感じながら暮らしを楽しんでいます。
- https://www.instagram.com/4ho1105/










