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2005年12月更新

あなたに代わって専門家にお聞きします!「住まいづくりの疑問を解消」

住まいづくりの疑問を解消


悩みのつきない『収納』もっと有効活用する方法は?

「住まいに関する疑問を募集」で多数寄せられた『収納』の疑問点をテーマ別に集計した結果、「収納プランニングと広さの関係」、「ウォークインクローゼット」、「収納スペースの空気環境」、「デッドスペースの有効活用」、「造りつけ壁面収納」のほぼ5つに大別することができました。
回答者の年齢は30歳代・40歳代で6割強を占め、男・女比では男性の関心の高さが伺えます。それを反映してか、季節物の大型収納物や趣味の道具の収納方法に関する疑問も多く、衣食住遊の多様化から若い世代でも住まいにモノが溢れている実態が浮き彫りに。
一方で、住まいの設計と同様に、プランニング段階で収納場所や適した広さを確保したいという動きも増えています。
「見せる収納」(インテリア性+小スペース)から、「使いたいときにモノが出しやすく、活用しやすい」(快適性+大スペース)へと収納に対する意識の変化とスペースの大型化を読み取ることができます。機能的な収納スペースづくりのポイントについて、アル・プランニング 代表取締役 麻野敏夫氏に伺いました。

※機能的な収納スペースづくりのポイント以外にも多く寄せられた「収納に関する悩み」は「住まいづくりの疑問解消」(2004.8)で取り上げています。合わせてご覧ください。

アル・プランニング 代表取締役 麻野敏夫氏 一級建築士

「住まいに関する疑問を募集!収納編」集計データ発表

◎募集概要

募集期間/2005年5月26日〜8月19日(85日間)
募集告知方法/すむすむ、すむすむメールマガジン

◎回答者プロファイル

■年齢構成比

■男女構成比

◎主な疑問の割合

「住まいに関する疑問を募集! 収納編」に疑問をお寄せいただきました皆様、ご協力をありがとうございました。今後も、すむすむ読者の皆様にテーマごとの疑問を募集していく予定です。ご協力をよろしくお願いします。

(すむすむくん&すむすむ編集部)

お寄せ頂いた疑問にお答えします。

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収納スペースはプランニング時からしっかり確保

Q

収納スペースに適切な広さはありますか?

A

収納をする物によって収納スペースは変わります。家族の生活スタイルや趣味によっても各個人で持ち物が変わりますから、収納も適材適所で考えましょう。その場所に収納する物を考え、奥行き、幅、高さを考慮して機能的な収納ができれば、住空間を広くとることができます。

収納する物を把握し、プランニング段階から収納スペースを確保しておくと、住空間が広くとれます。

●必要な収納スペースは15%が理想

現実の収納スペースは、マンションで6〜8%、戸建てで8〜10%ぐらいとられています。特に戸建ての場合、収納スペースが1ヵ所にあるわけではないので、実際には、これでは収納スペースが足りないというのが現状で、15%くらいあると理想的です。

● プランニング時から収納スペースを確保する

収納スペースは、プランニング段階からきちんと確保することが大切です。家庭にある物を把握し、どれだけの収納スペースが必要なのかを検討する必要があります。基本は、各個人の物は各部屋に収納し、納戸のような共有スペースにはその他の物を収納するという収納スペースの使い分けが必要だと思います。ただ、家族の生活スタイルの変化により生活必需品も変化し、持ち物の傾向が変わっていきます。現在のスタイルに合わせながらも、将来的に棚を付けられるよう壁に補強下地などを入れ、多少のリフォームができる設計をしておくと便利です。

● 使用頻度によって配置する

自分の物は自分の部屋に収納することを基本に、取り出しやすさ、機能性を考えて収納法を考えます。
スペースはあるのに使いづらいと思うのは、収納の仕方に問題があります。入れる物により、奥行き、幅、高さは違います。物の上に物を重ねるのではなく、棚の有効活用を考えましょう。例えば、棚やハンガーパイプを活用する場合、使用頻度の低い物を高い位置の棚に、使用頻度の高い物は目線から手の高さくらいまでの取りやすい位置に、重い物は下に配置することで使い勝手は数段良くなります。市販のケースなどを活用して自分なりの簡易収納を作るのもよいでしょう。

■使用頻度による収納位置

使用頻度によって、収納する物の置く位置を変えると、使い勝手が良くなります。


本などの重い物の収納にも便利な引き出し式の収納。

● 簡単に収納場所を増やす

後から収納場所を増やすということは、生活動線への配慮が必要になります。また、床下や屋根裏の収納スペース増設工事時に、断熱材を切断しなければならないなどの問題もあります。断熱材を切断し、きちんと処理できていないと、断熱効果に不具合が起こる可能性がありますので、リフォームの際には注意が必要です。
簡単にできるリフォームでは、使う物の大きさに合わせて棚を作る、フックやハンガーパイプを活用するなどが考えられます。あるいは、リビングなどはスペースを確保して収納用の家具を置き、見せる収納にしてもよいでしょう。
現状にプラスしたスペースが必要な場合は、床上げ簡易収納も有効な方法です。現在より床を30cm上げる事で、収納スペースが確保できます。重さのある本なども30cmあれば立てたまま収納できるため、取り出す時も便利です。また、構造上、床下収納を造ることが難しい場合は、収納ユニットを利用すれば、その下を床下収納のように使うことが可能です。


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ウォークインクローゼットを賢く使いこなす

Q

ウォークインクローゼットとクローゼットの使い分けのポイントは?

