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暮らす人がいつまでもときめく、ハッピーな家づくりを

2021.05.01

暮らす人がいつまでもときめく、ハッピーな家づくりを

house stage

「日本中にハッピーな家をアホみたいにつくりたいんですよ」

蝶ネクタイをつけてそう豪快に笑う、住宅デザイナーのタブチキヨシさん。愛知県名古屋市を拠点に、新築・リノベーション・注文住宅を建てる株式会社house stageを経営するほか、インテリアショップの運営、書籍の執筆、Instagramでの発信も行っている。

タブチさんがhouse stageのチームで、間取りの設計、デザイン、施工、インテリアの提案まで、空間づくりを手がけた加藤さんご家族のご自宅を訪ねて、話を訊いた。

間取りから「ウヒヒ」な瞬間を増やす
ライフスタイルを提案

ーータブチさんは家づくりをする際に、どんなことを大切にされていますか?

タブチ: 「日本中にハッピーな家をアホみたいにつくる」ってことを目標に活動をしてるんだけど、家づくりに関しては「いつまでもときめきと暮らす」がテーマです。間取りを考えるときに僕はよく「ウヒヒ部屋」をつくるって言っていて。その空間で暮らす人が日常の中で「ウヒヒ」と笑みがこぼれたり「ルンっ」って気持ちが上がったりする空間をつくりたい。しかも、「お母さん」とか「ママ」としてではなく「女子」としてとときめいてほしいんです。

ーーそれは、家族と暮らしていても「個人」としてテンションが上がる空間ということでしょうか?

タブチ: そうそう。たとえば「専業主婦」で「お母さん」であっても、家事や子育てだけじゃなく、自分のためにネイルを塗ったり、手芸に没頭したり、自分だけの時間がほしいでしょ? 働いていたって同じ。昔は“サラリーマンは家で帰って寝るだけ”だったかもしれないけど、Netflixで映画見たり本を読んだりもする。家族団欒みんなで同じテレビを観る時代でもないし。暮らす人が自分だけの好きな時間を過ごせる「ウヒヒ」な瞬間を増やしたいんですよ。

そこで重要になるのが間取り。その人がどんなふうに暮らしたいか。どんなときに「ウヒヒ」と感じるのか。何が好きで何が嫌いなのか。どうしたら家族が幸せになれるのか。しっかりヒアリングした上で、間取りから提案していきます。間取りをつくることはライフスタイルの提案ですから。

家族の中で「女子」がハッピーだったら、旦那さんもお子さんもハッピーになるはず。その逆もしかり。個人がハッピーな空間が増えれば、日本中にハッピーな家が増える。そう思って家づくりをしています。

期待値を超える完成を目指して、
ヒアリングで好みと本音を引き出す

ーーどんな流れで施主さんとやりとりを重ねていくのでしょうか?

タブチ: 一番重視しているのは最初のヒアリング。理想のライフスタイルから、青春時代をどんなふうに過ごしたか、好きなファッションや音楽まで、一見無意味なことも聞きます。会って話したりLINEでやりとりもして。できれば現状の生活を知るためにクローゼットや洗面台も見たいくらい。実際の暮らしぶりがわかると間取りをどう変えたら理想の暮らしができるかのヒントになるので。

あとは、家族関係についても本音を引き出したい。親子や夫婦がべったり同じ空間で過ごすんじゃなくて、ある程度距離があったほうが家族がハッピーというケースも多いからね(笑)。年月を経るごとに家族のかたちや暮らし方も変わっていくし。家族それぞれの意向を聞いた上で将来も見据えて、最適な間取りを考えます。ヒアリングでは素直に本音を語っていただいたほうが、理想の暮らしに近づけますよ。

ーー物件も見に行かれますか?

タブチ: 不動産はやってないのでずっと一緒に回らないけど、ご購入前の相談で、良い物件があったと連絡をもらったら駆けつけます。そのときに見るのは、光と風の入り方とその土地が家族に合っているかどうか。そこがクリアで施主さんが買いたいと思っているなら、あとは背中を押す役目ですよね。

ーーヒアリングをして物件が決まれば、具体的な提案をしていく。そこから施工までは大体どれくらいかかるものですか?

