日々を楽しむ小さな工夫 
おむすび研究家
大倉千枝子さんvol.3

日々を楽しむ小さな工夫008-vol3 季節やシーンに合わせたおむすび作りで楽しみ方はさらに広がる

「盛りつけを変えるだけで
雰囲気ががらりと変わります」

TPOに合わせて器や盛り方を選び、おむすびを演出することも、大倉さんの楽しみのひとつです。
よく使うのは、ざるや漆塗りの器など日本の昔ながらの道具や工芸品類。食べる人の雰囲気に合わせてお弁当箱や包みを選んだり、パーティーの席では自然の葉や枝などを添えたりして、季節感を演出することもあるそう。
「おむすびは、ハレとケで言えばケの食べ物ですが、演出や具材の選び方で素朴にも華やかにもなるんです」。

「季節感や彩りを考えた具材で
味のデザインも楽しみます」

視覚的なおいしさにも工夫を凝らしています。
「具材は中に詰めずに、ごはんに混ぜることが多いです。彩りもきれいですし、味がひと目でわかるのもいいところですね」。
また、具材は“四季をむすぶ”をテーマに、旬の食材を取り入れることを大切にして楽しんでいます。春は山菜、夏はみょうがやとうもろこし、秋は菊花、冬はゆずやごぼう……。そのときならではの食材の彩りと味、香りを合わせたおむすびには、どこか心を躍らせ季節を感じることができ、一緒に食卓を囲む人との会話も弾みます。
「シンプルだからこそ、具材の選び方、組み合わせ方で自分らしさを出すのも楽しさのひとつ。自由に作るのがおすすめです」。

季節や彩り、食感。
アレンジが楽しいいろいろむすび

自然が育む旬の素材で
四季をむすぶ

大倉さんが日常の暮らしのなかで大切にしている四季。おむすびにも旬の食材を積極的に取り入れています。

  1. セロリの香りを一層さわやかに感じる初夏のおむすびには、じゃこ、玄米ごはんを組み合わせて。葉ごと使って際立ったセロリの香りと、じゃこの味わいが魅力です。
  2. お手製の梅酢に漬けたみょうがをごはんに混ぜて。夏らしさを感じるさわやかな味わい。
  3. 春~初夏は特に、山菜も積極的に取り入れています。お気に入りのひとつがコシアブラ。さわやかな風味が生きるように、さっと湯がいて細かく刻み、塩のみでシンプルに味つけしています。

ごま油入りのつけダレで
香ばしさアップ!
焼きおむすび

パリッとした焦げ目と芳ばしい香りは、子どもから大人まで広い世代に大人気。「冷めてもおいしくいただける調理法です」。

▼材料 (好みの分量で)
  • ごはん……好みの分量
  • 合わせダレ……しょう油3:みりん1:ごま油1
    お好みでしょうがのすりおろし少々
▼作り方
  1. ごはんでおむすびを作る。
  2. 合わせダレにおむすびをくぐらせ、全体にしっかりなじませる。
  3. 焼く。フライパンで焼く場合はよく熱して軽く油を引き、中火で焼く。片面に焦げ目がついたら裏返して、焦げ目をつける。さらに2回ほど返しながら焼き、こんがり仕上げる。オーブントースターで焼く場合は、中火 (160〜180度)で約10~12分を目安に。

意外な素材合わせがしっくりなじむ!
洋風おむすび

レモンの果汁と皮を使い、さわやかな風味のレモンライスのおむすびと、鮮やかな赤と酸味が印象的なトマトライスのおむすび。ひと口でいただけるピンポン玉程度のサイズに作ると、食べやすさはもちろん、楽しい演出になります。

①レモンライスのおむすびの作り方

▼材料 (ピンポン玉くらいのサイズで6~7個分)
  • 米……1合 (150g)
  • 水……200cc
  • レモン……果汁は1/2個分、皮は1個分が目安
  • 塩……適量
▼作り方
  1. 分量の米と水でごはんを炊く。
  2. レモンの皮を薄く切り(白い部分は削ぎ落す)、みじん切りにする。レモンの実は絞っておく。
  3. 炊き上がったごはんを飯台(又はボールなど)に移し、粗熱をとりながらほぐす。2を加えて全体になじむようによく混ぜる。
  4. 手に塩をつけてピンポン球くらいのサイズににぎる。

②トマトライスのおむすびの作り方

▼材料 (ピンポン玉くらいのサイズで6~7個分)
  • 米……1合(150g)
  • トマトジュース (無塩)……200cc ※180gのトマトジュース缶を使う場合など、少し足りなければ水で薄めて調整
  • 黒こしょう……適量
  • 塩……適量 
  • 粉チーズ……適宜
▼作り方
  1. 分量の米とトマトジュースでごはんを炊く。
  2. 炊き上がったごはんを飯台(又はボールなど)に移し、粗熱をとりながらほぐす。
  3. 黒こしょうを粗く挽いたものを入れ、全体になじむようによく混ぜる。
  4. 手に塩をつけてピンポン球くらいのサイズににぎる。

写真協力/村山玄子、大倉千枝子

Fin

次回は、
ライフスタイルデザイナーの
内山ミエさんに登場いただきます

Profile

大倉千枝子 Chieko Okura

大倉千枝子さん 写真

おむすび研究家。La via Ltd.代表。食とライフスタイルを豊かにするための企画、商品を展開する「creative market(omusubi garden)」主宰。おむすびを通じて食の楽しみを伝える子ども向けのワークショップを続けた後、2001年に東京・神宮前におむすびと汁、漬物をメインにした食事と自家製の加工品を扱う店「おむすびまるさんかく」をオープン。2020年1月に閉店した後は、店舗は持たず各地に出向いておむすびを供すスタイルで活動し、食の企画、商品企画も行う。著書に『むすんでみませんか?おむすび。- おむすびの話あれこれ -』(ピエ・ブックス2005年刊)。

http://omusubi-garden.com/

maru3kak

Omusubi Garden-おむすびまるさんかく

すむすむはSNSでも
住まいに関する情報をお届け!
ぜひフォローください