住まいの設備と建材 > リフォーム > かしこく、設備選び > あかりを上手に取り入れる演出照明で快適な住空間に

ここから本文です。

あかりを上手に取り入れる演出照明で快適な住空間に

2007年12月更新

新しい家のあかりを、入居直前に選んで済ましてはいませんか。それだけではせっかくの空間が生かされません。設計段階で、壁の中やコンセントなどを含めた計画的な配線設備や、空間に広がり感を持たせるように壁面を照らすのかなど、早期に照明(あかり)プランを立てることで、より自由度の高い演出照明が可能になり、部屋の雰囲気を引き立てます。また、リフォームなどで配線を変えられない場合でも、使用するライトの機能やデザイン、スタンド型のライトを配置するといった方法で、今までと違う空間を演出することが可能です。演出照明をテーマに、快適な住空間のあかりづくりをご紹介します。

「演出照明」とは?
演出照明は、ただ明るいだけの空間ではなく、暮らしに合わせた快適な照明を演出するものです。
部屋全体を照らす主照明とスポット的に一部を照らす部分照明に分類した場合、部分照明のことで、その他、調光可能なシーリングなどの主照明も演出照明に含まれます。

1暮らしを彩るあかりと住まいづくり

照明(あかり)は、空間を照らす本来の機能に加え、最近では同じ空間の雰囲気を変えて演出するあかり、省エネに配慮したあかり、メンテナンスが簡単なあかり、防犯対策のためのあかりなど、本来の機能に付加価値のついたあかりが多く販売されています。そして、それらを自分の暮らしに上手に取り入れることで快適なあかり環境を手に入れることができます。

用途ごとに使い分けたいさまざまなあかり

照らすあかり、空間演出のほか、省エネ、清潔、便利、時に最も大切なことは、そのあかりの下で何をするのか、空間をどのような雰囲気にしたいかをしっかりと決めることです。場所とそこで何をするのかといった行為に応じた適切なあかり選びが、快適な生活につながります。
また、使用するランプの種類によって毎月の電気代は大幅に変わってきます。省エネ性を高めたいけれど、部屋の雰囲気も大切にしたいという場合、長時間使用する部屋のあかりを消費電力の少ないものにして効率をよくするほか、リモコンで調光可能な蛍光灯を使う、トイレは無駄な消し忘れを防ぐため、使用する時だけ点灯するタイプ。安全面から夜間一晩中点灯しておきたい廊下、快適、防災、防犯など、あかりに求めるものはさまざまです。
また、その部屋で何をするかによって、明るさの種類も変わってきます。あかりを選ぶなどには、人を感知して自動点灯・消灯するタイプを設置するといった工夫で、消費電力を抑えることが可能になります。 また、複数のあかりの光をコントロールできる調光器なら空間を演出しながら、省エネにも役立ちます。

空間の快適さを左右するあかり。間取りやインテリアを選ぶように空間づくりで重要なポイントに。

複数のあかりの光りを調節し、明るさを記憶できる便利なライトコントロール。

「調光機能」「建築化照明」「LED」とは?

空間や暮らしを引き立てるあかりの中でも注目を集めているのが、あかりをその時に必要な照度にコントロールできる調光機能、建築段階から空間演出のためにつくられた建築化照明、人、空間、環境にやさしい癒しのあかりLEDなどです。

●調光機能付きの照明器具

省エネ効果があるのはもちろん、過ごし方のシーンや好みにあわせて明るさを調整できるので、1つのあかりで何通りもの空間を演出することが可能です。

明るさを調整できる調光機能付きの照明器具。

●建築化照明でのあかりプラン計画

住まいづくりのプランニング段階から配置やイメージが決められ、部屋のデザインに溶け込んだデザイン性に人気が集まっています。しかし、リフォームなどで建築化照明を希望する場合、予算も高くなることがあります。そんな時には建築化照明風のライトを設置することでイメージに近づけることが可能です。

建築化照明のような雰囲気をつくれる、後付けタイプのあかり。

●省エネ・エコ・長寿命のランプ

消費電力を減らしながら、明るさをアップするLED。ランプのコンパクトなフォルムを生かしたスタイリッシュなデザインの照明器具が増えています。
白熱灯に比べて熱線量、紫外線量が大幅に少なく、照射面に触れてもやけどの恐れがないといった安心感も人気の理由です。

コンパクトなデザインで人気のLEDのあかり。

2照明(あかり)プランのコツ

あかりを取り付ける場合には、配線の問題があります。後になってから配線工事を追加して予算オーバーになる、予算はあるけれど工事が不可能なので自分が使いたいあかりが選べないといったトラブルは少なくないようです。少しでもイメージに近づけるためには、プランニング段階でどういったイメージの空間を想定し、どのようなあかり環境にしたいのかをしっかりと決めることが大切です。

