つくる・食べるのシチュエーションをデザインする専門家

小沢 朋子さんの顔写真

くらしスペシャリスト#021フードデザイナー小沢 朋子さん

Vol.4 シンプルだから素材が活きる!
インテリアとフードデザインの関係

vol.1〜3で、フードデザイン的なホームパーティの進め方やおすすめレシピについて教えてくださったモコメシ 小沢さん。ここから先は、道具や食器、キッチンへの思いについて伺います。インテリアデザイナー出身である小沢さんが考えるキッチンとは。

インテリアデザインもフードデザインも、素材を活かしたものが好き

数年前までインテリアデザイナーとして活躍されていた小沢さんに、インテリアデザインとフードデザインの違いについて尋ねると、「インテリアの設計をやっていた頃は、私が図面というお手紙を書いて、大工さんや塗装やさんに施工をしてもらうという流れでしたが、料理の場合は、自分で料理ができるので、デザインの隅々まで自分の手を動かすことができる。というのが一番の違いですね」。食べてくださる方と直接関わることができ、食べる瞬間の表情を見たり、その場の空気を共有することに大きな喜びを感じるのだそうで「月並みな表現だけど、目の前で『美味しい!』って言ってもらえることが、こんなにもうれしいというのは驚きでした。料理人のインタビューなどでよく見かけるこの表現って本当なんだなって(笑)」。また、「扱うものが食材になってから、鮮やかな色づかいに抵抗がなくなった自分自身にも驚きました」という意外なひと言も。なんでも設計事務所にいた頃は『小沢は色使いが地味だ』と言われていて、先輩方の鮮やかな色使いを見てすごいなと思いながらも、自身のデザインでは白やグレー、木目などの組み合わせからなかなか離れられなかったそう。「料理の仕事をするようになってから『モコメシは料理の色がきれいだ』というお声をたくさんいただくようになって、何でだろうな?って考えていたら、自然のままの野菜の色なら、黄色でも紫でも、鮮やかな色が躊躇なく使えるんだということが分かりました」。インテリアから食材へと扱うものが変わっても『素材そのものの持ち味を活かす』のが小沢さんのスタイルといえるのかも知れません。

小沢さんの写真

シンプルなもの選びで、使いみちの可能性は広がる

すっきりとした印象のモコメシアトリエですが、100人規模のケータリング準備を担う場所ですから、極端にものが少ないということもない、というのが現実的なところ。小沢さんのもの選びについては「最初から用途が決まりすぎていないものが好きですね。使い手に工夫の余地を与えてくれるようなものがいい」。すると、もの選びは自ずとシンプルになるようで、インドで見つけたという一般的な家庭用の鍋とフタを取り出し、「鍋として使うのはもちろんですが、取っ手がないのでボウルとして使ったり、フタをトレイとして使うこともできるお気に入りです」。○○用と決められたアイテムだと、そのための機能が盛り込まれているため、他の用途に使うことができないのは多々あるもの。「シンプルな構造だと『こんな風にも使えるな』と想像力が働いて使用範囲が一気に広がるんですよね」と小沢さんは言います。

インド製アルミの鍋とフタの写真

小沢さんお気に入りのインド製アルミの鍋とフタ。インドでは、どこの家庭にもあるような一般的なものだそう。「ドリンクとちょっとした焼き菓子をのせても画になります」。

小沢さんが「気に入りすぎて、輸入販売まで始めてしまった」という『VISION GLASS』も、シンプルなデザインによって自由に使えるアイテム。「何度目かのインド旅行の際に、地元特産のアプリコットジュースを出すカフェで出逢いました。グラスの底がとっても薄くてグラス自体の主張が少ないので、並々と入ったアプリコットジュースが運ばれてきた時は、赤い液体の塊が現れたようでとても美しかった」。一目惚れしたというこのグラスの魅力を尋ねると「まずは形ですね。後になって耐熱性だと分かるんですが、出逢った時は知りませんでしたから。もう笑っちゃうくらいシンプルですよね(笑)。ある意味、ガラス素材そのものという佇まいで、『グラスです』とか『花器です』みたいに『これは○○用』と決めつけないから何にでも使えるんです」。

◎ シンプルデザインが生み出す、たくさんの使いみち

スイーツに生けられた花の写真 スイーツに生けられた花の写真 スイーツに生けられた花の写真 スイーツに生けられた花の写真 スイーツに生けられた花の写真

グラスの中に入れたものが底面のぎりぎりまでいきわたる底の薄さも、シンプルをつくる大きな特長。一般的なグラスと比較すると一目瞭然です。「インドの理化学機器メーカーがつくっている」と聞いて納得。グラスビーカーやシャーレのようにシンプルな構造で永く愛されています。

小沢 朋子さんの写真

つくる・食べるのシチュエーションをデザインする専門家
フードデザイナー小沢 朋子さん

フードデザイナー。モコメシ主宰。「食べるシチュエーションをデザインする」をコンセプトに、フードやディスプレイにとどまらず、食べる人の行為、食べる時間と経過、そして終わり方を考える。
レセプションやイベントへのケータリングの他、雑誌へのレシピ提供、執筆、メニュー開発、広告のスタイリングなど幅広く活躍中。 2013年春からは自身がインドで見つけたVISION GLASSの展示販売も開始。


モコメシHP http://www.mocomeshi.org

VISION GLASS HP http://visionglass.jp

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