サイホン発生のポイント(施工制約)

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納まりと施工基準

納まりと施工基準紹介 写真納まりと施工基準紹介 写真

各部の設計・施工ポイント

高排水システムの設計・施工上のポイントを部位毎にまとめています。必ずお読みください。
お守りいただけない場合、排水能力が得られず、オーバーフローを引き起こすおそれがあります。

部 位 設計・施工上のポイント
❶ たてとい » パイプ(JIS管)の垂直部(ストレート部)の長さ
• VP·VU75の場合:長さ3m以上を確保
• VP100の場合:長さ6m以上を確保
• VP125の場合:長さ8m以上を確保
❷ 呼びとい部 » 自在ドレンとたてといの偏芯距離
• 偏芯距離は1m以内にしてください
コアンダエルボ(高排水用)の使用 ※90°エルボ使用時
❸ 落し口 » 落し口1か所あたりが負担する軒といの長さ
• 片側15m以内(両側30m以内)としてください
※落し口には自在ドレン(高排水用)をご使用ください
❹ 伸縮吸収部 » 伸縮吸収部にはスライドS(高排水用)をご使用ください
❺ 庇軒といとの取り合い部 » 施工パターン »
枝管から合流させる方法 / 貫通部から合流させる方法 »
大屋根の排水と庇の排水をそれぞれ独立して排水させる方法 »
❻ 埋設部 » 地中埋設部の設計ポイントについて »

❶ たてといの長さについて

たてといの最小長さは(ストレート部分)はサイズ毎に設定した長さをお守りください。

たてといの長さ紹介図 たてといの長さ紹介図

❷ 呼びとい部の偏芯距離について

自在ドレンとたてといの偏芯距離は1m以内にしてください。
また、90°エルボ使用の際には、必ず呼びといの下流側にコアンダエルボ(高排水用)をご使用ください。

呼びとい部の偏芯距離紹介図 呼びとい部の偏芯距離紹介図

❸ 落し口の設計・施工

落し口には自在ドレン(高排水用)をご使用ください。

落し口からの離隔距離について

落し口1か所あたりで負担する軒とい長さ(最大離隔距離)は片側15m以内(両側30m以内)にしてください。

落し口の設計・施工例図落し口の設計・施工例図

※離隔距離は落し口より片側15m(両側30m)までですが、軒とい熱伸縮対策(伸縮継手、エキスパンション)は20m以内に1か所必要となり、離隔距離、伸縮対策の両条件が確保されるよう設計ください。

内・外曲りを含む場合の注意点

・落し口に対し、両側から雨水が流入する形であれば離隔距離のみ考慮してください。
・片側から流れ込まない納まりの場合、曲り部分が1か所以上あるとオーバーフローするおそれがあります。

内・外曲りを含む場合の注意点紹介図 内・外曲りを含む場合の注意点紹介図

❹ 伸縮吸収部について

・伸縮吸収には8m毎に1か所、スライドS(高排水用)をご使用ください。
・自在ドレンから最上部のスライドS(高排水用)までの高さは所定のたてといの長さをお守りください。(下図A部)
・排水管カバーは伸縮吸収部材として使用できません。(雨水が飛散するおそれがあります)

伸縮吸収部紹介図 伸縮吸収部紹介図

❺ 庇軒といとの取り合い部

施工パターン

高排水システムのたてといの経路上に庇がある場合、大屋根、庇からの雨水を排水する方法として以下の3パターンの施工方法でご対応いただけます。
排水能力計算の上、設置可能な納まりをお選びください。

A 枝管から合流させる方法 B 貫通部から合流させる方法 C 大屋根の排水と庇の排水をそれぞれ
独立して排水させる方法
概 略 庇の排水を枝管から合流させます。 庇の排水をたてとい貫通部から合流させます。 大屋根の排水と庇の排水をそれぞれ独立して排水させます
特 長 排水経路が最もスムーズです。
(推奨パターンです。)
庇下で枝管の配管が必要です。
庇下の配管スペースが狭いときに
有効です。
庇より下の配管径が大きくなります。
大屋根~庇の距離が短いときに
有効です。
庇より下の配管が増えます。

注意事項

高排水システムの排水は高水圧となるため、庇の屋根面や軒樋に直接排水させたり、はいとい等で納めた場合にといの外に雨水が飛散するおそれがあります。

水圧による雨水飛散のおそれ 水圧による雨水飛散のおそれ

A 枝管から合流させる方法

A 枝管から合流させる方法 説明図 A 枝管から合流させる方法 説明図

B 貫通部から合流させる方法

B 貫通部から合流させる方法 説明図 B 貫通部から合流させる方法 説明図

排水能力計算(A,B共通)

