【事例あり】在宅で料理や家事がはかどるキッチン周りのリノベーション

【事例あり】在宅で料理や家事がはかどるキッチン周りのリノベーション

在宅ワークが新しい働き方の選択肢になりつつある現在、自分の意思で自由に使える時間——可処分時間が増え、「家で過ごすこと」に時間を割く人も増えてきました。そうなると、必然的に「家で生活する上で必要なこと」と向き合うようになります。料理や家事は向き合う対象の筆頭で、避けては通れない“家での行動”。その行動が、リノベーションで家に新たな価値を加えると、大きくはかどる場合があります。どのようなリノベーションをすれば料理と家事のパフォーマンスがアップするのか? 事例を参考にしながら、具体的なアイディアを見ていきましょう。

 

在宅で増える「おうち時間」の代表——料理

在宅で増える「おうち時間」の代表——料理

在宅時間が増え、キッチンの利用頻度が上がった方も多いはずです。事実、最近ではSNSで「おうちカフェ」や「おうちスムージー」の様子を投稿する人が増え、Instagramには「#おうちカフェ」、「#スムージー」といったハッシュタグが多く存在しています。特に目に付くのが、お菓子やパン、ケーキを作る方々。果物を用意してジャムから手作りしている本格派の方もおり、趣味の域を超えているレベルに達している方もいます。

 

料理する人が増えた”今”のキッチンのお悩みポイントと、解決アイディア

その一方で、「作りたい料理があるけれども、自宅のキッチンのスペックだと作るのが難しく、躊躇(ちゅうちょ)してしまう……」といった悩みを打ち明けている方も……。実際、キッチンにどんな悩みを抱えているのか、SNSで見かけたよくある声とその解決方法をまとめてみました。

その1:お悩み「料理するスペースが狭い」

「料理をしたいけど、キッチンが狭く、面倒」。この悩みを抱えている人が多くいるようです。確かに、狭いスペースで「豪快な料理を作ろう!」とは思わないもの。総合刃物メーカーの貝印株式会社が2019年12月に行った『「調理とキッチン」に関する調査』の結果を見ても、調理に楽しさを感じている方は13.3%、まあまあ楽しさを感じている方は39.8%と、半数以上が「調理を『楽しい』」と感じているにも関わらず、約9割以上が調理の面倒臭さを感じていることがわかっています。

Q.あなたは調理を楽しいと思いますか?[n=400]

グラフ1 グラフ1

Q.調理シーンで面倒臭さ(煩わしさ・億劫さ)を感じたことがありますか?[n=400]

グラフ2 グラフ2

出典:貝印株式会社 貝印株式会社調べ『「調理とキッチン」に関する調査』(2020年1月発表)より

「料理するスペースが狭い」を解決するアイディア

この問題を解決する方法は、ずばり、料理をするスペースを確保すること。作業スペースを拡張できるサポートネットを使用する(写真1)、壁にフック付きの引っ掛け収納を設置する(写真2・3)、マグネット式のストッカーを壁に取り付け小物を整理・収納する(写真4)といった方法で、スペースを作りましょう。

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作業スペースをシンクまで広げられるサポートネット(TOKYO リノベーション ミュージアム内「リアルサイズモデルズ MODELS A」)
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壁のフックの引っ掛け収納(TOKYO リノベーション ミュージアム内「リアルサイズモデルズ MODELS A」)
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壁のフックの引っ掛け収納(TOKYO リノベーション ミュージアム内「ノウハウ」)
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キッチン回りの小物をまとめてマグネットで壁に“ペタっ”のアイディア(TOKYO リノベーション ミュージアム内「ノウハウ」)

その2:お悩み「収納スペースの不足/調理家電を置くスペースがない」

キッチンに一定の広さがあっても、気付いたら調味料や家電だらけになり収納スペースも調理器具で埋め尽くされている、皿やグラスをしまう場所がない……といった経験はありませんか? コーヒーメーカーやミキサーなどの調理家電は、利便性を考えて、キッチン周りに置いておきたいもの。しかし、利便性を優先しすぎると、今度はキッチンに物が溜まりやすくなる悪循環が生まれます。だからこそ整理整頓が欠かせないのですが、どのように片付け、収納スペースを生み出せばよいのでしょうか?