A

ウォークインクローゼットは、クローゼットと比べ、スペースがあるため、大きな物も収納することができます。クローゼットは毎日使う衣類などに限定されるのに対し、ウォークインクローゼットはさらに活用範囲が広がります。クローゼットに比べ、スペースが広いため、衣類以外にも日常的には使用しない趣向品の釣り道具・ゴルフセットや客用布団など、大きな物を収納できます。

日常使用しない物を収納するのに便利なウォークインクローゼット。

日常よく使う物を収納するのに便利なクローゼット。

【ワンポイント!その1】

ウォークインクローゼットとクローゼットの違いって知っていますか?
クローゼットは扉を開ければすべてが見えるので、日常的に使用頻度の高い衣類などの収納にはとても便利。ウォークインクローゼットは広いので中に入らなければ収納した物を取り出せないという違いがあるのです。

● ウォークインクローゼット内のスペースも有効活用

通路がデッドスペースになるという考え方があるようですが、これも必要なスペースです。通路で、デッドスペースになっていると感じる場所があるとしたら、その部分に工夫をすることです。例えば、入り口付近には使用頻度の高い物を置き、奥には使用頻度の低い物を置きます。そして、キャスター付きのハンガーや簡易家具などを奥に追加し、必要があれば簡単に移動して奥の物を出すことができるようにすれば、収納力がアップします。

■ウォークインクローゼットのプラン例(俯瞰図)

ウォークインクローゼットは、移動が出来る収納ワゴンなどを使えば、スペースを有効活用できます。


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収納スペースの空気環境を整えて防カビ対策

Q

収納スペースも空気環境は大切ですか?

A

空気の流れがないと部屋全体が湿気をおびやすくなりますから、カビの発生を抑制するためにも空気環境は大切です。

●ウォークインクローゼット内は除湿を心がける

ウォークインクローゼット内は通気性が悪いため、除湿を心がけることが必要です。除湿器などを利用し、一定の湿度を保つことは、防カビ効果を高めます。また、空気清浄機や脱臭装置を活用することもお勧めです。衣類などの脱臭はもちろん、花粉の季節にも役立ちます。

● 納戸は照明、窓の位置を重要視

納戸は通気性が必要ですから、窓があるほうが良いでしょう。空気を流すこと、外から湿気のある空気を入れないことを考え、西日が当たる西側の窓、日当りの悪い北側の窓はカビが発生する原因になりかねないので、避けた方が良いでしょう。また、納戸の照明は少し明るめの物を使用すると便利です。


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今使用していない空間を収納スペースに活用できるのか?

Q

屋根裏や床下などは簡単に収納スペースに活用できますか?

A

「屋根裏や床下を収納スペースに活用したい」という意見は多いようです。普段、部屋として使っていない部分に収納を造れば部屋がスッキリすると考える方は多いようです。しかし、屋根裏や床下を、スとして活用し収納スペーたい場合は建物の構造や、前述の断熱材の問題など、充分に配慮しなくてはなりません。プランニングの段階から検討し、動線、構造、断熱などの面からも対応可能な設計をしておく必要があります。


●屋根裏と床下を収納スペースに

少しでも多くの物を収納するためには、屋根裏や床下などを有効活用したい物ですが、屋根裏は、屋根の勾配により、スペースを取れない場合もあります。屋根裏をリフォームして収納スペースにする場合は、はしごで登る屋根裏部屋的なスペースではなく、一部を吹き抜け風のオープンスペースにすると空気環境、機能性の両面で有効な収納スペースになります。床下収納は、一部分なら簡単にできますが、スペースによっては補強が必要になるため、コスト面を考えると小スペースの床上げ簡易収納がお勧めです。

【ワンポイント!その2】

容積率に含まれない収納スペース確保法があるのです。
●屋根裏の場合、天井の高さが最も高いところで1.4m以下、床面積は、その直下の階の2分の1未満であること。

●地階(地下)の場合、その天井面が地盤面からの高さ1m以下で、延べ床面積の3分の1まで、住宅としての用途であれば容積率に含まれないので、その部分を活用して収納スペースを確保することができます。
コスト面を比較すると、地下工事は、通常の建築工事費の約1.5〜2倍の費用がかかるそうです。


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 造り付けの収納のメリット・デメリット

部屋全体をコーディネートすることができる造り付け収納。

Q

造り付け収納のメリット、デメリットは?

A

造り付け収納にすることで、部屋全体のトータルコーディネートができ、自分の使い勝手を考えた収納を造ることが可能ですが、一方で、用途をきちんと検討しておかないと、後になって荷物が入りきらないという事態になることもあります。

● リフォーム時に造り付け収納を考える

造り付け収納のメリットは、収納する物が分かっているため部屋をトータルコーディネートでき、「見せる収納」と「隠す収納」に分けられることです。奥行き、幅、高さなどを自分の持ち物に合わせて設定できるため、収納スペースを自分の生活スタイルに合わせることができます。しかし、用途を明確にしないまま造り付け収納を造ってしまうと、いざ使用する時に荷物の整理がつかず、収納が機能的に活用できなくなってしまうという、デメリットもあります。

●主な記載事項

リフォームで造り付け収納を造る際には、その部屋をどんなイメージにしたいのか、何を収納するかを明確にすることから始めましょう。衣料は、従来の押入れではなく、奥行き60cm程度のクローゼットが便利です。奥行きがあっても、奥に入れた物がそのままになっていることが多いため、その分は部屋のスペースとして活用すると良いでしょう。リビングなどの収納は、照明、コンセントの位置などにも配慮します。DVDやCD、ビデオテープなど、オーディオ関係の収納不足に困っている家庭も多いようですから、リフォームの際にはリビング収納も検討すると良いでしょう。

オーディオ機器や配線などがスッキリ収納できる造り付け収納もあります。


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