
事例から学ぶケアマネに好かれるコツ
福祉用具の“品揃え”?それとも“値段”?
皆さんは、ケアマネジャーが何を基準に福祉用具業者を選んでいると思いますか
実は、こんな質問がケアマネさんから寄せられました。
福祉用具事業所
色々な福祉用具事業所の方が訪問されカタログやチラシなどを置いていきますが、皆さんはどんな福祉用具事業所もしくは福祉用具の営業の方に依頼されてますか?
この問いかけには、多くのケアマネからコメントが寄せられました。
その中には、こんな声も。
「物はどこも変わらないなら、結局“人”で選んでるかも。」
つまり、ケアマネが福祉用具専門相談員を選ぶとき、大事にしているのは“人柄”や“関わり方”。
では、どうすれば「またお願いしたい」と思ってもらえるのでしょうか?
――ここからは、選ばれる福祉用具専門相談員になるためのヒントを、一緒に探っていきましょう。
「いざって時、誰にお願いしようかな…」
ケアマネって、実はこういうことを日々の中でけっこう考えているんです。
日頃からたくさんの福祉用具相談員さんと関わる中で、「またお願いしたいな」と思う相手に共通しているのは、派手な営業トークでも、商品の多さでもありません。大切なのは、“安心して任せられる人かどうか”。
仕事の早さや丁寧さはもちろん大事。でも、それ以上に、やり取りの中で「この人なら大丈夫」と思える信頼感が、次の依頼につながっていきます。たとえば、「〇〇さん、最近お変わりないですか?」と一言添えてくれる、そんな小さな心配りが、ケアマネの心に残っていることもあるんです。
「どうしたら選んでもらえるんだろう?」と感じたときは、まずは日々のやり取りを少し見直してみるのも一つのヒント。
特別なスキルがなくても、自然と頼られる“身近で安心できる存在”を目指すこと。大げさなことではなく、丁寧な積み重ねが「次もお願いしたい」に変わっていく近道になります。
「この人には、つい話しちゃうんだよね」
たとえば、ちょっとした雑談の中で「つい何でも話しちゃうんだよね」って笑っているケアマネがいたとしたら――
そんなふうに“つい話しちゃう相手”こそ、ケアマネにとって安心感があり、信頼できる福祉用具相談員さんなんだと思います。
とはいえ、「話しやすい人」って、ただフレンドリーなだけではありません。
あるケアマネが「〇〇さんって、なんか話しやすいのよね」と言っていたことがあります。でもよく聞いてみると、理由はこんなことでした。
こちらの話をさえぎらず、しっかり“聞いてくれる
小さくうなずきながら、共感してくれる
「そうだったんですね」と丁寧に受け止めてくれる
決してたくさん話すわけではないけれど、“話を聴く姿勢”が心地よくて、本音を話しやすい。
そんな福祉用具相談員さんは、ケアマネから見て「また話したくなる」「頼りたい」と思える存在なんです。そんな“話しやすさ”には理由があります。要点を押さえた報告、無理のない距離感、連絡のしやすさ――その積み重ねが、「この人とはやり取りが楽だな」と思ってもらえる信頼につながっていくのです。
ケアマネにとって、本当に印象に残るのは「この人のおかげで助かった…!」という瞬間です。
たとえば、退院直前にベッドと手すりが必要になり、夕方遅くに福祉用具相談員さんへ電話。「今からカタログ持って伺います!」とすぐに対応してくれた。そんな一件は、“その人の顔とセット”で記憶に刻まれ、次に似た状況になったときに、まっさきに「また〇〇さんに相談しよう」と思える決め手になります。
また、介入が難しい利用者宅や、気難しいご家族とのやり取りなど、ケアマネにとって緊張するようなケースでも、福祉用具相談員さんが柔らかく丁寧に接してくれたり、絶妙な距離感でうまく話を進めてくれると、「この人に来てもらって良かったな」と心から思います。
完璧な対応じゃなくてもいいんです。“一緒に悩んでくれる”“精一杯動いてくれた”という姿勢が、信頼へとつながります。難しい場面ほど、ケアマネにとっては「頼れる人かどうか」が浮き彫りになります。そうした場面をきっかけに、「この人となら、またお願いしたい」「安心して一緒にやっていける」――そう思ってもらえるようになるんです。
「自己負担はたったの100円ですから!」
