( ドアで魅せる家づくりのヒント集 )

( ドアで魅せる家づくりのヒント集 )VERITIS MAGAZINE

( interview )

塗れるドアで叶う、家の模様替え

2022.02.21

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徳 瑠里香
photography
矢橋 恵一

塗れるドアで叶う、
家の模様替え

瀧本真奈美さま邸

ブログやSNS、テレビや書籍で発信を続け、雑貨販売も行う暮らしのコーディネーター、整理収納コンサルタントの瀧本真奈美さん。「いまの自分にとって心地よい暮らし」をつくる楽しさを伝えてくれる。

その時々の年齢や気分、家族のかたちによって、暮らしを変えてきた瀧本さんが、VERITIS(ベリティス)の #ドアリノベ を体験。ドアを塗った直後に、手応えと家づくりの極意について、語ってもらった。

ドアはベリティスLK型のワイルドオーク柄、採光部はチェッカーアクリル、ハンドルはA1型サテンシルバ―色を採用
ファッションと同じように、
住まいも似合うものに変えていい

瀧本さんが暮らすのは愛媛県にある、11年前に一目惚れしたという一軒家。新築で購入した当時は、夫とふたりの子どもと4人家族だったけれど、現在は、子どもは独立し、夫と愛犬、ふたりと一匹で生活を営んでいる。

「家を購入したことをきっかけに、リメイクやDIYをして“飾る”ことで自分の好きな空間をつくることに夢中になりました。当時はナチュラルアンティークが好きで、あえてサビ加工を施して、新しいものを古く見えるようにしていて。でも、家も私も年を重ねたいまは、“手放す”ことで、よりモノが少なく、シンプルですっきり片付いた状態であることに心地よさを感じます。

住む人も年齢を重ねていくし、好みも、家族のかたちも変わっていく。合わせて住まいも自由にどんどん変えていっていい、と私は思ってるんです。ファッションや髪型を変えるように、家づくりもいまの自分に似合うものに変えていくことを楽しんでもらえたらいいなあって」

シンプルですっきり片付いた
家にするためのコツとは?

現在の瀧本さんの住まいは、白を基調にした、余白のある空間。以前はカウンターや棚の上にお気に入りのものをたっぷり飾っていたそうですが、いまはすっきり片付いたシンプルな家づくりをしている。すっきり片付ける──そのコツは?

「まず、モノを持ちすぎないこと。たとえば、クローゼットの中で、いつも着る服ってだいたい決まっていません? 1年着てない服は、きっと来年も着ないから、手放していいと思うんです。私はいまの自分が手に取らないものは、人に譲ったりリサイクルに出したり。フリマアプリも活用しますし、寄付もします。“循環”させるつもりで。

次に、余白を大事に考えること。インテリアとして飾るモノは、少数精鋭にして、余白をたっぷりとる。それだけですいぶん印象が変わると思います。

それから、家電や掃除道具など、普段よく使うモノは、見せていいデザインを選んで、空間に溶け込ませること。ほかにも細かいコツはいろいろありますが、主にこの3つを意識しています」

モノを減らすためには、必要以上に大きな収納場所を設けないこともポイントだとか。

「子どもが独立して空いた部屋を納戸として物置のように使う方が多いのですが、そうするとどんどんそこにモノが溜め込まれていって何があるかわからない状態になってしまう。使わない部屋は他の用途を見つけてきれいにしておくといいですよ」

飽きたらまた塗ればいい。
何度も変化を楽しめる、
#ドアリノベの魅力

これまで数々のDIYを施し空間の印象を変えてきた瀧本さん。今回、ドアを変えたことで印象がまた変化した。型やベースの素材、塗る色はどうやって決めていったのか。

「型は、ずっと格子があるものに憧れていたので割とすぐに決まったんです。でもベースの素材は正直、すごく迷いました。ブラックオーク柄を選んでいたのですが、私はインテリアを変えていきたい人なので、濃い色は選択肢が狭くなってしまうなと。インテリアを変えていくなら、塗ることができるワイルドオーク柄がいいと思い、1ヶ月間はベースの木目柄のままを楽しみました。塗る直前まで正直、このまま塗らなくてもいいんじゃないかって思ってました」

瀧本さんはその日、ベリティスのワイルドオーク柄のドアに、リビング側の片面だけ、カメオベージュのカラーを塗った。後日片面は、クリア塗装を実施。実際に塗ってみた印象は?

