COPD

タバコの煙など有害物質を長期にわたり吸うことが原因で、気管支や肺に炎症を起こし、呼吸機能が低下する病気(肺気腫や慢性気管支炎)の総称です。 タバコの煙など有害物質を長期にわたり吸うことが原因で、気管支や肺に炎症を起こし、呼吸機能が低下する病気(肺気腫や慢性気管支炎)の総称です。

主な症状とは?

COPDは、慢性閉塞性肺疾患の略です。動作時は、安静時に比べてエネルギー消費が増え、呼吸も増えるので息が切れやすくなります。

  • 活動時に呼吸困難を感じる
  • トイレでいきむと苦しさを感じる
  • 寝ている際に呼吸が苦しくなる

予防と対策

COPDとの上手な付き合い方を解説!

COPDは完治しないため、心身負担に配慮した生活環境づくりが大切です。

ポイント1呼吸しやすい体勢をとる

腹式呼吸を妨げない
お腹を圧迫しないようにしましょう。衣服の着脱にはイスに座って前かがみにならないようにします。
胸式呼吸を妨げない
腕を肩より高く上げたり、宙に浮かせたりしないようにします。

ポイント2呼吸リズムを安定させる

呼吸を止めない
動作は息を吐きながら行いましょう。いきむことも呼吸リズムを乱すので注意しましょう。
呼吸を速くしない
反復動作に気を付けましょう。体を激しく動かすなど息が上がる動作は禁物です。

福祉用具で環境整備

COPDの人の環境整備には、呼吸がしやすく、呼吸のリズムが乱れないことをポイントにします。

室内

ベッドを導入する
床からの立ち上がりは、いきんで呼吸が乱れがちなので、ベッドの導入をおすすめします。
火気に注意!
酸素ボンベを使用している場合は、火気に注意が必要です。IHクッキングヒーターへの切替もおすすめです。
風邪やインフルエンザ
予防を
風邪やインフルエンザをきっかけに症状が悪化しがちです。手洗い・うがいをしっかりとる他、空間洗浄機の導入もおすすめです。

洗面・脱衣所

洗顔に工夫を
洗顔時に息を止めると苦しくなる場合は、間をとりながら洗顔したり、濡らしたタオルで顔を拭いて洗顔するとよいでしょう。
電動歯ブラシが便利
歯磨きは反復動作を少なくするために、電動歯ブラシが便利です。
衣服の着脱の工夫
上着の着脱時は、腕を肩よりあげないようにしましょう。靴下の着脱時は、前かがみにならないよう椅子に座って、あぐらを組むように片足をあげて行うとよいでしょう。衣服は前開きのものがラクです。

浴室

頭髪を洗う際の工夫
頭髪を洗う動作は、顔に水が掛かる、前かがみになる、腕が肩より上にあがる、反復動作になる、など負担が大きいです。工夫して負担を減らしましょう。

・壁掛けのシャワーを利用
・シャンプーハットを利用
・頭を横に倒して片手で洗う
・リンスインシャンプーで時間短縮
体を洗う際の工夫
体を洗うときは、床や低い風呂イスに座ると、腹部が圧迫され、立ち上がり時に呼吸も乱れやすくなります。シャワーチェアを導入しましょう。シャワーチェアは、脚をあげやすく、背もたれもあり、ゆったり洗えます。かがんで足を洗うと腹部を圧迫するので注意しましょう。また、背中を洗う際、長めのタオルが良いでしょう。
湯船では浴槽台を利用
湯船に浸かる際は、浴槽台に座り、半身浴にすると胸部の圧迫が少なく呼吸がラクです。
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トイレ

和式便器より洋式便器
和式便器は腹部を圧迫するので、洋式便器に替えましょう。便座をかぶせるだけで工事せずに洋式トイレにできます。
ポータブルトイレの設置
トイレまでの移動で息苦しくなる場合は、ポータブルトイレも検討しましょう。
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対応策事例

事例①「トイレのいきみ」

Aさんは、排泄時、いきむと苦しさを感じます。寒い季節はトイレの回数も多くなり、移動自体もつらく感じていました。移動が難しい時のために、ポータブルトイレを併用することになり、シャワー水で便意を促すこともできる温水洗浄機能付きを選定しました。いきむことや、拭き取りの反復動作による呼吸の乱れが減り、排便がラクになりました。
ポイント
いきむなど、息を止める動作は呼吸リズムを崩すので要注意です。

事例➁「家での活動時に」

Bさんは、家での活動時に呼吸困難をよく感じます。動作時は安静時に比べてエネルギー消費が増え、呼吸も増えるので息が切れやすくなります。日常動作を少ない酸素の使用量でできるよう、洗面台前、脱衣所、階段の登り切った場所にイスを設置しました。Bさんは呼吸の苦しさを感じる機会が減りました。
ポイント
イスは腹部を圧迫しない高さのものを選びましょう。ひざ下(高齢者平均男性約38cm、女性約35cm)より高いと、立ち上がりがラクです。

事例③「寝ている時の呼吸」

Cさんは、寝ている際に呼吸が苦しく感じることがあり、ギャッチアップ機能のあるベッドを導入しました。Cさんは呼吸が苦しい時、楽な姿勢(頭を上げ、ひざを軽く曲げる姿勢)が速やかにとれるようになりました。背を起こすことで横隔膜を圧迫していた内臓が重力で下がり、肺のスペースが広がるので、フラットな状態に比べて呼吸がしやすくなります。
※COPDの場合、ひざを曲げすぎると腹部を圧迫する可能性があります。
ポイント
背上げをすれば、入眠しやすくなります。また、掛け布団が重いと胸を圧迫するので、軽いものがおすすめです。

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