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キッチンは人が集まる新しいコミュニケーション空間へ

2011年2月16日更新

独立型キッチンから一体型キッチンへ
キッチンは「調理」をするためだけの場ではなくなりつつあります。ダイニングやリビングと一体化したキッチンは、家族同士のコミュニケーションが行なわれる住まいの中心地。キッチンのレイアウトパターンや周辺設備なども選択肢が増えています。ライフスタイルに合わせた理想的なキッチンを選び、使いやすいキッチン空間にリフォームしましょう。

1「調理」の場から「コミュニケーション」の場へ

キッチンは「食事をつくるための空間」だけではなくなりつつあります。時代の変化とともにライフスタイルも多様化し、食事をつくる回数や意味が変化してきたため、単に料理をするための空間から、人が集まり、コミュニケーションをするための場として重視されるようになってきています。

住まいの中心へ進出したキッチン

「食事をつくる」ことが「作業」だった昭和初期頃、多くのキッチンは住まいの中心から離れた閉じられた空間でした。しかし、昭和50年代頃から普及し始めたシステムキッチンやダイニングキッチンの影響から「見せるキッチン」へと変わっていきます。
最近では、1世帯当たりの人数が減少したため、間取りを大きくとる傾向があり、キッチンも、ダイニングやリビングと一体型のスタイルが主流になります。その中で、食事をつくるのは母親だけの役割ではなくなったり、休日に家族や友人と料理をしたり団らんを楽しむなど、ライフスタイルが多様化したため、コミュニケーションをとりながら家事ができる開放感のあるキッチンへのニーズが高まっています。
キッチンは住まいの中心へと位置を変え、楽しく人が集まるコミュニケーションの場に変わりつつあります。

■一般世帯の世帯人員別世帯数

1世帯当たりの平均人員は、昭和55年の3.22人に対し、平成17年は2.55人に減少。
出典:総務省統計局(国勢調査)

キッチン空間のボーダレス化を支える設備

キッチンの変化には、ライフスタイルの多様化だけでなく、IHクッキングヒーター、フードレンジ、シンクなど、キッチン周りの設備が高性能になったことも大きく関係しています。
IHクッキングヒーターは、火を使わず、煙も少ないため、人が集まる場所でも安心・安全。レンジフードも、お手入れがしやすくなっているので、いつも清潔に保つことができます。そして、シンク内の水音も少なくなりました。調理中の「臭い」「煙」「音」などが減少したことで、キッチンとダイニング、リビングとの一体化がますます進んでいます。

2キッチンのタイプと配置

キッチンには、I型、L型、アイランド型など、さまざまなタイプがあり、それぞれ違った特徴があります。また、配置の仕方にも、オープン、セミオープン、クローズドとあり、キッチンタイプとうまく組み合わせてレイアウトすることで、住まいに合った理想のキッチンを実現できます。

さまざまなキッチンタイプの特徴

●I型

最も基本的なタイプです。
コンパクトに収めやすく比較的安価です。調理中、横の移動が多くなるので、自分の使いやすい幅を知っておくことがポイントです。

コンパクトなI型

●U型

調理スペースとシンクが平行に並んだタイプです。
I型より動線が短く横の移動が減るため、作業効率が上がります。振り返る動作が増えるため、安全面に配慮して、加熱器などの場所を考えておきましょう。

作業効率が上がるU型

●L型

調理スペースとシンクが90度になったタイプです。
動線が短くなるため、調理中の動きが少なくなります。デッドスペースになりやすいコーナー部分を有効活用できれば、さらに使いやすくなります。

ムダな動きが減り、動きやすいL型

●アイランド型

調理スペースとシンクがわかれ、さらに、シンクが壁から離れて「島」のように独立しているタイプです。スペースが広いため動きやすく、数人での調理に最適です。シンクやコンロが常に見えているので、毎日の片付けや、収納設備が大切になります。

広々とした開放感が特徴のアイランド型

「オープン」から「クローズド」まで、配置ごとの特徴

●オープンキッチン

ダイニングとの間に何も遮るものがないキッチンです。壁付式、対面式のどちらの場合でも開放感があり、ダイニングと一体化した空間づくりを楽しむことができます。
常にキッチンが見えるため、毎日の片付けや収納に気を配る必要があります。

リビングやダイニングとの一体感を演出できるオープンキッチン

●セミオープンキッチン

ダイニングとの間を、吊戸棚や壁などで部分的に遮ったキッチンです。
オープンキッチンほどの開放感はありませんが、部分的にダイニングとつながりつつ、見せたくない部分を隠すことができます。

