取材日2017年2月
入浴する際、一般的な浴室用の椅子では低すぎたり、洗い場に腰をおろしずらくなってきた時、初めての介護用品として購入することが多いシャワーチェア。シンプルな機能の介護用品ですが、安定した姿勢でこれまでと同じように身体を洗え、快適な入浴を可能にする必須アイテムです。
ユクリアシリーズは2016年に全面リニューアルし、機能の向上とともに、新色として加わった「モカブラウン」がとても好評です。
「福祉用具専門相談員」と、介護の専門家である「ケアマネジャー」と、そして「開発担当者」が、リニューアルによる改良点や、シャワーチェアの活用や効用について語りました。
シャワーチェアを使うきっかけは、一般的な浴室用の椅子で「立ち座りがしづらい」、「座っている時に支えが欲しい」と感じるようになってきたら、という方が多いですね。日常生活には支障がなくても、滑りやすい浴室だけは、転倒防止に備え立ち座りを安全にすることが大切になるからです。ですから、シャワーチェアははじめて使う介護用品になることが多い福祉用具です。
入浴は、身体を清潔にするだけでなく、リフレッシュやリラックス効果を得るためにも大切です。だから、「介助者の手を借りずに入浴したい」と思われる方は多く、1人で入れる環境づくりは大切ですね。例えば、立って浴槽をまたぐことがしづらくなっても、すぐに介助が必要となるわけではなく、座って浴槽をまたぐ環境をつくることで「1人での入浴」が続けられます。
シャワーチェアの高さを浴槽の高さと合わせると、腰をかけたまま浴槽をまたいで入ることができます。
また出っ張った部分がないので、浴槽サイドにピッタリと沿わせることができ、1人で入浴する際も安全です。
立ちやすい高さに調整でき、ひじかけが支えとなる福祉用具「シャワーチェア」。
レバーを握るだけでたためるので腰や脚に負担がかかりません。
パナソニックのシャワーチェアには、「ワンタッチおりたたみ機能」があります。かがむと足腰に負担が掛かるだけでなく、ふらついて転倒する危険性があります。「ワンタッチおりたたみ機能」があれば、かがまずに背もたれ裏のレバーを握るだけでサッとたためるので、1人で入浴する際に、とても便利ですね。
座面のクッションは、座りごこちがよいだけでなく、ヒヤッとした冷たさも感じにくいですね。腕などをぶつけやすいひじかけの裏側にもクッションがついているので安心です。
従来のクッションはかびが生えやすいのが難点でしたが、今回のリニューアルで防かびタイプになり、ふだんのお手入れは水洗いをして乾燥させるだけで清潔に使えるので、負担が減りますね。
ぶつけやすいひじかけの裏側にもクッションが装着されているので安心です。
クッションは取り外しやすく、お手入れしやすいので清潔に気持ちよく使えます。
入浴介護用品の色というとオレンジや青といった目立つ色が定番でした。これには理由があって、オレンジは救命具などに使われていて一般的に見やすい色といわれており、ブルーは、オレンジが見えづらい色覚タイプの方に見やすい色とされているためです。
もちろん介護用品なので視認性(見やすさ)は大切なのですが、シックな浴室にあう落着いた色を求める声が年々増えてきました。
新色のモカブラウンは、淡色系の背景に対し高コントラストで見やすい一方、高級感のある木目調など最近の浴室デザインにも合う色で、今のインテリアに映えると若い世代の家族にもご好評です。