タブチ: 施主さんにもよりますが、今回の加藤さんのお宅は時間の割合で言えばヒアリング8割、提案2割といった感じ。僕もヒアリングを通して好みと本音がちゃんと掴めていたし、加藤さんもこちらから提案をしたときに妄想を働かせてちゃんと図面に立ってくれたから、基本的にOKが出るのが早かった。

ちなみに僕は完成した空間を見たときに「キャー」と興奮してもらいたいから、あえて色味のついたパースは出さないんです。期待値が高まりすぎないように。加藤さんも完成したときに一番喜んでくれた。その姿を見るのが楽しい。癖です(笑)。

家族が一緒にそれぞれ「ひとり時間」を
過ごせる空間

ーー加藤さんのお宅のリビングは、この大きなテーブルと暖かい照明の光、インテリアが印象的ですね。

タブチ: 可愛いでしょう?がんばってスタイリングしました。このテーブル、照明、ドライフラワー、花器、観葉植物、ラグは全部、タブチがコーディネートしたんです。インテリア家具のセレクトショップもやっているので、「これ好き?どう?」って、探してきた家具を提案させてもらってる。

ーーいいですね。この空間のこだわりはどこにありますか?

タブチ: やっぱりこの長い机。ダイニングテーブルを起点に全体の空間のデザインが始まりました。というのも、この女子(奥さん)が「ひとりの自分時間がほしい」と言っていて。子どもたちを遊ばせながら、趣味のミシンを動かしたり書き物をしたり、このテーブルで自分の時間を持てたらハッピーじゃねえ?と閃いちゃったんです。

ーー広いテーブルで自分の好きなことをしながらも、仕切りはあるけれど地続きにある部屋で子どもたちが遊んでいる姿が見られるのもいいですね。

タブチ: まさに。ひとりで好きなことをして過ごせる空間はほしいけど、完全に家族をシャットダウンしちゃうのも寂しいから。空間が分かれているけど分かれていない、曖昧な境界線の中で家族がそれぞれくつろげる。旦那さんにもちゃんと、隣の部屋にいい椅子を置いて読書をしながらゆっくりコーヒーを飲める空間をつくっています。

可愛い空間をかっこよく引き締める
ブラックオークのドア

ーードアと色を揃えた入り口と小窓が空間をゆるやかに仕切っているようにも感じます。ドアはどのように決まったんですか?

タブチ: まさにまさに。ドアは僕らからクラフトレーベルを提案して、色味はどれが好き?かたちはどれが好き?って加藤さんに好みを聞いていった感じです。最初は「ブルーグレーオーク」を選んだんですが、壁紙など他の要素も踏まえて空間全体が可愛すぎちゃうなと、最終的にかっこよさを加えて「ブラックオーク」に決まった。部屋の入り口の枠も特注でクラフトレーベルのシートで貼っていて、ドアと合わせてブラックオークが全体の空間を引き締めてくれてます。

ーー家づくりをする際にドアはどんな存在として捉えていますか?

タブチ: 隠し味のスパイスって感じかなあ。メインはその人の暮らしであって、ドアが目立ちすぎちゃうのは違うよね。スタンダードなもので、暮らしの中であまり意識しないくらいのほうがいいと思っています。逆に暮らしが存在しない店舗のデザインでは、ドアに主張を入れることもありますけど。

その点、クラフトレベーベルは暮らしのドアの「ニュースタンダード」だと僕は言っているんです。

ーーそれはどういうことですか?

タブチ: クラフトレーベルは、ドアの真ん中の枠、框の位置が低い。色味が「ブラック」ではなく「ブラックオーク」で木目柄がついている。ドアノブが真鍮。これらの要素が組み合わさることによって、見た目が海外の映画の中に出てくるドアっぽいんだよね。日本の建売のメーカーをはじめ、これまでの日本のスタンダードは、框の位置は真ん中で、「モスグリーン」とか色味で勝負をしていたし、真鍮のドアノブもなかったから。

海外から輸入した建材と違って、アフターメンテナンスがあるパナソニックの商品でクラフトレーベルのデザインが実現できたのは画期的ですよ。さらに「塗れるドア」は面白い。「みんなと同じ」ではなく「自分のハッピー」を追求する個の時代に、DIYで自分らしさを表現できるわけだから。これからはクラフトレーベルのように、色よりもかたち重視の選べるドアがスタンダードになっていくと思いますよ。

やわらかく可愛らしい雰囲気をグッと引き締め、ゆるやかな境界線を描くブラックオークのドア。可愛さとかっこよさ、一見アンバランスなものがバランスよく共存して、家族の空間の中にそれぞれの個性が光る。タブチさん率いるhouse stageは、個人の幸せと家族の幸せをイコールでつなげて、暮らしの中に「ウヒヒ」な瞬間を増やしていく。

テキスト:徳 瑠里香

写真:阿部 駿

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