スタイリスト

石井さんの顔写真

くらしスペシャリスト#002 スタイリスト 石井 佳苗さん

家の写真

Vol.2 「あかり」で、ニュアンスを感じる空間に
SPECIAL MOVIE : 椅子と緑と「あかり」でつくるディスプレイコーナー

「好きだな」と感じたら、何でも自分のお家でやってみよう。

一見無造作なようで実はおしゃれな石井さんのインテリア、そのセンスはどのように磨かれているのでしょうか。スタイリストという職業柄、毎回提案性のあるものが求められるため、インテリア雑誌がアイディアソースに。「特によく見るのは『エルデコ』、それもUK版です。日本にはないハッとするような斬新なスタイルがあるし、2~3年前の号でも古く感じないから不思議」。私たちがインテリアに悩んだときや、ステップアップに挑戦したいときも参考になりそうです。「『好きだな』と感じる写真があれば、カラーなのか、家具なのか、置いてある小物なのか、自分が好きな理由を考えてみて。そして、『いいな』と思ったところを1つでもいいから、お家で真似してやってみてください」と話します。試行錯誤しながら工夫を重ねるうちに、ディスプレイの上手な方法を発見したり、自分の好みについてより深く理解したりと、得られることは見ているだけに比べると飛躍的に増えるそう。日々の暮らしの中で、見るモノや体験するコトにアンテナを張っていくと、実は「『いいな』と感じているモノ・コトは山ほどある」と石井さん。「『好きだな』と思ったモノはできれば手に入れて、家の中でインテリアとしての演出を工夫していけば、やがて集積して1つの空間になっていく。自分で選び、手をかけたものこそ、自分にとっての居心地の良さと満足感を必ずもたらします」と話します。

石井さんのもう1つのアイデアソースは旅にあります。フィンランドやイギリスのロンドン、そして最近ではアメリカのポートランドを訪れました。行くたびに「インテリアのカスタマイズはセンスだなぁ」と感じ入るのだそう。日本とは違って何でも自分で作ってしまう自由さに、いつも驚かされ好奇心が全開になります。ポートランドの旅で出会って心が動いたのが、ミッドセンチュリースタイル の「あかり」。ランプシェードとスタンドを日本に持ち帰って、早速リビングに置くことにしました。

※20世紀の半ば(1940年~60年代)に生まれた、アメリカを中心としたインテリアデザインのスタイル。大量生産・大量消費に対応した産業デザインであり、シンプルで合理的ながら、ややレトロな雰囲気が特徴。

家の中のインテリアの写真 家の中のインテリアの写真

「あかり」をつけていくたび、ニュアンスが違う風景が立ち上がる。

石井さんがアメリカから持ち帰ったのは、軽快でありながら少しレトロな雰囲気のある、ミッドセンチュリーのシェードとスタンド。早速ダイニングペンダントのシェードを取り替え、壁際にスタンドを置きました。すると照明器具を変えただけなのに、空間が醸し出すニュアンスが微妙に変わってきます。石井さんのリビングには他にも、壁のディスプレイを照らす電球やワーキングコーナーのデスクスタンドなど、いろいろな「あかり」があちこちに配置されています。日本ではいまだに1部屋に1つの蛍光灯という1室1灯が多いのですが、欧米では間接照明をいくつもつけて、ほんのりとあたたかな光のなかで暮らす1室多灯が普通。いくつもの間接照明があれば陰影が生まれ、1灯だけの場合よりも空間にぐんと奥行き感が出てきます。「暗くなるたびに1つ1つあかりのスイッチを入れていくと、光がさまざまな影を作り、部屋が次々に違う表情を見せてくれて、それは楽しいものですよ」。「あかり」をつけると昼間とは趣が異なる部屋の風景が立ち上がる、これもインテリアの楽しみの1つです。