空間イメージと一緒に あかりのイメージも決めておきたい

予算、配線などを考慮に入れ、最初のプランニング段階であかりのイメージを決めることで、イメージ通りのあかり環境が実現しやすくなります。 はじめに、空間のイメージを考え、照明もイメージを決めます。例えば、明るい雰囲気を出したい、間接照明を活かしたいという場合には、壁紙や床など、白っぽいものを使用することであかりを引き立たせてくれますが、ダーク系の部屋で明るいイメージにするのは難しい注文です。つまり、全体の空間を演出するためには、すべてをトータルに考えないとバランスがとれないこともあるのです。
イメージを言葉で伝えることは難しく、抽象的なものであれば感じ方は人それぞれ、「きちんと伝えたのにイメージと違う」といった行き違いなどを避けるためには、自分がイメージする空間に近いものを設計担当者に見せるのが一番です。
例えば、カタログや雑誌などの写真の切り抜きを見せる、どこのショウルームの○○という展示コーナーがイメージに近いなどと伝えるというように、視覚で見せて、何をどうしたいかと説明することで共有イメージを持てるようにしましょう。

■内装材の色の違いで変わる明るさ感

■あかりプラン計画の流れ

居住空間の演出にピッタリな「一室複数灯」の考え

あかりを使って室内の演出をする場合、空間に広がりをもたせることが大切です。そこでおススメなのが、一室複数灯です。1つの部屋に1つのあかりではなく、全体を照らすシーリングライトに加えて小型ライトを複数組みあわせる一室複数灯なら、必要な時に必要な場所を点灯することで、複数の空間を演出できる上、1つのあかりよりも部屋に広がりを出すことができます。
小型サイズのダウンライトなら、照明器具の存在感を抑え、光だけが得られます。視野にあかりが入り、華やかさが強調されるブラケット、スポットライト、手元を明るくするペンダント。コンセントさえあれば配線の心配もなくどこにでも置ける卓上スタンド、フットライト、フロアスタンドといった用途に合わせたあかりの組み合わせで、同じ空間でも、団らんのあかり、夜のあかり、くつろぎのあかりを使い分けることができます。
また、すべてのあかりをつけるのではなく、その場の状況に合わせて数個のあかりをつけること、あかりによって電球の色を変えるといった演出方法もあります。

一室複数灯なら、照らしたい部分の使い分けや広がり感を出すなど、空間をさまざまに彩る。

■あかりの種類(スタイル)と特徴

壁面の広さと使い方がポイントに

ランプの色や備え付ける位置により、空間イメージは大きく変わります。暗いイメージにしたいからと間接照明を考える人が多いようですが、間接照明だから暗いということはなく、あかりを設置する位置や、あかりを当てる場所も関係してきます。
同じ照度でも壁からの距離やあかりを当てる角度、ライトカバーなどの周辺素材、周囲のインテリアの配置や色などによって明るく感じたり、暗く感じたりするものなのです。さらに、壁を上手に利用してあかりを反射させることで空間に広がりや温かみが増すため、壁の使い方は重要なポイントとなります。
リフォームでは、配線の問題などがある場合、卓上スタンド、フットライト、フロアスタンドといったコンセントを使うタイプのあかりでも対応できます。この時にも、壁を上手に活用すれば、手軽に空間を演出できます。

■壁面からの距離の違い

(ランプはすべて60形ミニクリプトン電球1灯、器具間の距離は1200mm)

取り付け位置が壁面に近くなるほど壁面が強調され、空間が明るく感る(下段はバッフルなし)。

スッキリさが空間づくりで人気のダウンライト

シーリングライトなどの存在を主張しないスッキリとしたデザインと明るさ感をアップすることもできるなど、おしゃれな空間づくりの必須アイテムとなったダウンライト。配線時に配慮したいのが部屋の広さとライトの数です。8畳の広さの場合なら1室6灯を基本的に考え、スイッチの回路分けをすることがポイントです。
常に居るスペースや手元を照らすものと、空間を演出するものを使い分けられるよう、少なくても2回路のスイッチをつくり、つける、消すという切り替えをできるようにすれば、空間演出面でも、省エネ面でも有効です。

複数のあかりは均等配置ではなく、壁面、中央などと変化を加えて演出効果も可能に。

天井になじみやすい、パールシルバー系のダウンライト。

3光をコントロールして演出する

光は、周囲の環境により、広がりを持たせることも明暗の感じ方を変えることも可能です。光を上手にコントロールすれば、同じ照度、同じ光熱費でも全く違った空間をつくり出すことができます。
快適な生活空間を演出しながらも、より経済的なエネルギー消費には、光のコントロールがポイントです。