「収納スペースの不足/調理家電を置くスペースがない」を解決するアイディア

収納スペース不足には、デッドスペースがないかチェックしましょう。冷蔵庫上部のスペースもあまり使う頻度が少ない物の収納場所にできます。収納する上でうれしい「一目ですぐ見つかる」、「楽に取り出せる」、「スムーズにしまえる」、といった3つの利点を備えているソフトダウン・ウォールユニットは、パナソニックのLIVING IDEASのページで詳しく紹介していますので、参考にしてください。

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デッドスペースを効率的に、冷蔵庫上やソフトダウンのウォールユニットdB(TOKYO リノベーション ミュージアム内「リアルサイズモデルズ MODELS B」)

その3:お悩み「家族がいると料理がはかどらない」

幼少のお子さんがいるご家庭では、「料理の最中にも様子を見なければならない」光景が日常茶飯事になっていることも珍しくありません。「子どもたちは悪気あるわけではないし、なかなか怒れないんだよなぁ……」と思っているパパさん・ママさんも多いでしょう。かといって、毎回かまっていると、料理の完成は遅れ、寝る時間も遅くなり、大人も子どもも寝不足に……という負のスパイラルにはまってしまう可能性もあるかもしれません。

「家族がいると料理がはかどらない」を解決するアイディア

大人はさておき、育ち盛りの子どもは何事にも興味・関心を持ちます。それを逆手にとり、一緒に料理を楽しむ心掛けをしてみましょう。例えば、子どもたちと一緒に作れる料理を作る、ケガのリスクがない範囲で料理の下ごしらえを手伝ってもらう、などです。もし、子どもがおとなしくしているときは、タブレットなどで料理動画を見て学びながら料理をすると、テンションも上がり、完成スピードもアップするかも?

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タブレットを見ながら料理(TOKYO リノベーション ミュージアム内「リアルサイズモデルズ MODELS A」)
 

リノベーションの事例で解説!快適に料理を楽しむことができるキッチン5タイプ

ここからは、キッチンをリノベーションすることを前提に、実際の事例も見ながら、5つあるキッチンの種別ごとの特長を解説します。

キッチン事例1:家族の様子を見ながら安心して料理を楽しむなら『対面式キッチン』

キッチン事例1:家族の様子を見ながら安心して料理を楽しむなら『対面式キッチン』

対面式キッチン(TOKYO リノベーション ミュージアム内「リアルサイズモデルズ MODELS A」)

リビングとのつながりや開放感を重視した対面式キッチンの一番の利点は、家族やゲストと顔見ながらコミュニケーションがとれること。目の前にコンロしかない、油がついたステンレスしかないといった“料理の孤独”から解放されれば、きっと、笑顔の数も増えるはず。論理的な根拠はありませんが、笑顔で作った料理はちょっぴりおいしく感じられるような気がします。壁面をキッチンクローゼットにすれば収納力もアップし、思わずゲストが「おしゃれすぎる!」とうなってしまうキッチンになるかもしれません。ただし、面積を広くとったり換気や掃除に気を配ったりする必要があるので、その点は注意が必要です。

キッチン事例2:奥行きも十分で家族皆で料理が楽しめる『アイランドキッチン』

キッチン事例2:奥行きも十分で家族皆で料理が楽しめる『アイランドキッチン』

壁に接していない、キッチンの周りをぐるっと移動できるアイランドキッチンは、対面式キッチン同様、開放感があるため、「一人で料理をしている」といった閉鎖的な要素はありません。また、一つのキッチンを複数人で囲むこともできるので、家族全員や友達同士で料理をするシチュエーションに適しています。写真のようなテーブル一体型であれば作った料理をすぐ提供できるところも、利点です。一方で、上述の対面式キッチンで触れた換気や掃除の気配りは、アイランドキッチンにも必要です。加えて、これだけ開放感があると“散らかり”は隠しようがなく、悪い意味で生活感が見え隠れしてしまうので、整理整頓は必要不可欠です。

