住宅リフォームのヒント集

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2024/03/11

知っておきたい賢いリフォーム予算の立て方

リフォームをしたいと思っていても、どのくらいの費用がかかるのだろうという不安や、わが家の予算なら、どのくらいのリフォームができるのだろう?という疑問を持っている人も多いでしょう。リフォームにかかるお金の基礎知識について紹介します。

場所別の概算費用を知っておく

今のお住まいが一戸建てかマンションか、建物の種別やどの部分のリフォームをするかによって費用が違ってきます。また、リフォームする場所や範囲、内容によって費用は異なります。例えばキッチンリフォームの場合、システムキッチンだけ入れ替えるのか、キッチンの位置を変えて対面式やアイランド型にするのかだけでも違います。平均費用だけでなく、実際のリフォーム事例を見て、希望するリフォームに必要な費用の具体的なイメージをつかみましょう。

予算別にどんなリフォームができるのかを知る

予算上限が決まっている場合、どんなリフォームが実現できるかを知ることも大切です。例えば予算が50万円くらいの場合、設備交換などの部分的なリフォームが可能です。
給水・給湯、電気配線や排水など工事の内容で、実際の費用は変わるものの、おおむねの費用をつかんでおくことが肝心です。また、昨今の材料・設備・人件費の高騰により、過去のリフォーム費用よりも高くなる可能性があることに留意し、リフォームの種類別の予算は下記を参考にしてください。

リフォーム予算 リフォームの種類
50万円くらい トイレ、食器洗い乾燥機、IHクッキングヒーターの設置、
カップボードの設置、宅配ボックスの設置、など
150万円くらい キッチン入替、バス入替、収納リフォーム、
屋根・外壁メンテナンス、など
300万円くらい 洗面・バスの水まわりリフォーム、キッチンまわりリフォーム、
リビング一新リフォーム、など
500万円くらい キッチン・バス・洗面・トイレの水まわりの全体リフォーム、
中古住宅購入に伴うリフォーム、LDKまるごとリフォーム、など
1000万円くらい~ マンションフルリノベーション、戸建フルリノベーション、など

リフォームをするための資金計画を立てる

リフォーム予算と希望するリフォーム費用の相場がかけ離れている場合、リフォーム予算を変更しても無理のないものであるかどうか、しっかりと資金計画を立てて判断するようにしましょう。

自己資金は当面の支出に影響が無い範囲にしておきましょう。例えば、近々子どもの入学金や車の購入など、まとまった支出が必要な場合、将来の支出に必要なお金を残しておき、ゆとりある範囲でリフォームの自己資金を考えましょう。
リフォームに使える自己資金が少なくなってしまった場合、リフォームローンの利用を検討してみましょう。リフォームローンは車のローンや教育ローンにはない、減税制度が利用できる場合があります。

返済期間10年以上のリフォームローンを利用して省エネやバリアフリー、同居対応などのリフォームをした場合、要件を満たしていれば、住宅ローン減税の対象になります。年末ローン残高の0.7%が所得税と住民税の一部から控除されます。

リフォームローンを利用する場合は、ほかに返済中のローンがあると借入限度額が違ってきます。中古住宅購入とリフォームを同時にする場合は、それぞれの費用をまとめてローンが組めるものもあります。

お得な税制や補助金を確認しておく

要件を満たせば減税の対象になるリフォームもあります。手すりの設置や段差をなくすバリアフリーリフォーム、同居のためにキッチンやバスルーム、トイレを増設するための同居対応リフォームなどが対象になります。ほかにも耐震や省エネ、長期優良住宅化のリフォームが減税対象になります。

また、子どもの事故を防止するための工事や対面キッチンへの交換など、子育て対応のリフォームをした場合に所得税が控除される減税制度が登場しています。

住宅省エネ2024キャンペーンでは、断熱改修と同時に行う子育て対応改修や、断熱性を高めるための窓やドアの交換、高効率の給湯器を取り入れるなど、住宅の省エネを高めるためのリフォームをした場合、工事内容や取り入れた設備によって補助金がもらえます。

いずれも適用要件や期限があるので、リフォーム会社に確認したり、国土交通省のホームページなど、最新の情報を確認して上手に活用したいですね。

  • ※リフォームの減税制度の延長や子育て対応のリフォーム減税の新設については、今後の国会で関連税制法が成立することが前提となります。

【減税制度】

【補助金】

リフォーム工事以外にかかるお金をチェック

リフォーム費用というと材料費と工事費で考えがちですが、その他の費用が発生することもあります。きれいになったリビングやキッチンに合わせて家具やカーテン、家電などを買い替えたり、フルリフォームの場合は、仮住まいや、引越し、トランクルームの費用が必要になることも。あらかじめ予算に入れておくと安心です。

税金や各種手続きの諸費用もかかる

リフォーム費用やその他の費用以外に、必要になるのがローン手数料や税金などの諸費用です。リフォームを依頼し「工事請負契約書」を締結する際には印紙税が、一定以上の広さの増築には、建築確認の申請費用が必要になります。住宅ローンを利用する場合は、融資手数料、抵当権設定登記費用などがかかります。

予算に合わせてリフォーム内容を見直すことも必要

希望するリフォーム内容のおおよその費用の目安が、分からないままリフォームの商談を進めていくのは、効率的ではありません。希望するリフォームが、自分たちの予算に見合うものなのかどうかをあらかじめ把握し、リフォーム内容を絞り込んでいく事が大切です。
リフォーム予算を考える際には、利用できる補助金のチェックを忘れずに行いましょう。自己資金だけでは希望するリフォームの相場とかけ離れている場合、減税制度が使える可能性のあるリフォームローンを活用するなど、リフォーム予算をしっかり確認し、無理のない予算でできるリフォーム内容になるように調整していきましょう。

  • ※この内容は、2024年2月10日現在のものです。

監修協力

熊谷 一志 さん

熊谷 一志 さん

家づくりコンサルティング株式会社
CFP®(日本FP協会認定)・1級FP技能士・宅地建物取引士
不動産・建築業界を経てきた経験を活かし、住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして2006年に家づくりコンサルティング株式会社を設立。延べ5000件を超える住宅購入時のお金に関する悩みのコンサルティングを行っている。フジテレビ「笑っていいとも!」、日経CNBC「マーケット経済専門チャンネル」などメディア出演の他、企業での講演やセミナー講師など幅広く活躍中。

家づくりコンサルティング

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