エイジフリー・ライフ コラム

介護付有料老人ホームの費用とは

介護付有料老人ホームへの入居で必要な費用は主に「前払い金」「月額利用料」「介護費」の3つがあります。
そのうち入居後にかかる費用は「月額利用料」「介護費」とそれらに含まれない「その他の費用」になります。

介護付有料老人ホームの費用に含まれるものは?

介護付有料老人ホームへの入居で、必要となる費用は大きく分けて3つ。
入居時に支払う「前払い金」と、毎月支払う「月額利用料」、そして「介護費(介護保険自己負担額)」です。
月額利用料に含まれる項目や範囲は施設によって異なるため、施設選びの比較ポイントに。生活に必要だけれど、介護費にも月額利用料にも含まれないものは「その他の費用」として月々支払うことになるので、詳細を確認することも大切です。

前払い金

前払い金とは、入居時の入居者の年齢などを基準に計算した、推定入居期間分の家賃等を先払いする費用です。施設によっては「入居一時金」ともいわれ、前払い金を払うことで月額利用料の負担を軽くすることができます。

「前払い金」の内訳には、家賃や共有部分の利用料金のほか、介護保険対象外の介護費用などが含まれることもあります。

月額利用料

毎月の支払いでメインとなるのは「月額利用料」です。その内訳は家賃や管理費のほか、食費、上乗せ介護費などがあり、各項目の具体的な内容は下記の通りです。

家賃
居室や共有スペースの賃料。「介護居室等の利用権」「居住費」と示されることもあります。「前払い金」に全額含まれている場合は必要ありません。「前払い金」で一部支払いの場合は、残金を月額利用料として支払っていきます。
管理費
水道光熱費、設備費、事務費、人件費などが含まれます。職員の数が多いなど、サポートが手厚い場合は、その分が費用に反映されています。
食費
1日3食の食事やおやつ代。糖質・塩分制限の療養食や、一口大、ソフト食などの個別対応をしている施設もあります。
上乗せ介護費
介護に関わる施設の人員配置が介護保険の給付基準より手厚い場合や、介護保険対象外の介護サービスによる追加分の介護費用。全額自己負担になるため、施設の環境により差があります。

介護費

「介護費(介護保険自己負担額)」は介護保険が適用される介護サービスの費用のことで、食事介助、入浴介助、排せつ介助などがあります。利用者負担は1割(高所得者は2~3割)です。

その他の費用

日用品費(歯ブラシなど個人で使う消耗品や嗜好品)、有料サービス費(理美容やレクリエーション費など)、医療費などの費用もかかります。これらのうちの一部は月額利用料にあらかじめ含まれている場合もありますので、施設ごとに含まれているサービスと含まれていないサービスを忘れずチェックしましょう。

介護付有料老人ホームの入居で必要となる費用
介護付有料老人ホームの入居で必要となる費用

「上乗せ介護サービス」と「横出しサービス」

介護付有料老人ホームで提供される「介護サービスの分類」について、費用の観点から紹介します。

介護保険が適用される介護サービス
食事介助、入浴介助、おむつ交換、掃除、生活相談、看取りなど、基本の介護サービスは介護保険が適用されます。ただし、施設によっては提供していないサービスもあるため、事前に確認しましょう。
利用者の費用負担は1割(高所得者は2~3割)。要介護度別に1か月に利用できる介護保険の上限額(区分支給限度基準額)が決められていて、施設で行われたサービスがこの上限額を超えた分は全額自己負担になります。
上乗せ介護サービス
介護保険で定める介護サービスの項目に対して、その範囲内だけでなく、よりきめ細かな介護サービスを提供するために、多くの施設で介護の質や量をグレードアップしています。例えば、人員配置を介護保険制度の基準より手厚くすると、その分は介護保険の対象外となり、追加費用がかかる「上乗せ介護サービス」(全額自己負担)になります。
また、市町村が介護保険の利用限度額以上のサービスを補填する公的な「上乗せ介護サービス」もありますが、財源が厳しいため、ほとんど行われていないのが現状です。
横出しサービス
介護保険外のサービスにはもう一つ、「横出しサービス」と呼ばれるものもあります。通院の同行や買い物代行、配食、送迎バスなど、利用可能な幅広いサービスから自由に選べるのが特徴です。この横出しサービスは、市区町村が提供しているものと、施設が独自で用意しているものがあります。

※記事の内容は2023年3月末時点のものです