日々を楽しむ小さな工夫 
おもてなしユニット 
てとてとさんvol.2

日々を楽しむ小さな工夫014-vol2 キッチンツールから設備までひとつひとつを丁寧に検討

「お客さまを迎える想定で、
使いやすくて
生活感を抑えた
キッチンにしたかった」

リノベーションのプランニングを進めていた時、豪希さんと桃子さんがキッチンについて出した要望は、「料理教室を開くことができる空間」、「たっぷりしまえるパントリー」のふたつ。当初からホームパーティや料理教室を開くことをイメージしていたため、生活感を抑えつつ、料理がしやすい機能的な空間をリクエストしていました。
ふたりの要望に対して建築家が提案したのは、フルオープンのキッチンカウンターと、壁一面を活用した大胆な収納棚。カウンターは四方からアクセスできるオープンなデザインで、訪れた人たちと調理する豪希さんとの距離感もほどよく近く、会話がはずむ空間となりました。

「パントリーは僕たちの実験室。
ここで
調味料や果実酒の熟成に
挑戦しています」

一見、壁面のように見える扉を開けると現れるのがパントリー。室内の両サイドに棚を設け、たっぷり収納を確保しました。食材のストックはもちろん、豪希さん手作りの梅酒やびわ酒、塩レモン、塩金柑などのびんがずらりと並びます。「この空間は、僕たちの実験室みたいなものかな」と豪希さん。ここではいつも手作りの発酵食品や果実酒の熟成が進んでいます。
「梅干しを作る作業だけでも本当に楽しい。仕事をしているという感覚ではなく、本気で遊んでいたら仕事につながったという感じですね」。

「収納に囲まれているから、
調理しながら
スパイスやツールに
さっと手が届きます」

壁面収納の棚には、お気に入りの器を見せながら収納。いつも使う調味料やスパイスは、手に取りやすいようオープン棚に並べています。「おいしくて、値段のバランスがよくて、パッケージがかわいい」という点でセレクトしたスパイスのボトルがずらりと棚に並び、インテリアの一部になっています。
扉つきの棚には、オリーブオイルなどのストックも収納。豪希さんの定位置というキッチンのセンターから1~2ステップで手が届く位置に収納を集約していて、調理中に無駄な動きをする必要がなくなったそう。コックピットのようなレイアウトで機能性を実現しています。

「調理担当の僕が使いやすい
サイズと機能にこだわりました」

一見シンプルな造作キッチンには、調理を担当する豪希さんのこだわりが集結。キッチンカウンターは、いつも使っているまな板の厚みをプラスしたうえで、使いやすい高さに設定しています。
また、IHクッキングヒーターや大型食洗機は自分たちのお気に入りを指定して設置してもらいました。見た目にもすっきり美しく、使いやすさは抜群。シンク前の床には大判タイルを敷いているので、水はねをしても掃除がスムーズです。「プランはお任せの部分が多かったのですが、キッチンに関してはかなり細かく要望を出しました」と、その仕上がりに大満足。
大型のワークテーブルをキッチンカウンターの延長上に配置したのは、建築家からの提案だったとか。プランニング当初はアトリエとして使えるワークルームを希望していましたが、オープンな空間にワークテーブルを置いたことで、PCを開いたり、ホームパーティで料理を並べたりと多様に活躍するスペースとなりました。

常に出しておくアイテムは
よりデザインを厳選して
使いやすい配置に

  1. 「何品も同時に調理するから、ナイフはすぐに手が届くところに何本か用意しておきたいんですよね」と豪希さん。マグネットでとめることができるナイフホルダーはドイツ製。常時6本をここに収納しています。
  2. 毎日使うもの、常に視界に入るものを購入する時は妥協せず、納得のいく一品が見つかるまでじっくり探す主義。シンク前に置いた水切りかごは、京都の老舗メーカーの製品。職人の手作業による金網の美しさにほれ込んで決めましたが、注文してから届くまで半年待ったほどのお気に入り。

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vol.3 ホームパーティの
演出のコツや「てとてと」流
おもてなし術にフォーカス

Profile

井上豪希 Goki Inoue

井上桃子 Momoko Inoue

てとてとさん 写真

夫婦ユニット「株式会社TETOTETO」代表。おもてなし夫婦ユニットとして、自宅でのホームパーティや料理教室などを開催するほか、食材のブランディングやコンサルティングなど食にまつわるさまざまな活動を展開。現在はリアル店舗での食の提供を計画中。

http://tetoteto.info

@momucofu

@atom5050

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