「断然、塗ってよかったです! 想像を超えました。感動しています。カメオベージュは以前、一目惚れしてDIYで使ったことがあったんです。薄い色なのでもっと存在感がなくなるかなと思ったんですが、いい具合の主張感を保ちながら、空間に馴染んでいる。導入したパナソニックさんのシステム収納キュビオスとも相性がぴったり。ドアはSNSや仕事で発信する写真を撮るときにも映り込む大事な場所なので、嬉しい。撮影するのが楽しみです」

塗料はターナー色彩株式会社の「MILK PAINT ANTI VIRUS PLUS」

瀧本さんは今回、玄関に面したドアはワイルドオーク柄の木目を残す、という選択をしている。

「これで木目にさよならするのはもったいないので、しばらくクリア塗装でワイルドオーク柄の木目を楽しみたいと思っています。飽きたら、また色を塗ればいいので。リビング側もさらに濃い色を重ねていくこともできますし。もっと若かったら、派手な色や柄ありを選んでいたかもしれません。今回は馴染ませたいので淡い色で塗っていますが、たとえば黒とかグリーンとか、主張の強い色を塗ればドアはインテリアとして空間を彩ってくれる存在になります。今後、私も体力があれば色を重ねていく可能性もありますね。塗るの自体は1時間かからないくらいで簡単にできるので、ドアリノベ、おすすめです。自由な発想で、空間の模様替えを楽しめると思いますよ〜」

いまの自分にとってより心地よい空間へ。
終わらない家づくり

またひとつ、自分の理想を叶えた瀧本さん。今後の家づくりの展望は?

「変えたいところ、まだまだいっぱいありすぎます! 10年経つと水回りも気になってきて、トイレやお風呂場、キッチンも変えたい。洗濯機も変えたいし、家具も見直したい。リフォームを一気にやるのは時間的にも予算的にも大変なので、小さなところからちょっとずつやっていきます」

キュビオスを導入し、家全体の収納も見直し中なのだとか。瀧本さんの家づくりに終わりはない。

「やっぱり家って寝ている時間も含めると人生の3分の1くらいを過ごす場所じゃないですか。羽を休める場所ですよね。片付かないとイライラするのはもったいない。心地いいとか楽しいとか、ポジティブな言葉が似合う場所であり続けたらいいなって思っています。現状でもいまの自分にとって居心地のいい空間ではあるけれど、もっともっとよくなるはずだから。いいお家だと毎日がより楽しくなるから、我慢せずにこれからも自由に変えていきます」

玄関から見えるのはワイルドオーク柄の木目の温かなドア。リビング側は、白い壁にほどよいコントラストで馴染むカメオベージュのドア。片面ずつ表情を変えるドアは、いまの瀧本さんにフィットする空間を演出する。また塗れる、余白を残したドアは、これからの瀧本さんの家づくりにきっと自由な選択肢を与えてくれるはず。

瀧本真奈美さん

整理収納コンサルタント。暮らしコーディネーター。「暮らしが変われば 未来が変わる」をテーマに収納や時短家事、心地よさにつながるインテリアや部屋づくりを提案している。テレビ、雑誌などのメディア出演多数。著書に『あなたを苦しめるものは、手放していい』(主婦の友社刊)、『自分に心地よい小さな暮らしごと』(主婦の友社刊)、『部屋をオシャレに、心地よく インテリア&収納10のルール』(マイナビ出版刊)などがある。株式会社クラシングR代表取締役

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