コントロールのポイントと手法

光をコントロールするには、照明器具選びがポイントになります。一室複数灯で空間演出を考える際、天井のスッキリ感を求めてダウンライトを希望する人が多いのですが、すべてダウンライトにしなくても、シャープなデザインでスッキリとしたシーリングライトも販売されています。スタイリッシュさを加えたシーリングライトで、間接照明のような光を演出するデザインのものもあるので、そういった照明器具にダウンライトやスタンドといったプラスアルファをつけることでも光をコントロールできます。
また、調光が可能なあかりを使用すれば同じ空間でも、読書をする時は手元を明るく、映画を見る時には全体的に暗めにといった機能的な光コントロールが可能です。さらに、シーリングライトの外枠にダウンライトがセットされた多機能な照明器具もあります。このような商品を活用すれば、配線やスペースの都合で複数の照明が取り付けられず1室1灯になる場合でも1室複数灯のあかりをつくり出すことも可能です。リモコン操作が可能な照明器具も多いので、手元で好みのあかりを操作できます。
特に高齢者のいる家庭の場合、夜トイレに起きた時のあかりコントロールも大切です。廊下などはまぶしさを抑え、眠気が覚めないほんのりとしたあかりを点灯させることで、足元や手元は暗くないので安心です。
あかりは、常に同じ状態でつけたままではなく、時間や用途を考えてコントロールするだけで、空間演出が可能になるのです。

丸型に比べてスッキリした感じで、存在を感じさせない角型。

●リビングのあかり

■普段のあかり

普段のあかりは、部屋全体にたっぷりの明るさを届けるツインPa。リビングにおすすめの明るくて省エネのあかりです。

■LED3灯

全面のスポットライト2灯で臨場感を高めながら、画面を見やすい環境をつくります。残りの1灯は、暗さを保ったまま手元周辺を照らしてリモコン操作をしやすい明るさを確保します。

■LED2灯

テレビの背面の壁を、全面のスポットライト2灯で照らし、画面と壁の明るさの差を小さくすることで、画面が見やすい環境をつくります。

建築雑誌などで見かけたような演出に 近づけるために考慮したい点

同じ光の量でも、その光を反射する内装材の色の濃淡で明るさの感じ方が変わってきます。雑誌で見かけ、「こんな空間にしたい」とイメージしても、全く同じというわけにはいきません。なぜなら、あかりは、その場の光などの環境によって空間の明るさ感や広さ感も変わるからです。
例えば、雑誌やテレビで見かけた空間と同じ壁紙やインテリアを使用したとしても、窓の位置や大きさ、光の差し込む角度までは同じようにできません。それらの環境を考慮した上で、イメージに近づけるにはどうしたらいいのか、専門家と相談することが必要です。

■あかりで変わる空間のイメージ

演出用ダウンライトのポイント

空間を明るく感じさせるテクニックとして、部屋の全体照明にシーリングライトまたはダウンライトを使い、部屋の中心に設定します。そこにプラスして、部屋のコーナーや、目線がいく壁面にダウンライトやブラケットを使用すると光の広がりが演出でき効果的です。吹き抜けや傾斜天井をアッパーライトで照らす場合でも、壁への反射を考慮するとよいでしょう。光の演出は、光の反射や広がり具合によって全くイメージがかわります。実際にショウルームに足を運び、光のイメージを体感してみることも大切です。

■ダウンライトの種類と効果[ランプの違い]

(器具取り付け位置は、壁面から600mm)

■ダウンライトの種類と効果[反射板の違い]

(器具取り付け位置は、壁面から600mm)

4同じ空間をシーンごとに使い分ける演出照明

家族が一番多く使用する部屋がリビングです。昼のリビング、夜のリビングと、時間やメンバー、目的などに合わせて使用する照明(あかり)を変えることで、同じリビングでもいくつもの違ったイメージの空間をつくり出すことが可能です。

シーンごとにあかりで使い分けるリビング空間

多くの時間を過ごすリビングに、昼と夜やシーンごとの空間をつくれるのがあかりの演出です。昼は、基本的に部屋全体を明るくする光を、夜は複数のあかりで落ち着いた雰囲気を楽しみます。
例えば家族で食事をとる場合、ペンダント式のあかりをつけるなどして、手元を照らし、食卓を明るく演出することで料理も引き立ちます。また、昼間は平面の壁に、夜は絵や花などの飾りに向けてブラケットなどでスポット的にあかりをあてれば、その場が浮き立つような演出も可能。吹き抜けなどがあればあかりをアクセントにして昼の開放感とは違った吹き抜けを強調できます。

■全点灯

壁面への間接光で、明るさ感や奥行き感をつくり出し、全体としてほどよい陰影のある空間を演出しています。

■食事のあかり

ダイニングテーブルのペンダントを主役に、食卓に明るさを集中。リビング角のあかりだけを点けて、LDに広がりを演出しています。

■くつろぎのあかり

全体的に明るさを抑え、部屋のコーナーや壁面と低い位置のあかりをメインに。ほどよい明暗で落ち着きのある雰囲気を演出しています。

■だんらんのあかり

リビング側のあかりを中心に点灯させ、ダイニング側は壁面へのスポットの光のみ残します。リビングに楽しい雰囲気を演出しています。

内容監修:インテリア照明事業部 ライティングコーディネーター 墨 貞宏