エイジフリー・ライフ コラム

介護付有料老人ホームの
料金体系や制度について

介護付有料老人ホームの料金体系には一括や一部を前払い金として支払う「長期入居プラン」と、
入居時の負担を減らし、すべての費用を月額利用料として支払う「月払いプラン」の2つがあります。
入居したものの退去したい場合は、クーリングオフ制度や返還金制度が利用できます。

前払い金を支払う?支払わない?
「長期入居プラン」と
「月払い入居プラン」の
メリット・デメリット

介護付有料老人ホームの支払いプランは、前払い金を支払う「長期入居プラン」と、前払い金を支払わない「月払いプラン」に分かれます。前払い金とは、入居者の推定入居期間分の家賃、介護費などを、入居時に一括で支払う費用です。前払い金に含まれる内容は施設ごとに異なります。

施設によってさまざまな支払いプランがあり、前払い金を全額ではなく、一部前払いにするプランもあります。全額前払いに比べて一部を前払いする場合は、入居時の負担は軽くなるものの、残りの家賃等は月額利用料に含めるかたちで、毎月支払うため、月々の負担はやや増えます。

こうした前払い金を支払う「長期入居プラン」のメリットは、家賃の一部または全部を先に支払っているため、月額利用料の負担がグッと減ること。推定入居期間が過ぎても、追加の家賃は発生しないため、長寿を見越した場合の安心感が大きくなります。

逆にデメリットは、入居時に前払い金を用意するための資金調達が必要になる場合があることです。

一方、「月払いプラン」は前払い金を支払わず、すべての費用を月額利用料として支払う方式です。メリットは入居時の大きな負担がないことです。
反対に月額利用料の負担が大きくなることと、高額な月額利用料がずっと続くため、想定入居期間を超えると長期プランより割高になるという2つのデメリットがあります。想定外に長期間の入居となった場合、支払いを続けるのが難しくなり、施設からの退去を余儀なくされるケースもあります。

支払いプランによる負担感の比較
支払いプランによる負担感の比較
長期入居プランと月払いプランの合計支払額の推移例

もしも、合わなかった時は…
クーリングオフと返還金制度

前払い金を支払い入居したものの退去したい…となった場合、退去の決断は90日以内にしましょう。90日以内に解約を申し入れると、クーリングオフ制度が適用され、前払い金の全額が返還(居住した期間の利用料は除く)されます。クーリングオフは入居者の逝去時も適用されます。

また、90日を過ぎて退去する場合も、前払い金の一部が返還される期間があります。前払い金は契約時に20~40%が初期償却され、残金を償却期間(通常は推定入居期間)に合わせてひと月ごとに消化(償却)していきます。この償却期間中に退去や逝去した場合、未償却分の金額が返還されます。償却期間が過ぎた後の返還金はありません。

初期償却の割合や償却期間、前払い金が償却される仕組み、返還金の計算式は施設によって異なるため、契約書や重要事項説明書などでしっかり確かめることが大切です。さまざまな事態を想定して費用のシミュレーションを行いましょう。

前払い金の初期償却と返還金の例

※記事の内容は2023年3月末時点のものです