リフォーム・リノベーションのヒント集

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2024/08/30

カビ対策は、秋も忘れずに。
リフォームで取り入れたい湿気をためない設備

カビと言えば梅雨を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は秋も注意が必要です。健康への影響も気になります。カビの繁殖を抑える工夫や便利な設備をご紹介します。

梅雨だけじゃない。秋もカビに注意

梅雨や結露が発生する冬に、カビが気になる方が多いと思いますが、実は秋も気温や湿度ともにカビの繁殖条件に適しているため、注意が必要です。カビは湿度が高いと繁殖しやすくなります。

カビは、健康にも影響を及ぼします。呼吸により体に入ることで、アレルギーやぜんそく、呼吸器系の病気の原因になる恐れがあるので、なるべく発生させないことが重要です。

カビの発生する原因

カビ菌(カビの胞子)は、空気中に広く分布していて、窓やドアの開閉時、換気などの際に室内に入り込みます。洋服や靴、ペットに付着して入ってくるなど、入ってくる経路はさまざまです。

■カビが繁殖しやすい条件

・湿度60%以上
・温度20~30℃
・ホコリ、皮脂、食品のカス、木材、紙、布など、カビの栄養源があるところ
・暗いところ

カビ対策は、外から入ってきたカビの繁殖をいかに抑えるかがポイントです。カビが繁殖しやすい条件を知っておくことで、対策がしやすくなります。

晴れた日は、押入れや家具の中まで換気を

湿気の多い場所は、カビも生えやすくなります。特に、家具の裏側など見えないところのカビは気が付きにくいもの。放っておくと、知らないうちに胞子を吸い込んでしまうことになります。

湿気対策の基本は換気です。晴れた日は窓を開けて、湿気を追い払いましょう。押し入れは、布団を干している間に開けておくと、中まで風が通ります。食器棚も水滴が付いたまま食器を収納すると湿気がこもるので、少し扉を開けて空気の入れ替えをするのがおすすめです。

床置きの家具は壁の間に隙間を空けて、風の通り道を確保しましょう。風が通りにくい場所は、扇風機などで強制的に空気を送って換気するといいですね。

ただし、外の湿気が高い日は、窓を開けると外から湿った空気が入ってくるので、湿気対策としては逆効果になる場合も。窓を閉めてエアコンや除湿器などで、気温と湿度を下げましょう。

空気は、天井に暖かい空気、床付近に冷たい空気に分かれていきます。天井付近は湿度が上がり、カビが発生しやすくなります。エアコンを利用するときは、室内の温度や湿度のムラをなくすために扇風機やサーキュレーターをエアコンの風に当てて、空気を循環させる必要があります。

バスルームは、カビが生えにくい工夫がされたものを選ぶ

特に湿気がこもりやすいバスルームは、しっかり換気をしてカビなどを発生させないようにしたいですね。タイルの目地やドアのパッキンなどにこびりついたカビは、掃除してもなかなか取れません。

バスルームの湿気対策は、常に乾燥を心がけることと、水アカ、ホコリの除去です。換気扇を活用し、バスルームの中の空気を循環させます。洗面台や洗面ボウルの水気は残さないようにし、石鹸カスや皮脂アカなどの汚れはすぐに掃除するようにします。
天井や換気扇もお手入れが必要です。特に換気扇についたホコリは、カビが発生する原因になるので、こまめに掃除をしましょう。天井は乾いた布やシートで拭きます。

毎日、しっかり掃除をするのは大変ですが、床のスミに目地がない、汚れがたまりにくいなどのカビが生えにくい工夫がされた床材、扉などを選べば、お掃除の時短になります。

換気口がドアの上にある「スキットドア」なら、ドア面材まわりのパッキンがないのでカビが生えにくく便利です。換気扇を回して外気を入れると、空気がドアに沿うように下向きに流れて浴室全体をしっかり換気・乾燥してくれます。

換気扇を「ナノイー搭載 カビシャット暖房換気乾燥機」にすると、お手入れがさらにラクに。浴室を換気・乾燥しながら、水に包まれた微粒子イオン「ナノイー」で、浴室内に浮遊・付着するカビを抑制します。

クローゼットや押入れは、ものを詰め込み過ぎない

クローゼットや押入れにカビが発生する原因は、洋服やものの詰め込みすぎや、換気ができていないことです。

洋服をたくさん詰め込んでいると、空気の通りが悪くなり、湿度が上がることによって、カビがつきやすくなります。湿度を下げるために除湿剤を入れるなどの対策や、定期的に空気を入れ替えすることが大切です。

また、クローゼットの中はホコリが床にたまりやすい場所なのでこまめな掃除が必要です。外出時に着ていた服は、湿っていることもあるのできちんと乾かしてから収納します。

湿気とニオイ対策ができる玄関用収納

玄関のカビの主な発生源は、外から入ってくるホコリと靴についたカビ菌です。濡れた靴や傘は、しっかり乾かしてから収納することが大切です。水分が残っていると湿気がこもるだけでなく、靴にカビが生える原因にもなります。またカビ特有のニオイも発生します。
靴が濡れた場合は放置せず、除湿シートを使ったり、新聞紙をまるめて靴の中に入れるだけでも効果があります。
玄関収納は、通気をよくするために、靴を詰め込みすぎないこと。晴れた日は、扉を開けて換気をしましょう。

ニオイ対策におすすめなのは、パナソニックのハイブリッド脱臭ユニット付きの「クロークボックス」。独自の脱臭機能で靴のニオイに対応します。

24時間換気+局所換気で湿気や空気の汚れを防ぐ

生活していると湿気だけでなく、調理の煙やニオイなどが発生します。室内の空気を常にきれいに保つには、「24時間換気システム」がおすすめ。換気扇が24時間稼働して、室内の空気をゆっくりと入れ替えてくれます。キッチンやバスルームなど空気の汚れが発生しやすい場所には、専用の換気扇を設置して、汚れや湿気を一気にはき出しましょう。

※24時間換気システムは2003年の建築基準法改正によって、新築住宅に設置が義務づけられています。大規模なリフォームや、増築の場合にも設置が必要なことがあります。

監修協力

前海 佐季子さん

前海 佐季子(まえうみ さきこ)さん

沖縄県で活動する住まいコンサルタント。一級建築士・インテリアコーディネーターとして20年に渡り約120件のマイホーム建築に尽力。経験に加え、住まいの悩みを心理学・脳科学を使って解決。学んだ"空間デザイン心理学®"に基づいたカウンセリングで「世の中の悩めるお母さんたちの力になりたい」と、2021年に独立。「模様替え」からリノベーション設計まで幅広く、数々の住まいの悩みや家庭内のトラブル解決に努める。空間デザイン心理士®、2児の母。

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