工法・構造
自分の家の工法・構造をしっかり学ぶことが大切です。
地盤・基礎
地盤が軟弱な場合は改良工事が必要
家を建てる敷地が水田を埋め立てた土地や、地下水位の高い土地の場合には、建築後に地盤沈下が予想されます。また、ゴミなどで埋め立てた土地や、盛土にコンクリートの廃材などが混入していると、建物の基礎と接触して不同沈下の原因となります。こうした土地の場合には、地盤改良を行ったり、基礎設計に配慮したり対策を行うことが必要です。
水田や畑を宅地に転用する場合や、地盤の状態に不安がある場合は、建築工事が始まる前に「地盤調査」を行いましょう。一般的な戸建て住宅向けの地盤調査は「スウェーデン式サウンディング(SS)試験」が主流となっています。地盤改良にはさまざまな方法があり、地盤の状態や建築物の構造・工法・規模(荷重の大きさ)などにあわせてどの方法で行うかが決まります。地盤の調査や改良については、建築士や施工会社に問い合わせましょう。それらを専門に手がける業者もあります。
基礎にもいくつか種類があり、地盤の状態や建物の構造などによって決まる
地盤同様、家を支える重要部分の「基礎」には「布基礎」「防湿基礎」「ベタ基礎」といった種類(工法)があり、建物の構造・工法や規模(荷重の大きさ)などによってどういった基礎にするかが決まります。基礎は工法によってその性能が異なり、またコストにも差があります。
基礎の種類(工法)とそれぞれの特徴
- 1.一戸建て住宅に多い布基礎
一般的な木造住宅の場合に、もっとも多く採用されているのが「布基礎」と呼ばれる工法です。部位的には、土台を載せるために作られる幅12〜15cm、高さ45〜60cm程度のコンクリート製の部分を指します。基礎から地盤に伝達される荷重の大きさ(接地圧)と、地盤が接地圧に耐えられる力(地耐力)をどれだけ備えているかによって、基礎が地盤に接している部分の面積が算出されます。たとえば、接地圧が5t/平方メートル(1平方メートルあたり5tの荷重が加わる)に対して地耐力が3t/平方メートルしかない場合には、建物荷重が地耐力を上回るため建物は沈下を起こしてしまいます。これを防ぐためには、基礎の底面部分の面積を広くして、接地圧が地耐力の3t/平方メートル未満となるようにします。 - 2.不同沈下に強いベタ基礎
「ベタ基礎」は、板状の基礎を地盤の上全面に敷設する、文字どおりベタっとした基礎です。縦横に鉄筋が入ったコンクリートの基礎であるため、たわみが少なく、一部分だけが沈下する不同沈下に対して優れた抵抗性を備えており、地盤がかなり軟弱な場合に採用されます。 - 3.湿気が多い場合に用いられる防湿基礎
「防湿基礎」は、見た目はベタ基礎と見分けがつかない形状をしていますが、構造や性能といった実質的な面では布基礎の一種といえます。基礎と基礎の間を薄い土間コンクリートで被覆し、湿気が上がってくるのを防ぎます。 - 4.特殊な場合に用いられる杭基礎
地盤が軟弱であったり、重量鉄骨造の3階建て住宅を建てるなど特殊な場合に用いられるのが「杭基礎」です。
この内容は2004年8月20日現在のものです。