言葉をつむぐようにインテリアを楽しむ専門家

岩里 祐穂さんの顔写真

くらしスペシャリスト#022作詞家岩里 祐穂さん

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Vol.1 50歳からの家づくりは、
ストーリーを紡ぎ出すことから

年齢を重ね、家族との時間を積み重ねるごとに、住まいも変えていくことで、自分たちらしい暮らしを楽しんでいる人がいます。今回ご登場いただくのは、今井美樹さんの『PIECE OF MY WISH』、ももいろクローバーZ『サラバ、愛しき悲しみたちよ』など数々のヒット曲を手掛ける人気作詞家、岩里祐穂さん。50代になって建てたご自宅は、新築でありながら“昭和初期に建てられた画家のアトリエ兼住居をリノベーションしたお家”というテーマを掲げたもの。ヴィンテージの佇まいと、生活に便利な機能性を兼ね備えたご自宅を訪ね、家族が憩う住まいづくりのヒントをお聞かせいただきました。

同じ間取りが、インテリア次第でこんなに素敵に!インテリアとの出会い

岩里さんのご自宅があるのは、閑静な住宅街の一画。どこかクラシカルな空間に、こだわって選び抜いた建材やインテリアだけが存在する素敵なお住まいに、フリーランスで活躍するご主人、息子さんと3人で暮らしています。「この家を建てるとき、まず夫婦で“昭和初期に建てられた画家のアトリエ兼住居をリノベーションしたお家”というストーリーをつくったんです。新築なんですけどね」と岩里さん。なんとも作詞家らしいユニークなアプローチに興味をそそられますが、そもそもインテリアが好きになったきっかけは、どのようなものだったのでしょうか。「上京して1DKの狭いアパートに住んでいたとき、同じ階の若いご家族と仲良くなって、お家に遊びに行ったんです。そうしたら、うちと同じ間取りとは思えないほど素敵で、インテリア次第でこんなに暮らしが変わるんだ!と感動しちゃって」。以来、インテリアに目覚めたという岩里さん。結婚当初はご主人とインテリアの好みが合わず、議論を戦わせたこともあったそうですが、「ショップ巡りに付き合ってもらったり、インテリアの魅力を日々語ったりして、少しずつ洗脳に成功しました(笑)」と振り返ります。結婚後、新築マンションを経て、リノベーションした中古の戸建てに17年ほど住んだ後、同じ街に現在の住まいを新築。「この間に息子も成人しましたし、私も50代になりました。いろいろな経験を積み重ね、好きなものや欲しい機能が明確になったタイミングでの家づくりは楽しかったですね」。

廊下とレトロな照明の写真
白い収納扉の写真
寝室の写真
白に統一された広い洗面の写真
寝室の写真
小さな植物達の写真

随所に古材を使用し、ヴィンテージの薫り漂う中、モダンデザインやその時々にピンときたスタイルを取り込んだミックススタイルが印象的。テイストを統一しなくても、自分が好きなものを丁寧に選ぶことで、自ずとひとつの世界観ができあがります。

目指すストーリーを設定することからはじめた住まいづくり

岩里邸の新築計画は、街の歴史を知ることからはじまりました。「主人が街の歴史の本を買ってきて、古くからあるこの街には、どんな家が似合うのだろう?と想像してみたんです」。そして生まれたのが前述の“昭和初期に建てられた画家のアトリエ兼住居をリノベーションしたお家”というストーリー。ただ古くて味わいがあるだけではなく、少しずつ住みやすく手を加えていったことで機能性とモダンさも兼ね備えている、というイメージです。「新しいものをクリエイションするとき、最初にストーリーをつくっておけば、家族や建築家がイメージを共有しやすいというメリットがあります」。実はこの手法は楽曲づくりの際にもよく使っているそうで、新しいものをつくるときに有効な方法だといいます。さらにイメージを膨らませるため、アメリカのエースホテルや富岡製糸場を訪れたり、インテリア雑誌を読みこんだりしたという岩里さん。また、以前の家を気に入っていたという息子さんの思いを受け、その面影を受け継いだ部分もありました。「ゼロから作るのは大変ですが、ストーリーをベースに積み上げていけば、ぶれることなく納得のいく作品がつくれることは、音楽づくりを通して学んだことです」。

作品集をめくる岩里さんの写真

人気の「エースホテル」を手掛けた建築家の作品集をめくる岩里さん。「このエッジの効いた感じが大好き。またインテリアを変えたくなっちゃったわ」と楽しそうに話します。

雑誌で気に入ったページのスクラップの写真

インテリア雑誌で気に入ったページは切り抜いてスクラップにしておくと、より自分が好きなものが明確になり、建築家にイメージを伝えるときにも便利です。

岩里邸に見る、建具やモチーフのこだわり

吹き抜けの天井とむき出し感のある梁の写真

吹き抜けの天井とむき出し感のある梁は、以前の家のイメージを再現したもの。富岡製糸場もモチーフに。

庭のたたきの写真
リビングからも見える多くの花や緑の写真

住宅を改装したレストラン上小沢邸からインスピレーションを受けたという庭のたたき。シンプルでモダンな石材が緑に美しく映えています。庭のお手入れはご主人の担当。リビングからも見える多くの花や緑が暮らしに瑞々しさをプラス。

ご主人の仕事部屋の黒い扉と、菱形の窓が付いた白いトイレの扉の写真

各部屋の扉のデザインが異なるのも岩里邸の特徴のひとつ。それぞれに趣向が凝らされています。
左/ご主人の仕事部屋の扉(正面)と寝室の扉(右)も1枚ずつ、色とドアノブを変えました。
右/2階トイレの扉には、洗練された白をセレクト。味わいある古材の床に映え、菱形の窓がアクセントに。

黒フレームのガラス扉の部屋の写真

家族それぞれの仕事部屋は2階に。黒フレームが印象的なガラス扉の向こう側が岩里さんの仕事部屋。

●協力:佐々木正明建築都市研究所(設計)、ファクトリー・ツール(内装・建具)、小川建設株式会社(施工)

岩里 祐穂さんの写真

言葉をつむぐようにインテリアを楽しむ専門家
作詞家 岩里 祐穂さん

作詞家。シンガーソングライターを経て、1983年作詞家デビュー。1989年、今井美樹『瞳がほほえむから』はランクイン50週のロングセールス、『PIECE OF MY WISH』はミリオンセラーとなる。近年の代表作として、ももいろクローバーZ『サラバ、愛しき悲しみたちよ』、Sexy Zone『Cha-Cha-Chaチャンピオン』、中川翔子『ドリドリ』など。そのほか『創聖のアクエリオン』『海賊戦隊ゴーカイジャー』。35周年記念アルバム『Ms.リリシスト』を昨年リリース。9/9(土)には森雪之丞を迎え、第4回トークライブを開催する。ライフスタイルについての著書『いいかげんに片づけて美しく暮らす』(集英社文庫)などエッセイストとしても活躍中。


オフィシャルサイト http://www.yuhoiwasato.com/

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