そんなふうに説明してくれる福祉用具相談員さんもいます。でも実は、その“たった100円”という言葉に、ケアマネはちょっとモヤっとしてしまうことがあります。
なぜかというと、介護保険の制度上、その用具が「1000円の商品」であり、保険給付を受けて「9割が税金で支払われている」という事実があるからです。
つまり、相談員さんが「自己負担は100円」と言っても、ケアマネにとっては“本来のサービス価値は1000円”であり、そのうちの一部を本人が負担している――そういう感覚なのです。
加えて、利用者さんやご家族の中には、100円でも「前より高くなった」と感じる方もいます。「たかが100円」とこちらが思ってしまっても、相手にとっては“されど100円”。だからこそ、「どんな商品で、いくらの価値があり、そのうちの〇〇円をご負担いただく形です」と丁寧に伝えることで、納得感を持っていただけることが多いのです。
単価を下げる工夫よりも、「この商品にどんな意味があるのか」「保険制度ではどう支えられているのか」をわかりやすく説明できる相談員さんは、ケアマネから見てとても頼もしい存在です。「お金の話」はセンシティブですが、だからこそ誠実な説明が、信頼につながります。
デモが終わって「この用具でいこう」と決まったあと。
ケアマネはすぐに提供票や計画書の準備に入ります。でも、ここで「単位数が送られてこない…」という事態になると、作業が止まってしまうんです。
電話をして、やっとデータが届く。こういうことが何度も続くと、ケアマネの中だけでなく、事業所内でも「あの人、いつも対応遅いよね」といった声が出てくることもあります。書類対応のスピード感や正確さは、思っている以上に“相談員としての印象”を左右しているんです。
逆に、必要なデータや提供票が「こちらから言わなくても、先に届いていた」なんてことがあれば、「おっ、気が利くな」と感じてもらえるもの。しかも、それが何度か続けば、「あの人に頼むと安心できるよ」と所内で“信頼の貯金”がどんどん貯まっていきます。
福祉用具は“物”を扱う仕事に見えますが、実は“人との信頼”を扱う仕事でもあります。特別なことをしなくても、書類ひとつ丁寧に送ることが、ケアマネとの距離をぐっと縮めてくれるんです。
「すみません、渋滞で少し遅れます…」
担当者会議に福祉用具相談員さんが間に合わない場面、実際によくありますよね。
広い範囲を担当していれば、スケジュールどおりにいかない日があるのは、ケアマネもわかっています。
でもその一方で、利用者さんやご家族にとっては、「なぜ遅れたか」よりも「その時間に誰がいたか」が記憶に残るもの。特に初めての顔合わせなら、印象にもつながりやすい場面です。だからこそ、遅れたこと以上に、“その後どうフォローしてくれたか”がとても大事になります。
たとえば、終わったあとに「今日のご様子どうでしたか?」と連絡をくれる。必要な書類を早めに送ってくれる。そんな一つひとつの行動が、ちゃんと見られていて、「また一緒にお願いしたいな」と思えるきっかけになるんです。
私たちが働く現場では、完璧にいかないことの方が多いかもしれません。でもだからこそ、ちょっとしたミスや行き違いを、お互いに支え合って乗り越えていける関係が、一番の安心材料になります。誠実な対応って、やっぱりチームの中で一番光るんです。
「結局、誰に頼むかって“人柄”なのよね」――
これは、あるベテランケアマネがこぼした一言です。派手な営業や豊富な商品ラインナップよりも、「あの人、話しやすいな」「この前の対応が良かったな」と感じた“日々のやり取りの積み重ね”こそが、次の依頼につながっています。
コミュニケーションのしやすさ、困難ケースへの柔軟な対応力、お金や制度の説明の丁寧さ、そして書類の正確さや早さ…。どれも特別なスキルではないけれど、積み上がると大きな信頼になります。失敗してしまっても、誠実な対応があれば、むしろ「この人となら一緒にやっていける」と思ってもらえることも。
福祉用具の仕事は、“モノを届ける”だけじゃありません。利用者さんの暮らしを支えるケアマネや他の専門職とチームを組んで、“安心”を届ける仕事です。そしてその“安心”は、いつもあなたの行動のひとつひとつから始まっています。
「また〇〇さんにお願いしたい」
そう思ってもらえる一歩を、ぜひ今日から積み重ねていってくださいね。