主管、枝管、庇下たてといの径は以下に基づいて決定してください。

●大屋根と庇の排水が合流後、主管の高排水システムの排水能力を超えないようにしてください。
●主管の排水量は枝管の排水量の2倍以上になるようにバランスをとってください。取れない場合、庇軒といから下流側は通常排水の排水能力で計算してください。

屋根面積に対するたてとい径早見表

屋根面積に対するたてとい径早見表

※屋根面積は降雨強度160mm/hで算出したものです。その他の降雨強度に対しては、「該当地域の降雨強度/160」を乗じた屋根面積の欄を参照ください。

※主管がLL+コアンダエルボ(高排水用)であり、合流部までの有効高さが10m未満の場合。

<表の見方>
①建物の図面より、大屋根(主管)と庇(合流側)それぞれの「落し口1か所あたりの屋根投影面積S」を求めます。
②上表の「主管1か所あたりの屋根負担面積」からS以上の列を選択し、同様に「合流側1か所あたりの屋根負担面積」から行を選択します。
③交差するマスに記載の主管、枝管、庇下たてといのサイズとしてください。Bの場合は主管と庇下たてといの欄のみご参照ください。

● 軒といの排水能力は別途計算や排水能力表でご確認ください。
● 管径の記載のない組み合わせは排水能力を満足しません。落し口を増やして対応ください。
● 上表の管径は以下の条件で算出しています。
・降雨強度:160mm/h ・VP100高排水はたてとい長さ6m時の排水能力を採用 ・庇軒といは谷といとして扱い、降雨強度を1.25倍とする ・庇軒とい高さ:150mm

QRコード

任意の条件で計算する場合、より詳しい計算手順をホームページにてご確認ください。

C 大屋根の排水と庇の排水をそれぞれ独立して排水させる方法

C 大屋根の排水と庇の排水をそれぞれ独立して排水させる方法 説明図C 大屋根の排水と庇の排水をそれぞれ独立して排水させる方法 説明図

貫通管使用時の軒とい排水能力早見表

貫通管設置時の、各部の寸法に対する排水能力は下表のようになります。

  • の数値が、軒とい、たてとい組み合せによる排水能力となります。
  • ●下表の排水能力は、水勾配5/1000での値です。
  • ●貫通管との組合せにより大屋根からの高排水と合流する場合、下屋の排水能力は本表の数値を参考に設定してください。
    (合流時のシステム全体の排水能力の考え方は、カタログ「大型雨とい高排水システム」P.21をご参照ください。)
貫通管設置時の各部の寸法イメージ
貫通管設置時の各部の寸法に対する排水能力表
たてといとの位置ズレにご注意ください。たてといとの位置ズレにご注意ください。

注意事項

注意事項 注意事項

❻ 埋設部の設計ポイント注意事項

ます部の接続、および埋設管について地中ますや埋設管のサイズは、下表の通り落し口1か所あたりの排水量に応じたものを設定してください。
(通常排水でも、高排水でも埋設管の径や、ます容量は変わりません。)
高排水システムにより流量、流速がアップするため、ます内部で跳ねる雨水が外に飛び出さないよ

設置例イラスト

埋設管の設計・工事をされる設備業者様に、排水の勢いが強い高排水システムを採用するため、雨水が外に跳ね上がらないように排水ますの設定など、埋設部の納まりにもご注意いただく必要がある旨をお伝えください。

参考:雨水排水横管径の決定[ SHASE-S 206-2019 給排水衛生設備規準・同解説(空気調和・衛生工学会規格)より]

参考:雨水排水横管径の決定[ SHASE-S 206-2019 給排水衛生設備規準・同解説(空気調和・衛生工学会規格)より]

雨水横枝管・雨水横主管及び敷地雨水管の管径は、以下の表によって選定する。

雨水横管の管径※1

管径[A] 許容最大屋根面積(m²)※2 ※3
配管勾配
1/25 1/50 1/75 1/100 1/125 1/150 1/200 1/300 1/400
65 137 97 79 - - - - - -
75 201 141 116 100 - - - - -
100 - 306 250 216 193 176 - - -
125 - 554 454 392 351 320 278 - -
150 - 904 738 637 572 552 450 - -
200 - - 1590 1380 1230 1120 972 792 688
250 - - - 2490 2230 2030 1760 1440 1250
300 - - - - 3640 3310 2870 2340 2030
350 - - - - - 5000 4320 3530 3060
400 - - - - - - 6160 5040 4360
  • ※1 都市の下水道条例が適用される地域においては、その条例の基準に適合させなければならない。
  • ※2 屋根面積は、すべて水平に投影した面積とする。 
  • ※3 許容最大屋根面積は、雨量100mm/hを基礎として算出したものである。したがって、記載以外の雨量に対しては、表の数値に“100/該当地域の最大雨量” を乗じて算出する。なお、流速が0.6m/s未満または1.5m/sを超えるものは好ましくないので除外してある。

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