キッチン事例2:奥行きも十分で家族皆で料理が楽しめる『アイランドキッチン』

L型キッチン(『パナソニックキッチンLクラスカタログ』より)

L型キッチンとは、その名の通り、キッチンをL型に組んだもの。シンクと加熱機器の間の動線が短く、作業性が高いキッチンです。2つあるキャビネットの存在が作業スペースを確保しており、「ワークトライアングル」と呼ばれる冷蔵庫・コンロ・シンクそれぞれの点を結んでできた三角形の各辺が短いため、高い作業効率が保てるキッチンといえるでしょう。注意すべき点は、90度のL型に曲がっている部分がデッドスペースになりがちなこと。冒頭で説明した「『料理するスペースが狭い』を解決するアイディア」を用いて、少しでもスペースを有効活用しましょう。

キッチン事例4:コンパクトで省スペースな『壁付けキッチン(I型/Ⅱ型)』

キッチン事例4:コンパクトで省スペースな『壁付けキッチン(I型/Ⅱ型)』

写真左:壁付けキッチンI型(パナソニック ラクシーナ)/写真右:壁付けキッチンⅡ型(TOKYO リノベーション ミュージアム内「リアルサイズモデルズ MODELS B」)

I型キッチン(写真左)とは、シンクとコンロを1列に並べた基本的なスタイルのキッチンのこと。キッチンのレイアウトとしては最も一般的なもので、リーズナブルな価格であることが多いです。一方、「セパレート型キッチン」ともいわれるⅡ型キッチン(写真右)はシンクとコンロを分けて2列に配置したタイプ。両者の共通点は“壁付け”ですが、I型キッチンは横が長くなると動線がやや悪くなりがち、Ⅱ型キッチンはシンクと加熱機器がセパレートされているがゆえに物を運ぶ際に水がたれたり落ちたりする可能性があるといった注意点があります。

キッチン事例5:本気で料理をするならニオイも煙も気にならない『独立型キッチン』

「クローズドキッチン」ともいわれる独立型キッチンとは、リビングやダイニングなどの部屋からは分離された、1つの独立したキッチンを指します。対面式キッチンやアイランドキッチンが開放的であるのに対して、独立型キッチンは周囲の目を気にせず料理に集中できる昔ながらの“台所”といえます。独立しているので換気性が良く、四方を壁面に囲まれているので収納スペースに困らず、人目にもつかないところが利点ですが、1人で作業をしたくない人が孤独感を感じたり、掃除がおろそかになりがちなったりするのは欠点かもしれません。

 

リノベーションでかなえるキッチンの選び方

ここからは、実際のキッチンの選び方について、解説していきます。

キッチンの寸法

標準的なキッチンの寸法は、次の表と図を参考にして大まかな大きさのイメージをつかみましょう。ここでは、壁付けキッチン(I型/Ⅱ型)、対面式キッチン(フラット対面ワイドカウンター)を例にとっています。間取りを決める際は、電気製品の大きさや設置場所、冷蔵庫の開閉方向を考慮することがポイントです。

注)寸法は、キッチンのタイプによって異なるため、該当するキッチンのカタログを確認することをおすすめします。

図1
図2
図3

自動食洗機/多口コンロ

節水・時短の目的も兼ねている、自動食洗器。最近は、乾燥機機能付きのタイプも増えてきています。共働き夫婦を対象にした『ライフスタイル調査 第3弾 [30~40代、夫婦の家事の実態]』(パナソニック/2020年1月25日発行)にある「これまでしてきた家事を『しない家事』にすることができれば、自身の家事のストレスは71.6%減る」の回答を見ると、スピーディーに汚れを落としてくれる自動食洗器はキッチンの必須アイテムといえそうです。

自動食洗機/多口コンロ

出典:パナソニック『ライフスタイル調査 第3弾 [30~40代、夫婦の家事の実態]』(2020年1月25日発行)より

また、最近は、一度に複数の料理ができるパナソニックのシステムキッチン・マルチワイドIHのようなタイプのコンロが人気。見た目がすっきりしている掃除しやすいタイプが増えており、レパートリーを増やすのが以前より容易になりました。

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調理へのこだわりと自由な使い方が楽しめる「マルチワイドIH」

