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木造軸組構法の構造の基本

水平荷重に対して丈夫な構造

水平荷重の流れはイメージしづらいと思いますので、体験してみましょう。紙の箱を用意してください。

まず、箱の上面が空いた状態で、上辺の1辺を指で押します。すると箱の縁が大きく変形すると思います。

次に箱を逆さにし、底が上になるようにして、先ほどと同じように押してみます。(箱が滑るようなら、机と接しているあたりを手で押さえます。)
おそらく今度はほとんど変形しません。

この箱の底が【床】、箱の側面が【壁】です。前者は床が柔らかいので、水平荷重を壁に伝達できなかったのです。床がこんなに大きく変形してしまえば、建物は崩壊してしまいます。

水平荷重に対して丈夫な構造の図面1

耐力壁は多い方が、構造強度が上がりますが、その配置の仕方によっても耐力が変わります。
まず、各階ごとにバランスよく配置することが大切です。バランスが悪いと、建物がねじれを起こし、倒壊する可能性があります。
鉛直荷重と同様に、2階耐力壁の中を流れてきた荷重を直接1階耐力壁に流すことが大切です。

2階耐力壁の下に1階耐力壁がない場合、2階耐力壁が受けた水平荷重は、2階床を通って1階耐力壁に流さなければなりません。
つまり、2階床に負担がかかってしまいます。

水平荷重に対して丈夫な構造の図面3