サイホン発生のポイント(施工制約)

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部材・施工組立図

必ず高排水用の専用部材をご使用ください。排水能力が得られず、オーバーフローを引き起こすおそれがあります。

部材・施工組立図イラスト

  • ビニルパイプ・カラービニルパイプ(JIS管)、 DV継手・カラーDV継手、その他継手・カラーその他継手は、株式会社クボタケミックス製商品です。
  • 株式会社クボタケミックスのブランド・梱包となります。

納まりと施工基準

納まりと施工基準紹介写真

各部の設計・施工ポイント

高排水システムの設計・施工上のポイントを部位毎にまとめています。必ずお読みください。
お守りいただけない場合、排水能力が得られず、オーバーフローを引き起こすおそれがあります。

部 位 設計・施工上のポイント
❶ 落し口 » 落し口1か所あたりが負担する軒といの長さ
• 片側15m以内(両側30m以内)としてください
※落し口には自在ドレン(高排水用)をご使用ください
❷ 呼びとい部 » 自在ドレンとたてといの偏芯距離
• 偏芯距離は1m以内にしてください
❸ たてとい » パイプ(JIS管)の垂直部(ストレート部)の長さ
• VP·VU75の場合:長さ3m以上を確保
• VP100の場合:長さ6m以上を確保
• VP125の場合:長さ8m以上を確保
❹ 伸縮吸収部 » 伸縮吸収部にはスライドS(高排水用)をご使用ください
❺ たてとい合流部 » 庇がある場合の合流部の納め方について »
合流時の排水量の考え方について »
貫通管使用時の軒とい(箱とい)排水量の考え方について »
❻ 埋設部 » 地中埋設部の設計ポイントについて »

❶ 落し口の設計・施工

落し口には自在ドレン(高排水用)をご使用ください。

落し口からの離隔距離について

落し口1か所あたりで負担する軒とい長さ(最大離隔距離)は片側15m以内(両側30m以内)にしてください。

落し口の設計・施工例図

内・外曲りを含む場合の注意点

・落し口に対し、両側から雨水が流入する形であれば離隔距離のみ考慮してください。
・片側から流れ込まない納まりの場合、曲り部分が1か所以上あるとオーバーフローするおそれがあります。

内・外曲りを含む場合の注意点紹介図

❷ 呼びとい部の偏芯距離について

自在ドレンとたてといの偏芯距離は1m以内にしてください。

呼びとい部の偏芯距離紹介図

❸ たてといの長さについて

たてといの最小長さは(ストレート部分)はサイズ毎に設定した長さをお守りください。

たてといの長さ紹介図

❹ 伸縮吸収部について

・伸縮吸収には8m毎に1か所、スライドS(高排水用)をご使用ください。
・サイホン現象を発生させるために、自在ドレンから最上部のスライドS(高排水用)までの高さは
 所定のたてといの長さをお守りください。(下図A部)
・排水管カバーは伸縮吸収部材として使用できません。(雨水が飛散するおそれがあります)

伸縮吸収部紹介図

❺ たてとい合流部の設計・施工

庇がある場合の合流部の納め方について

庇がある場合の合流部の納め方紹介図

庇がある場合の合流時の注意点

・高排水システムで庇がある納まりに合流させる場合は貫通管をご使用いただくことをおすすめします。
・高排水システムに通常排水を合流する場合、合流部以下のたてといは大屋根からのたてといより1サイズアップしてください。
・高排水システムで大屋根からの排水を庇軒とい内に直接排水させることはお避けください。
(軒といより雨水が飛散するおそれがあります。)
・合流部はGLから3m以上の高さを確保してください。
・合流時の排水量の考え方は下記 » を参考にしてください。

庇がある場合の合流時の注意点例図庇がある場合の合流時の注意点例図

禁止施工例

・サイホン現象が発生しますと高水圧の流れになります。よって、庇屋根面に直接排水させることや、はいといで納めることはできません。
・谷コイル等で深さのあるマスを現地加工し、合流させることもマスが破損する要因となりますのでお避けください。