収納量

天井や壁のデッドスペースに取り付ける吊り棚を使うと、キッチンの収納量は大幅にアップします。しかし、設置場所を間違えると物を取り出すときにつま先立ちをしたり、不要な影が生まれたりするので、冷蔵庫やコンロ、レンジに自動食洗器、浄水器などが組み込まれたビルトインキッチンの活用も視野に入れるとよいでしょう。キッチン付近にスペースがあれば「食材の収納倉庫」ともいえるキッチンパントリーをつくる、スペースがなければ湿気対策をした上で床下収納を設置するのも収納量を確保する選択肢の一つです。

参考:キッチンのリノベーションの費用相場と工事期間

キッチンをリノベーションするときの費用の相場は、次のとおりです(注:キッチンの位置を変える・変えない、床や壁紙の張り替えなどをする・しないなどで費用は大きく変動します)。

図3 図3

出典:パナソニックコーポレートサイト「キッチンのリフォーム費用の相場・目安(LDK、DK含む)」より
注)あくまで、該当する工事を含むリフォーム事例の費用を集計した参考情報です。

一番多い価格帯は「151~300万円」、次いで「~150万円」、「301~450万円」が続いています。「~450万円」の価格帯が全体の約95%を占めているので、一つの目安にしてください。

工事期間は、従来のレイアウトのままで新しいキッチンに変更する場合は1~2日で完了しますが、レイアウトの変更や内装工事が発生する場合は、この日数では完了しません。具体的な日数はリノベーション内容と照らし合わせて、施工会社に確認をとるようにしましょう。その際、何らかのアクシデントが起きることも想定し、1~2週間ほどプラスすると、心理的な余裕も生まれるでしょう。

 

プロが教える理想のキッチン回りのリノベーション術3選

最後は、リノベーションのプロに聞いたキッチン回りのリノベーションの秘訣を3つ、ご紹介。キッチンにどのような役割を担わせるのかは、あなた次第!です。
「Channel Panasonic - Official」(Youtube)の動画も交えながらご紹介します。

キッチンは見せるべきか? 隠すべきか?その答えはキッチンが主役か、脇役か

パナソニックが販売している半数以上のキッチンはオープン対面型のキッチンで、さらにその半数はカウンターがやや高くなっています。その理由は、「雑多になりがちなシンク回りはなるべく隠したい」という利用者の心理を考慮したから。しかし、一方で「キッチンは主役!」と考える方もおり、そういった場合はフルフラットのタイプが選ばれます。キッチンにどのような役割を持たせるか? それを明確にして、隠すか、見せるか、判断しましょう。

フルフラットのキッチンを選ぶ場合は、収納の見せ方にもこだわろう

キッチンを主役にしたくてフルフラットのキッチンを選ぶ場合は、すっきりとした美しい収納が実現できる『スライドイン家電収納』を強くおすすめします。見た目よし、収納力よしで、家電の並びもコンパクトになるため、雑多な印象はほぼありません。高級感やおしゃれさも段違いのため、導入を検討してみてください。調理時によく使うオーブンレンジや炊飯器を使いやすい高さに設置できるのも、利点です。

家事の導線とスライド収納

脱衣室とキッチンの間の導線——「家事ラク導線」を設けると、お風呂を洗って、洗濯をして、料理をして……の必須な家事が短い距離でてきぱき行えるため、とても効率が良くなります。加えて、天井高の収納はスライド収納を使うとデッドスペースがなくなり最大限スペースが活用できるので、もし洗濯機の上に無駄なスペースが生まれている場合は、設置を検討してみましょう。
 

まとめ

家におけるキッチンは、人間が生活をする上で必要な“食”を生み出す、唯一の場所。だからこそ、在宅ワークが増えてきたこのタイミングであらためてキッチンの価値を見直し、もし、その結果、現在の生活スタイルに合った機能が備わっていないのであれば、リノベーションで新たな価値を持ったキッチンをつくってみてはいかがでしょうか?

※掲載している写真や動画の一部は、「TOKYO リノベーション ミュージアム」施設内のものです。

※「TOKYO リノベーション ミュージアム」は2021年8月9日に閉館いたしました。

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