家の中のインテリアの写真 家の中のインテリアの写真
家の中のインテリアの写真
家の中のインテリアの写真
家の中のインテリアの写真 家の中のインテリアの写真

洋服を着替えるように、シェードも気軽にチェンジ。

石井さんのテラスハウスには、シェードのストックがたくさんあり、季節や気分によって「あかり」のデザインや光の広がり方を変えて楽しんでいます。「シェードの色や素材、大きさ、形状など、ディテールが変わると、部屋の雰囲気に明らかな影響を与えます。『あかり』が醸し出す繊細なニュアンスをじっくり味わってみて」と石井さん。家の各所に配置した、こだわりの「あかり」の数々を紹介していただきました。

玄関にあるのは、丸いガラス製のシェード。明るさはそれほど必要ではないため、全方向にやわらかな光を広げる半透明の素材を選んで、あたたかい雰囲気を演出。階段と2階の踊り場には、光源が見える、丸く小さな「あかり」を空間のアクセントに。ベッドルームのスタンドは、レースのシェードでやわらかい雰囲気に。逆に電動工具などを置いている2階のワークスペースは、黒のホウロウの大きなシェードをつけて、クールでかっこいい印象としました。どの「あかり」も空間を引き締め、引き立てる大切な要素だということが分かります。「今のインテリアにちょっと飽きてきたと思ったときに、『あかり』はとても簡単に雰囲気を変える方法の1つ。洋服を着替えるように、『あかり』をもっと気軽につけ替えて楽しんでも良いのでは」と話します。

寝室と明かりの写真

お料理を美味しく見せたり、会話を弾ませるのも「あかり」。

インテリアとしての「あかり」を考える上で忘れてはならないのが、光そのものの「明るさ」や「光色」を吟味すること。例えば「明るさ」を考えたとき、「昼の太陽の光と夕方の光では全く違うように、夜に真昼のような明るい蛍光灯の光があるのは不自然」と石井さんは話します。やや暗めの間接照明を複数用いることで、よりリラックスできる雰囲気をつくることができるそう。「『あかり』の光色で、お料理を美味しく見せたり、会話を弾ませたりすることもできるんですよ」と石井さん。ダイニングのペンダントは、肉やトマトをより鮮やかにくっきりと見せる、赤みを帯びた暖かみのある光(電球色)を選んでいます。同じ光のタイプ(電球色)で、取材スタッフが持参したパナソニックのLED電球(クリア電球タイプ)に付け替えてみてもらったところ、暖かなきらめき感のある光が全方向に広がって、シェードの上部まで明るくなり、器具のデザインがより美しく際立ってきました。インテリアの色をより美しく見せたり、暮らしのシーンに応じて光色を変えられたりする「あかり」など、機能性にも注目してあかりを選び、夜は昼とはまた違った落ち着きのある居心地の良いインテリアを目指したいものです。(本文終わり、2014年9月9日取材)

あかりの写真

取材中のダイニングペンダントの光

シェードの下半分だけが明るい状態。

パナソニックのLED電球(クリア電球タイプ)に取り替え後

シェードの上部にも暖かなきらめき感のある光が回り、器具デザインがより際立ちます。

家の中のあかりを調整する石井さんの写真

初心者でも簡単、小さな手作りに挑戦

椅子と緑と「あかり」でつくる
ディスプレイコーナー

ディスプレイされたあかりの写真

「あかり」を使った演出で、階段下の一角を素敵なディスプレイコーナーにすることができます。お気に入りの椅子の上にグリーンを置いて、「あかり」で照らすだけで、グリーンの影が壁や鏡に映り、美しい陰影に。パーティ時の玄関などのお出迎えにもおすすめです。

SPECIAL MOVIE

石井さんの写真

「お部屋カスタマイズ」のスペシャリスト
スタイリスト 石井 佳苗さん

東京都出身。インテリアコーディネーターの資格を取得後、イタリア家具メーカー、カッシーナ・イクスシーに入社。現在はインテリアや暮らしまわりの雑貨の広告や雑誌のスタイリストとして活動。著書に『Love customizer 簡単! インテリアDIYのアイデア』(エクスナレッジ)、『インテリア練習帖』(宝島社)、ウェブマガジン『Love customizer』を主宰。
http://lovecustomizer.com/

Vol.3 もお読みください

Vol.3インテリアの王道、
壁面を使いこなす

Vol.1は読まれましたか?

Vol.1お部屋をカスタマイズして、おしゃれに居心地よく

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