禁止施工例図禁止施工例図

高排水システム 合流時の排水量の考え方について

高排水システム
合流時の排水量の考え方について

拡径せず90°YDTを使った合流方法

拡径せず90°YDTを使った合流方法例拡径せず90°YDTを使った合流方法例

高排水システム時の合流方法

高排水システム時の合流方法例高排水システム時の合流方法例

拡径して合流させた時の排水能力(排水量)の考え方

各部の排水能力は以下のように計算してください。

【主管/合流前】の排水能力
以下の関係式が成り立つように、大屋根の負担面積を調整してください。

【主管/ 合流前】の排水能力 ≧ 大屋根からの排水量 + 庇から合流する排水量

【枝管】の排水能力
通常排水時の軒とい、たてといの組み合せによる排水能力。

ご注意
貫通管を設置する場合は、排水能力早見表 » を参考に庇軒といの排水量を決定してください。

【主管/合流後】の排水能力
排水能力計算上は、拡径していないものとして扱ってください。
(【主管/合流前】の排水能力と同値として考えます)

ご注意
例えばVP・VU75高排水をVP100に拡径しても、 VP100高排水のシステムにはなりません。

高排水システム 合流時の排水計算例

高排水システム 合流時の排水計算例図高排水システム 合流時の排水計算例図
  サイズ 流量
大屋根 軒とい 前高200WIDE 21.5[L/s]-8.0[L/s]=13.5[L/s]
※庇からの流量が8[L/s]の場合
主管/合流前 VU75
軒とい 前高200WIDE 最大 8.0L/s まで
枝管 VU100
システム全体 主管/合流後 VU100 最大 21.5L/s まで
※上流がVU75高排水の場合

貫通管使用時の軒とい排水能力早見表

貫通管設置時の、各部の寸法に対する排水能力は下表のようになります。

 色背景の数値が、軒とい、たてとい組み合せによる排水能力となります。
●下表の排水能力は、水勾配5/1000での値です。
●貫通管との組合せにより大屋根の排水(サイホン)と合流する場合、下屋の排水能力は本表の数値を参考に設定してください。
(合流時のシステム全体の排水能力の考え方は、「高排水システム 合流時の排水量の考え方について »」をご参照ください。)

部材サイズ箇所
貫通管 底幅の基準 深さの基準 使用可能
軒とい・箱とい
軒といの排水能力 たてといの排水能力
サイズ 管径
d[㎜]
底幅
W[㎜]
深さ
H[㎜]
通常
【安全率:1.5】
貫通管
【安全率:3】
サイズVU管 排水能力
[L/s]
VP・VU75用
貫通管
114㎜
(VU100)
200㎜以上 150㎜以上 前高200WIDE 22.4 L/s 12.3 L/s Φ100 8.0 L/s
12.3 L/s Φ125 12.6 L/s
150㎜以上 折版200Ⅰ型 20.5 L/s 10.1 L/s Φ100 8.9 L/s
10.1 L/s Φ125 12.6 L/s
VP100用
貫通管
140㎜
(VU125)
250㎜以上 200㎜以上 谷コイル0.4
914㎜
W:250㎜ H:200㎜
47.7 L/s 23.8 L/s Φ125 16.0 L/s
Φ150 22.1 L/s
23.8 L/s Φ200 38.0 L/s
VP125用
貫通管
165㎜
(VU150)
300㎜以上 250㎜以上 谷コイル0.4
914㎜
W:300㎜ H:250㎜
64.2 L/s 32.1 L/s Φ150 24.7 L/s
38.5 L/s Φ200 42.5 L/s
  • ※各数値は、大型建造物用雨仕舞商品 技術・施工資料 にも掲載の排水能力の計算式に基づいて計算した値です。

