つくる・食べるのシチュエーションをデザインする専門家

小沢 朋子さんの顔写真

くらしスペシャリスト#021フードデザイナー小沢 朋子さん

Next

Vol.1 つくる・食べるをデザインして、
毎日の食事をもっと楽しく

今回ご登場いただくのは、フードデザイナーとしてレセプションやイベントのケータリング、メニュ—開発などを手掛けるモコメシ 小沢朋子さんです。うれしい驚きが満載の小沢さんの料理を通して、“食べる”をデザインする考え方を学びます。

フードデザインの第一歩は、食べる人の思いを知ること。

今回インタビューを行ったのは、2012年にオープンした「モコメシアトリエ」。モコメシ 小沢さんが、日々レシピや料理を生み出す場所です。ケータリングのお仕事についてについて尋ねると「場所の大きさや参加人数、立食なのか着席なのか?など、さまざまな条件に合わせて『こういうシチュエーションだったら、こういう食べ方で、こういうデザインで、フードの内容はこういうのがいいんじゃないですか?』という提案をするのですが、そこで大切なのがお客様の話をしっかりと聞くこと」と小沢さん。「以前、ウエディングで青いゼリーをつくってほしいというオーダーがあった際、モコメシではあまり着色料などを使わないので少し躊躇しました。もし青という色が好きなのであれば、テーブルクロスやお花などのテーブルコーディネイトで青を表現することもできます。が、よくよく話を聞いていくと、新郎が小学生の頃の思い出に繋がっていて、望んでおられるのは『思い出の青いゼリー』だということが分かりました。そうすると青色のものなら何でもいいわけではなくて、ゼリーであるということに意味と価値が見つけられます」。その後、そのゼリーはどういう味だったのか? どういう思いで食べていたのか?などの話を伺い、ウエディングパーティで『思い出の青いゼリー』を再現。新郎にもご家族にも喜んでいただけたそうです。「本質を捉えることの大切さを実感したお仕事でしたね」と小沢さんは振り返ります。

小沢さんの写真

「“話を聞く”のは“相手のニーズを引き出したいから”なのですが、少し大袈裟に言うと“相手を想う”ような気持ちがあるんです。オーダーをいただく以上、やはり喜んでいただきたいですから」。家族の体調を気遣ったり、気温や季節の行事を考慮に入れたり・・・お母さんが家族のために日々思うことを拡大解釈していくと、仲間とのホームパーティ、さらには小沢さんがケータリングをするような大きなパーティなどに繋がっていくのかも知れません。

モコメシ 小沢さんによるケータリングフードを拝見!

Sample1/Wedding S

壁に掛けた造作のパネルお食事と植物の写真
壁に掛けた造作のパネルお食事と植物の写真
パーティーの写真
壁からフードを引き抜いている写真

photo by ogatayohei

建築家の新郎新婦のための、絵画のようなフード。「会場があまり広くないので、壁とか使えないですか?」というオーダーに驚きつつ、最終的には壁に掛けた造作のパネルお食事と植物を挿しました。壁からフードを引き抜くというアトラクションを楽しんでいただくと同時に、テーブルを置かなくていいことで会場が広く使えるというメリットも。

Sample2/ニコライ・バーグマン氏 × (一社)奄美群島観光物産協会レセプション

スイーツに生けられた花の写真 スイーツに生けられた花の写真

バニラエア(航空会社)奄美大島就航記念時に開催した、フラワーアーティストのニコライ・バーグマン氏と(一社)奄美群島観光物産協会のコラボレーション企画レセプション。奄美の砂浜に見たてたパン粉やきび糖のキャンバスをつくり、ピンチョスやスィーツを並べ、さらにニコライさんに花を活けてもらうという演出を小沢さんが提案。

Sample3/みんなのスーパーマーケット展 オープニングレセプション 2013

スーパーマーケット展の写真
スーパーマーケット展の写真
スーパーマーケット展の写真

スーパーマーケットマニアの森井ユカさんが47都道府県のスーパーマーケットを巡り、彼女の感性で選んできたものを展示するイベントのレセプション。 展示に合わせて、お惣菜売り場に並んでいるようなフードを用意し、ラベルやバーコードもオリジナルでデザイン。時間の経過とともに10円引きシールや半額シールを貼付ける演出も。「こういった演出で、森井さんが感じるスーパーマーケットの日常にある魅力を、ゲストの方々と共有できたらいいなと思って」。

小沢 朋子さんの写真

イベント時を振り返りながら「難しい案件が持ち込まれると、一瞬怯みますが、お客様と一緒にクリアしていくのは楽しいですね。フードの可能性が広がって行くのがうれしい」と小沢さん。

料理をデザインする感覚で、日常の食事をもっと楽しく。

フードデザイン、つまり料理をデザインするような感覚を日常生活に落とし込むと、どんなことができるだろう?と尋ねると「料理に関して日々面倒だと思いがちなことが、楽しさに変わればいいなと考えています」と小沢さん。例えば、つくりすぎたおかずを明日のひと品にリメイクする時、節約のイメージの強さからか『あー、昨日の残り物だわ』とネガティブに感じる方が多いようですが、「実際にリメイクをしてみると、既に入っている調味料や食材、残りの量、期限など実は制約が多いことが分かるように、リメイクは立派な工夫ですから、感覚を掴むとパズルのピースがはまるような気持ちよさがあります」。この他、料理本に載っている材料が揃わない時、他の食材に置き換えるというのもフードデザイン的。「グラタンやミートソース、コロッケなどの定番料理にこそ思い込みが潜んでいますから、どんどんアレンジに挑戦していただきたいですね」。

小沢 朋子さんの写真
小沢さんの著書、モコメシおもてなしのふだんごはんの写真
小沢さんの著書、モコメシおもてなしのふだんごはんの写真

スイッチ、アレンジ、ニューベーシックという展開を提案した小沢さんの著書。 「料理本出しておいて変ないい方ですけど、料理本がなくても自由に料理が出来るようになると楽しくて、こういう本がその足がかりになればいいなって思っています」と小沢さん。
小沢さんの著書『モコメシおもてなしのふだんごはん 人気ケータリング店の変幻自在レシピ(主婦と生活社)』は、写真も美しくて見応えも充分。

小沢 朋子さんの写真

つくる・食べるのシチュエーションをデザインする専門家
フードデザイナー小沢 朋子さん

フードデザイナー。モコメシ主宰。「食べるシチュエーションをデザインする」をコンセプトに、フードやディスプレイにとどまらず、食べる人の行為、食べる時間と経過、そして終わり方を考える。
レセプションやイベントへのケータリングの他、雑誌へのレシピ提供、執筆、メニュー開発、広告のスタイリングなど幅広く活躍中。 2013年春からは自身がインドで見つけたVISION GLASSの展示販売も開始。


モコメシHP http://www.mocomeshi.org

VISION GLASS HP http://visionglass.jp

「すむすむ くらしスペシャリスト」は、専門家の皆様のライフスタイルや暮らしのアイデアなどを紹介するコンテンツです。ご自身の暮らしに取り入れられる際は、必要に応じ専門家に確認するなど、自らの責任において行っていただけるよう、お願いいたします。また、ご紹介している写真の設備機器等は、パナソニック製以外のものが含まれます。お問い合わせいただきましても、お答えできない場合がありますことを、予めご了承ください。

Next

くらしスペシャリスト #021 小沢 朋子さんご感想をfacebookでお聞かせください

あこがれの「住まい」を考えるヒントや、日々の暮らしを少しの工夫でより快適にする情報などをお届けしています