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野井 真吾先生「光・暗闇・外遊び」で健やかに

ここ数年、すぐに「疲れた」と言ったり、アレルギーの症状が出たりする子どもが目立つと言われています。そんな“どこか元気のない子どもたち”はどうして増えたのか、また、どのように環境を整えれば改善できるのか、元・保健体育の教師で現在、日本体育大学教授の野井真吾先生にお話を伺いました。

子どもたちの「なんとなく体調不良」の原因は、自律神経の乱れと大脳前頭葉の発達不全

幼稚園から高校まで、保育や学校現場で「子どもたちの身体のおかしさ」について調査していくと、50m走などの運動能力が落ちているわけではなく、気温に合わせて体温調節ができないなど、いわゆる防衛体力に問題があることが分かってきたそう。最近増えている「すぐ疲れたと言う」「アレルギー」などの症状は、「自律神経の乱れと大脳前頭葉の不活発の2つの原因に集中している」と野井先生は話します。「現在の子どもたちは交感神経が過剰に反応しやすく、疲労を溜め込みやすい身体の状況になっています。いつも『そわそわ』『キョロキョロ』して落ち着きがないのは、大脳前頭葉の発達が遅れているから。自律神経と心の両面にアプローチすることで、子どもたちが健やかに育つ方策が見えてきます」。

  • POINT1 自律神経を整える「光・暗闇・外遊び」
  • POINT2 朝日を浴びる工夫と、夜はあかりを暗くして
  • POINT3 ワクドキ感が生まれる遊び場を住まいの中に
  • POINT3 朝、冷水で顔を洗って防衛体力をアップ

野井先生のプロフィール

日本体育大学 体育学部 健康学科 教授 野井 真吾(のい しんご) 先生

日本体育大学大学院修了、博士(体育科学)。学校保健学、教育生理学、発育発達学、体育学を専門として、子どもたちの“からだ”にこだわった研究活動を行なっている。主な著書に『からだの“おかしさ”を科学する』(かもがわ出版)など多数。

※野井真吾先生の専門家としての見識をお伺いしております。野井先生がパナソニック商品を推奨しているわけではございません。

POINT.1自律神経を整える「光・暗闇・外遊び」

日中は光を浴び、身体を動かして程よく疲れると良いですね
POINT1

自律神経を整えるために
「光・暗闇・外遊び」を

「自律神経の不調は、生活リズムの乱れが大きい」と野井先生。「夏休みの30泊31日キャンプに参加した子どもたちは、日を追うごとに元気になっていきます。野山で外遊びをすれば身体が程よく疲れ、光も浴びます。夜は真っ暗だから、おのずと眠りのホルモンであるメラトニンが分泌されて『早寝』に。早寝になれば『早起き』になり、お腹も空いて『朝ごはん』も食べられるようになります」。「光・暗闇・外遊び」を意識すれば、健康生活のバロメーターと言われる「早寝・早起き・朝ごはん」を無理なく実践することになるわけです。

日中は光を浴び、身体を動かして程よく疲れると良いですね

POINT.2朝日を浴びる工夫と、夜はあかりを暗くして

POINT.2

朝日を浴びる住まいの工夫と
夜はあかりを暗くして

「光・暗闇・外遊び」を上手に普段の生活に取り入れるには、まず日中は光をたくさん浴びること。「わが家では、365日一度もカーテンが閉まったことがないんです。なぜなら朝日をたっぷりと浴びたいから」と野井先生。そのためにも、子ども部屋やダイニングの開口部は大きく、風通しが良くなる住まいの工夫があると良いそうです。
「逆に夜は明るい光を浴びるとメラトニンが減るため、暗いほうがいいですね。そういう意味では、照明が明るすぎる家が多い気がします。わが家ではリビングのあかりは6個の電球のうち、3個外しています。最初は薄暗いなと思いますが、慣れてしまえば問題なく、そのせいか子どもたちは遅くても8時には寝てしまいますよ」。

夜は暗くして、暖色系の 落ち着いたあかりに
夜は暗くして、暖色系の 落ち着いたあかりに

POINT.3ワクドキ感が生まれる遊び場を住まいの中に

身体を思い切り動かすことで、大脳前頭葉にいい刺激が
POINT.3

ワクドキ感が生まれる
遊び場を住まいの中に

一方で「大脳前頭葉の発達」を促すには、ワクワクドキドキ感があるといいとか。「住まいの中にもロッククライミング的によじ登ったり、滑り棒で降りてきたりと、バリアの要素があると子どもは大喜び。家の中が遊び場となります」。今の子どもたちにワクドキ感が少ないのは「三間(さんま)=時間・仲間・空間」が消失したことも原因だとか。習い事が多く、仲間と遊ぶ時間や空間がない子どもたち。思いっきり身体を動かすことで、前頭葉にいい刺激が与えられ、気分を安定させるセロトニンが出ます。「眠りのホルモンのメラトニンの元はセロトニン。遊ぶことが生体リズムを整えることに密接につながります」。

身体を思い切り動かすことで、大脳前頭葉にいい刺激が

POINT.4朝、冷水で顔を洗って防衛体力をアップ

POINT.4

朝、冷水で顔を洗って
防衛体力をアップ

日常生活の中で実践できる、子どもの防衛体力をつける方法はほかにもあります。「疲れをとって免疫力を上げるためにも、湯船に浸かるのはオススメ。寝る前に体温をいったん上げ、それが下がっていく中でここち良い眠りが訪れます」。また、かつての住宅には隙間風が入り、自然に自律神経が体温の調節を行っていました。今の住まいは高気密高断熱で一年中ここち良く、蛇口をひねると温水が出て快適そのもの。「風が通り抜ける空間を設け、朝は冷水で顔を洗うなど、快適すぎない環境を意識的につくり出して、自律神経に刺激を与えることも防衛体力を強化するための大切なポイントです」。

冷水刺激で交感神経にスイッチが入りますよ
冷水刺激で交感神経にスイッチが入りますよ

※野井真吾先生の専門家としての見識をお伺いしております。野井先生がパナソニック商品を推奨しているわけではございません。