「今回はフクロウハウス池袋の一室をフルリノベーションしました。２回目のリノベーションとなりましたが、前回に引き続き、大人のおもちゃ箱というコンセプトを掲げています。おもちゃ箱と言っても、いわゆる遊び道具がいっぱいある部屋ではなく、おもちゃ箱を開ける時のワクワクする気持ちのほうにスポットを当てています。ここに来るまでのワクワク感やここへ来てから体験することに対するワクワクを表現する言葉として用いています」

そのテーマには、住宅業界の固定観念に縛られないことも含まれているとか。インテリアスタイリングをウエディングプランナーとして活躍する「CRAZY WEDDING」の平津優さんに依頼したのも従来のフォーマットではなかなか見られないこと。

「当初はインテリアコーディネーターなど、住宅関連の仕事をしている方を探していたのですがどこか違和感がありました。そんな時にもともと知り合いだった平津さんのインスタグラム（@hira2u）を見て、こんな空間を創造できる人なら家もきっと素敵な空間になると思いオファーしました」

インテリアスタイリングを担当した平津さんに話を伺うと、「結婚式は決まった対象者に向けて限られた時間をよりハッピーに過ごしていただけるように…と考えてプランニングしますが、民泊は不特定多数の方に、時間で区切らない空間を提供することになります。まったく異なるアプローチではありますが、ワクワクを体験することは共通するところ」と、今回のリノベーションのコンセプトに共感したそう。そんな平津さんの思いを象徴しているのがベリティスとラピスタイルフロアーを組み合わせた床材の使い方。そのアイデアを聞いた時、ジェレミーさんは「ワクワクした！」とか。

「住宅関連の仕事をしているとなかなか思い浮かばない、まさにインテリアのフォーマットに縛られていないアイデアだと思いました。今までにさまざまな国を訪れ、ホテルや民泊施設に泊まってきましたが、こんな床材の使い方を取り入れた場所はなかなかないなと。旅行に来たからには、街を散策したり、グルメを堪能したりしたいけど、この空間にいるのが楽しいと感じて、フクロウハウスで過ごす時間が長くなりそうなデザインになったと思っています」

随時更新されていくマグネットウォール　
未完成の部分を残す楽しさ

フクロウハウス池袋に宿泊したからこそ感じたワクワクを、さらには東京という街に遊びに来て得たインスピレーションをこの空間に残してほしい。そして、次の宿泊者たちにつなげていってほしいという思いがあり、壁にはワイルドオーク柄のマグネットボードを採用。これもリノベーションコンセプトを象徴している。

「それぞれが体験したワクワク感を蓄積できて、さらにシェアできる仕掛けをつくりたいと考えていました。他者の体験を知ることでもっとワクワクできるというか。フクロウハウスに宿泊したひとりひとりが感じた思いや体験をメッセージや写真で残していけるものは…と考えていたらマグネットウォールに辿り着きました。随時更新されていくメッセージボードみたいなイメージです。大手建材メーカーだとデザインの洗練さがイマイチだったり、中小規模だとかっこいいけど耐久性が気になったりしますが、パナソニックの建材はそのどちらもがハイクオリティー。このマグネットボードのような建材は、取り入れる側である僕たちの使い方によって印象が変わるからワクワクする建材だなと感じたことも導入のきっかけとなりました。建材でワクワクできる感覚はとても新鮮ですよね」