住宅用雨といの「雪対策」には、「吊具の取り付け間隔」と「軒といの取り付け位置」が特に重要なポイントです。
軒といには、軒とい上の積雪だけでなく屋根上の雪のすべり荷重、巻きだれの荷重が掛かる場合もあります。
積雪荷重による軒といの変形、割れ、脱落、吊具の曲折などのトラブルを防ぐためには「各地域の積雪の実況」に応じて
「吊具の取り付け間隔」と「軒といの取り付け位置」を考慮しなければなりません。
●一般地域・中雪地域(おおむね年間平均最深積雪量30〜100cmの地域)と多雪地域のうち、
おおむね年間平均最深積雪量100〜150cmの地域に適用します。
●多雪地域のうち、おおむね年間平均最深積雪量150cmを超える場合はケイミュー(株)営業所までお問い合わせください。
●積雪荷重の計算は建築基準法施行令第86条
「積雪荷重は、積雪の単位荷重に乗じて計算しなければならない。」 によって、計算します。
●その地方における垂直積雪量は、建築基準法施行令第86条第3項
平成12年建設省告示第1455号 多雪区域を指定する基準及び垂直積雪量を定める基準を定める件 第二に基づき設定してください。
【別表】都道府県別区域一覧表( 平成12年 建設省告示 第1455号)
表中の市町村名は平成12年 建設省告示 第1455号が制定された時のものです。
区 域 | α | β | γ | R (単位:km) |
|
---|---|---|---|---|---|
(1) | 北海道のうち |
0.1063 | 3.16 | -0.89 | 40 |
(2) | 北海道のうち |
0.0215 | -0.62 | 2.42 | 20 |
(3) | 北海道のうち |
0.0030 | 9.46 | 1.33 | 20 |
(4) | 北海道のうち |
0.0105 | 0.41 | 1.56 | 40 |
(5) | 北海道のうち |
-0.0045 | -2.13 | 2.60 | 20 |
(6) | 北海道のうち |
-0.0079 | -3.80 | 3.31 | 40 |
(7) | 北海道のうち |
0.0021 | 0.17 | 0.89 | 20 |
(8) | 北海道のうち |
0.0111 | -1.17 | 1.52 | 20 |
(9) | 北海道のうち |
0.0120 | 1.06 | 1.20 | 20 |
(10) | 北海道のうち |
0.0010 | -1.04 | 1.37 | 20 |
(11) | 青森県のうち |
0.0005 | -1.17 | 2.19 | 20 |
(12) | 青森県のうち |
-0.0317 | 1.30 | 2.43 | 20 |
(13) | 青森県のうち |
0.0155 | 0.61 | 0.37 | 40 |
(14) | 青森県のうち 秋田県のうち |
0.0052 | 0.64 | 1.12 | 40 |
(15) | 秋田県のうち 山形県のうち |
0.0342 | -2.09 | 1.76 | 20 |
(16) | 岩手県のうち 秋田県のうち 山形県のうち |
0.0056 | 1.12 | 1.86 | 40 |
(17) | 岩手県のうち |
-0.0144 | 5.82 | -0.86 | 20 |
(18) | 岩手県のうち 宮城県のうち |
0.0041 | 1.16 | -0.11 | 40 |
(19) | 岩手県のうち 宮城県のうち |
0.0022 | 0.00 | 0.65 | 0 |
(20) | 宮城県のうち 福島県のうち 茨城県のうち |
0.0021 | 0.17 | 0.19 | 40 |
(21) | 山形県のうち |
0.0110 | 0.00 | -0.41 | 0 |
(22) | 山形県のうち 福島県のうち 新潟県のうち |
0.0031 | -5.30 | 2.80 | 20 |
(23) | 福島県のうち |
0.0029 | 25.55 | 0.38 | 40 |
(24) | 茨城県((20)に掲げる地域を除く) 栃木県 群馬県((25)及び(26)に掲げる地域を除く) 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 静岡県 愛知県 岐阜県のうち |
0.0006 | -0.07 | 0.31 | 40 |
(25) | 群馬県のうち 長野県のうち 岐阜県のうち 滋賀県のうち 京都府のうち 兵庫県のうち |
0.0058 | 3.30 | 0.32 | 40 |
(26) | 群馬県のうち 長野県のうち 岐阜県のうち |
0.0021 | 0.00 | -0.18 | 0 |
(27) | 山梨県 |
0.0006 | 6.96 | 0.13 | 40 |
(28) | 岐阜県のうち 新潟県のうち 富山県 福井県 石川県 |
0.0039 | -2.59 | 3.02 | 40 |
(29) | 新潟県のうち |
0.0111 | -1.33 | 2.53 | 40 |
(30) | 新潟県のうち |
0.0058 | -3.58 | 2.94 | 20 |
(31) | 京都府のうち 兵庫県のうち |
0.0084 | 1.68 | 0.69 | 40 |
(32) | 三重県 大阪府 奈良県 和歌山県 滋賀県((25)に掲げる地域を除く) 京都府((25)及び(31)に掲げる地域を除く) 兵庫県((25)及び(31)に掲げる地域を除く) |
0.0010 | 0.00 | 0.23 | 0 |
(33) | 鳥取県 島根県 岡山県のうち 広島県のうち 山口県のうち |
0.0040 | 0.77 | 0.29 | 40 |
(34) | 岡山県((33)に掲げる地域を除く) 広島県((33)に掲げる地域を除く) 山口県((33)に掲げる地域を除く) |
0.0004 | -0.23 | 0.37 | 40 |
(35) | 愛媛県のうち 徳島県 香川県 |
0.0012 | -0.47 | 0.45 | 20 |
(36) | 高知県((37)に掲げる地域を除く) |
0.0004 | -0.72 | 0.31 | 40 |
(37) | 高知県のうち 愛媛県((35)に掲げる地域を除く) |
0.0015 | -0.77 | 0.54 | 20 |
(38) | 大分県のうち 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 |
0.0007 | -0.10 | 0.23 | 20 |
(39) | 大分県((38)に掲げる地域を除く) 宮崎県 |
0.0003 | -0.05 | 0.11 | 20 |
(40) | 鹿児島県 |
-0.0001 | -0.36 | 0.51 | 20 |
※各地方の垂直最深積雪量に応じて、上表を参照してください。
(注)積雪地(中雪地域、多雪地域)では、必ず屋根面に「雪止め」を取り付けてください。
(注)S瓦・和瓦など谷部が深い瓦の場合は、谷部を避けて金具(吊具、吊金具、受金具)を取り付けてください。
●屋根の積雪を受けにくい形状の雨とい(平行樋など)を選定いただくとより安全です。
※1 マルチカバーⅠ型につきましては従来のスノーカバーを呼称変更したものです。
●「積雪地対応金具」を使用してください。
●金具の取り付け間隔をできるだけ狭くしてください。
1. 屋根面に「雪止め」を取り付ける。(積雪地では必須)
2. 雪害を受けやすい屋根形状位置は、金具の打ち付け間隔を狭くし強度をもたせる。積雪荷重により、雨といや建物を傷めるおそれがあります。
3. 特に屋根延長線上から出てしまう部材(集水器等)は、雪害を受けにくい位置に設置するか、銅線かステンレス線で吊り補強してください。
4. 軒先部や雨とい内面に「融雪ヒーター」を取り付けてください。