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Story of Caresa
このキッチンが生まれた背景

simple

Panasonic
Product Designer Naoto Fukasawa

今、深澤直人が描くキッチンと暮らし
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今、深澤直人が描くキッチンと暮らし

日々の暮らしを豊かにする
上質な石のキッチン

太古の昔から石を彫り込んで水を溜めるという知恵が人間にはありました。一方で、石は窯を築くことで火を溜めて加熱することを可能にしました。石は水と火を留める器であった。また、平滑な面を見出しやすいその特性から、作業や調理する台としても活用されるのも自然でした。こうして石は調理のプラットフォームになりました。

現代では、製造や加工そして機能に要請されてステンレスや人工大理石でできたキッチンが主流となりましたが、むしろ石のキッチンは、その成り立ちの自然さに回帰するような感覚を覚えます。石のキッチンはプレシャスです。確かに現代では天然の石で作られたキッチンは高価であり、加工も難しいため、多くの人が手に入れられるものではなくなってしまいました。パナソニックは、石の上質さを多くの人に届けるため、新しいキッチンの開発に乗り出しました。

クォーツストーンは天然の石英を粉砕して樹脂で生成したエンジニアドストーンで、本物の大理石よりも硬く、耐水性に富みさまざまな汚れにも強い。パナソニックは、さらに色柄を微細にコントロールすることで、キッチンのそれぞれの面を合わせた時に、色柄を立体的に連続させることを可能にし、まるで巨大な岩から切り出したような塊を実現させました。素材とそれを扱う技術によって完成された矩形に、使う人を想った機能を充実させることによってパナソニックのキッチンは著しく上質なものに生まれ変わりました。

高級なもの=上質なものとは限りません。天然の素材を巧みに加工することで、ありのままの素材ではなし得なかった強度、耐水性、防汚性をワークトップやキッチンを構成する面材に適用しました。また、電気機器のトップメーカーとして人に寄り添った充実した機能を矩形の中に収めることができました。本当の上質を、手に入れやすい価格で実現させることは日本のお家芸とも言えるでしょう。

安価なまがい物でも、ある程度機能を果たせばそれでいいというような製品が跋扈する市場が広がりつつある現象は、生活の質を上げたいという欲求を低下させ、人を無頓着にしてしまいます。一方で、上質を理解する人たちも確実に増えています。生活空間の質を高めることで日々の暮らしを豊かにしたいと思う人に、このキッチンは応えてくれるはずです。

深澤 直人/プロダクトデザイナー
深澤 直人
プロダクトデザイナー

1956年山梨県生まれ。1980年、多摩美術大学プロダクトデザイン学科卒業。同年セイコーエプソン入社。先行開発のデザインを担当。1989年渡米し、ID Two(現 IDEO サンフランシスコ)入社。シリコンバレーの産業を中心としたデザインの仕事に7年間従事した後、1996年帰国。IDEO東京オフィスを立ち上げ支社長として日本のデザインコンサルタントのベースをつくる。2003年独立し、NAOTO FUKASAWA DESIGNを設立。

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現在は、イタリア、ドイツ、アメリカ、スイス、スペイン、中国、韓国、タイ、台湾、シンガポール、フランス、ポルトガル、スウェーデン、フィンランドなど世界を代表するブランドのデザインや、日本国内の企業のデザインやコンサルティングを多数手がける。電子精密機器から家具・インテリア、建築に至るまで、手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。

近年イサム・ノグチ賞を受賞したことから、卓越した造形美と静寂な力のあるデザインを実現してきたことがあらわとなる。「行為に相即するデザイン」「意識の中心」「ふつう」「輪郭」「典型」など、自らのデザイン哲学をこれらの言葉で表わすとともにデザインの具体を通してその実践を続ける。デザインのみならず、デザインを通して対象の本質にせまる力、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。

日本民藝館館長。多摩美術大学統合デザイン学科教授。21_21 Design Sightディレクター。良品計画デザインアドバイザリーボード。 マルニ木工アートディレクター。日本経済新聞社日経優秀製品・サービス賞審査委員。毎日デザイン賞選考委員。2006年Jasper Morrisonと共に「Super Normal」設立。2010年~14年グッドデザイン賞審査委員長。2012年Braun Prize審査委員。2017年LOEWE クラフトプライズ 審査委員。ロイヤルデザイナー・フォー・インダストリー(英国王室芸術協会)の称号を持つ。

米国IDEA金賞、ドイツ iF design award 金賞、日本グッドデザイン賞金賞、英国D&AD 金賞、ドイツ red dot design award、毎日デザイン賞、織部賞、イサム・ノグチ賞など受賞歴多数。