貫通管使用時の軒とい排水量の考え方について

対象となる施工のパターン例

図のように軒とい内に貫通管を設置すると軒とい内の雨水の流れを少し阻害する状態になりますので、軒といの排水能力は通常よりも低い値で計算いただくことになります。

対象となる施工のパターン例写真

貫通管設置時の軒とい内の雨水の流れについて

貫通管の上流側では、軒とい内の水位が上昇します。
上流での軒といからのオーバーフローを防ぐため、軒といが負担する屋根面積を調整いただく必要があります。

貫通管設置時の軒とい内の雨水の流れについてイメージイラスト

貫通管設計・施工時の注意点

  貫通管外径
d
軒とい底幅
W※推奨値
深 さ
H
VP・VU75用
貫通管
114㎜ 200㎜以上 150㎜以上
VP100用
貫通管
140㎜ 250㎜以上 200㎜以上
VP125用
貫通管
165㎜ 300㎜以上 250㎜以上
部材サイズ箇所

●自在ドレン(高排水用)との隣接設置はできません。

サンプルイラスト

●支持金具の間に2個以上の貫通管を設置しないでください。
軒といの強度が低下し、破損のおそれがあります。

サンプルイラスト

●屋根からの雨水が、貫通管の上部から浸入しない高さ・位置に施工してください。

サンプルイラスト

●貫通管に、たてとい以外のものを通さないでください。

サンプルイラスト

●熱伸縮対策のため、貫通管と内部のたてといには隙間を設けています。
●貫通管内を伝って雨水が庇下に落ちることがあります。

サンプルイラスト

貫通管使用時の軒とい排水能力計算について

貫通管を使用する場合、軒といの排水能力計算時は安全率:3として計算してください。

貫通管使用時の軒とい排水能力計算紹介貫通管使用時の軒とい排水能力計算紹介

❻ 埋設部の設計ポイント注意事項

ます部の接続、および埋設管について地中ますや埋設管のサイズは、下表の通り落し口1か所あたりの排水量に応じたものを設定してください。
(通常排水でも、高排水でも埋設管の径や、ます容量は変わりません。)
高排水システムにより流量、流速がアップするため、ます内部で跳ねる雨水が外に飛び出さないように納めてください。

設置例イラスト

埋設管の設計・工事をされる設備業者様に、排水の勢いが強い高排水システムを採用するため、雨水が外に跳ね上がらないように排水ますの設定など、埋設部の納まりにもご注意いただく必要がある旨をお伝えください。

参考:雨水排水横管径の決定[ SHASE-S 206-2019 給排水衛生設備規準・同解説(空気調和・衛生工学会規格)より]

参考:雨水排水横管径の決定[ SHASE-S 206-2019 給排水衛生設備規準・同解説(空気調和・衛生工学会規格)より]

雨水横枝管・雨水横主管及び敷地雨水管の管径は、以下の表によって選定する。

雨水横管の管径※1

管径[A] 許容最大屋根面積(m²)※2 ※3
配管勾配
1/25 1/50 1/75 1/100 1/125 1/150 1/200 1/300 1/400
65 137 97 79 - - - - - -
75 201 141 116 100 - - - - -
100 - 306 250 216 193 176 - - -
125 - 554 454 392 351 320 278 - -
150 - 904 738 637 572 552 450 - -
200 - - 1590 1380 1230 1120 972 792 688
250 - - - 2490 2230 2030 1760 1440 1250
300 - - - - 3640 3310 2870 2340 2030
350 - - - - - 5000 4320 3530 3060
400 - - - - - - 6160 5040 4360
  • ※1 都市の下水道条例が適用される地域においては、その条例の基準に適合させなければならない。
  • ※2 屋根面積は、すべて水平に投影した面積とする。 
  • ※3 許容最大屋根面積は、雨量100mm/hを基礎として算出したものである。したがって、記載以外の雨量に対しては、表の数値に“100/該当地域の最大雨量” を乗じて算出する。
    なお、流速が0.6m/s未満または1.5m/sを超えるものは好ましくないので除外してある。 

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