見せたいところは見せ、隠したいところは隠せるセミオープンキッチン

●クローズドキッチン

ダイニングとの間が完全に遮られたキッチンです。
周囲が囲まれているため、調理の音や臭いがダイニングに影響せず、また、キッチンを隠すことができます。ダイニングとの一体感は減り、調理しながら会話をするなどのコミュニケーションはとりにくくなります。

壁に囲まれ独立しているクローズドキッチン

3最適なスペースと収納方法

キッチンでは、「調理する」「洗う」などの平面的な作業と、足元や高い位置のものを取るなどの上下方向の作業があります。
また、食品だけでなく、調味料・食器・調理器具など、たくさんのものが必要になるキッチンでは、上手な収納も大切。無理なく、効率的に調理するためには、スペースや収納を考え、快適なキッチンを実現しましょう。

理想的なスペースと高さ

1.調理スペース

一般的なまな板の大きさが約400oなので、ゆったり作業するために約600〜900oは確保したいところです。

2.水切りスペース

約300〜400oが目安。水切りかごや食器乾燥機などを置くことができれば、作業効率が上がります。

3.配膳・家電スペース

さらに余裕があれば、配膳・家電などのスペースもほしいところ。約450oあれば、炊飯器を置くことができます。 どの部分も、広すぎず、狭すぎない最適なスペースを考えましょう。

また、使いやすいキッチンの高さは、「身長(cm)÷2+5〜10(cm)」といわれています。もちろん個人差があるので、この数字を目安にして、ショウルームなどで実際に確かめることをおすすめします。

■理想的な調理スペース例

キッチン周りの収納方法とワークトライアングル

キッチン内での効率のよい動き方の目安として「ワークトライアングル」があります。冷蔵庫・コンロ・シンクの3点を結んだ三角形のことで、この三角形が正三角形に近く、三辺の合計が320〜600p程度だと動きやすいとされています。

キッチン周りの収納を効率よくすれば、毎日の片づけが便利になり、いつでもキレイで快適なキッチン空間になります。

1. コンロ下収納

コンロでの調理の際、すぐに取り出せるように、お鍋やお玉といった調理道具や調味料を収納しておくと便利です。

2. 調理スペース下収納

箸やフォークなどの食器類や食事のときに使う調味料などをまとめておくと、食卓の準備もかんたんです。

3. シンク下収納

ボウルやざるなど、水を扱う下ごしらえに使う調理道具の収納に最適です。

4. フロアストッカー

缶詰などのストック用食材や、土鍋のように決まった季節にだけ使う道具など、普段はあまり使わないものの収納に向いています。

■ワークトライアングル

4キッチン周りの便利な設備

キッチン周辺設備は今や多種多様。効率を考えたり、安全に配慮したり、健康に気をつけたり、さまざまな目的で周辺設備を選ぶことができます。家族形態やライフスタイルに合わせた設備を選んで、より快適なキッチンにしましょう。

キッチン周りの便利な設備

●加熱機器(IHクッキングヒーター/ガスコンロ)

IH(Induction Heating)クッキングヒーターとは、電磁気を利用して鍋やフライパン自体に渦電流をつくり発熱する加熱機器のことです。熱効率がよく、火を使わないため安全。お掃除のしやすさも人気の理由です。
ガスコンロも高性能化しています。調理油の過熱や、コンロの消し忘れなどを防ぐセンサーを搭載した、安全面に配慮したタイプが登場。従来のものに比べて、お手入れもしやすくなりました。

●シンク

下ごしらえや後片付けなどを行なうため、水アカや油で汚れたり、すき間にゴミがつまってしまうシンク。「スキマレスシンク」なら、カウンターとシンクの継ぎ目に隙間がないため汚れがたまりません。カウンターにも汚れが付きにくい素材を採用しているため、毎日のお掃除がラクになり、キレイなシンクを保つことができます。

●水栓金具

一つの水栓から水とお湯が出る「混合水栓」に加え、「直流」「シャワー」「泡沫」など、吐水方法も選択できます。浄水器やアルカリイオン整水器を内蔵したタイプなど、使いやすさだけでなく、毎日の健康に配慮したタイプもあります。

●食器洗い乾燥機

毎日の食器洗いはもちろん、パーティーの後などに重宝する食器洗い乾燥機。ビルトインタイプならスッキリ収納できます。

●レンジフード

こびりついた油汚れなど、お手入れが大変なレンジフード。ファンなどの各パーツが取り外せるタイプなら、お掃除もかんたん。さらに、表面がフッ素コーティングや有機親水コーティングされた製品なら、さっと汚れを拭き取ることができます。