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住宅用火災警報器の選び方

2006年7月更新

平成18年6月から新築住宅に「住宅用火災警報器」の設置が義務付けられました。建物火災死者の9割が住宅火災が原因という現実を受けて、大切な命を守る対策として消防法が改正、施行され新たに設置が義務付けられたものです。「火災警報器」は住宅では、あまり馴染みがありませんでした。生命を守る大切な機器として、どんな種類があるのか、それらをどう選べばいいのかなど、設置のポイントについてご紹介します。連動タイプなどさまざまな種類があるので、変更される場合は、リフォーム時に相談してみましょう。

1「住宅用火災警報器」の種類と選び方

これまで「住宅用火災警報器」を目にすることがなかったという人も多いのではないでしょうか。「住宅用火災警報器」と言っても、いくつかの種類があります。用途や環境によって適切なものを選びましょう。

電源は、家庭用AC100V式か、電池式か。

「住宅用火災警報器」には電源が必要です。電源には、電池式と家庭用電源のAC100V式の2種類があります。新築住宅には、電池交換の必要がない「AC100V式」がおすすめです。既存住宅には、設置のしやすさから考えると配線工事を伴わない「電池式」です。電池寿命が10年のものもありますが、電池切れの心配や将来のことも視野に入れるなら、「AC100V式」が安心です。配線工事が必要なため、リフォーム時などに合わせて設置を行うのもよいでしょう。

新築住宅では設計段階から計画しましょう。

既存住宅には、配線工事のいらない電池式のものもあります。

火災を感知するのは「熱」か?「煙」か?

「住宅用火災警報器」には大きく2つのタイプがあります。ひとつは「熱」に反応するタイプで、もう一つは「煙」に反応するタイプです。火災でもっとも死亡につながりやすいのは、火そのものよりも煙による中毒死です。それに、通常は火よりも先に煙を感知することが多いので、「消防法」でも「煙」式を基本に考えています。 しかし、例外もあります。台所においては調理中の煙などで誤作動する場合もあるので「熱」式の「住宅用火災警報器」を認めているケースもあります(法律上は「煙」式でも問題ありません)。

感知場所だけの「単独型」か?家中で鳴る「連動型」か?

「住宅用火災警報器」は「単独型」と「連動型」があります。「単独型」とは、火災を感知した警報器だけが単独で反応するものです。一方、「連動型」とは、接続された警報器すべてが警報音を発するものです。ご家族みんなの安全を守り、より安心して暮らせるのは家まるごと火災を感知できる「連動型」と言えるでしょう。

■住宅用火災警報器の連動

3階建てに

2世帯隣接住宅に

選ぶ基準にしたい「NS」マーク

万一の場合に備える「住宅用火災警報器」には確かな信頼性が問われます。第三者機関である「日本消防検定協会」鑑定の「NS」マーク付のものは信頼性が高く、また日本の現状を配慮した基準をクリアしているので、採用する機器にNSマークがついているか確認してみてください。品質の判断の目安になります。

■NSマーク

2設置場所で注意したいポイント

「住宅用火災警報器」は取り付ければ、安心というものではありません。やはり適切な場所やポイントがあります。
その詳細は各市町村で決められています。内容については、所轄の消防署で確認することができます。実際の取り付けに関しては、新築の場合は特に電気工事会社にお任せになることが多いですが、防災意識を高めるということからもぜひ設置のポイントを理解するようにしましょう。

「住宅用火災警報器」の設置場所

設置基準の詳細については、市町村条例によって定められています。設置場所についての基本的な考え方は、まず寝室に取り付けることと、煙の通り道である階段部分に設置することです。また、寝室に使用しない居室が5以上ある階の廊下にも設置するように定められています。

住宅用火災警報器設置場所

■2階建ての場合

(1)寝室 火災で一番怖いのは、やはり就寝時です。寝室には必ず設置します。
(2)寝室に向かう階段の最上部に設置します。

■3階建ての場合

(3)寝室がある階から、2つ下の階の階段にも設置します。
(4)寝室が避難階(1F)のみにある場合は、居室がある最上階の階段に設置します。

「住宅用火災警報器」の設置位置

天井に設置する場合は、警報器の中心を壁から0.6m(熱を感知するものは0.4m)以上離して設置します。梁などがある場合には、梁から0.6m以上離して設置します。また、エアコンなどの吹き出し口がある場合には、吹き出し口から1.5m以上離して設置されているか確認しましょう。
壁に設置する場合は、警報器の中心が天井から0.15〜0.5m以内の位置に設置します。

天井や壁の設置位置

■天井に設置する場合

警報器の中心を壁から0.6m以上離して設置。

梁などがある場合は、梁から0.6m以上離して設置。

エアコンなどの吹き出し口がある場合は、吹き出し口から1.5m以上離して設置。

■壁に設置する場合

警報器の中心が天井から0.15〜0.5m以内の位置に設置。

3より安全性に配慮した「住宅用火災警報器」

これから高齢化社会を迎えるためにもユニバーサルデザインに対応した「住宅用火災警報器」なども開発されています。 また、より安全に「住宅用火災警報器」を活用するシステムやデザイン面に配慮したものなど、多彩なアイテムが用意されています。

「光」で報せる警報器

耳のご不自由な方にも、住宅用火災警報器と接続し、火災の発生を「光」で告知する「光るチャイム」や高齢者の方にも火災を的確に音と光でお知らせする「火災警報器」など、ユニバーサルデザインに対応したものも開発されています。
またリビングのインターホンに接続して各居室の警報音を知ることができるタイプがあります。その他にも天井に取り付けに際して、デザイン面に配慮した商品や和室に合うカラーなど様々なニーズに対応したものがあります。

■火災を音と光でお知らせ

耳のご不自由な方などにも、住宅用火災警報器と接続し、火災を光でお知らせする光るチャイムがあります。

和室にもピッタリな趣きあるカラーの住宅用火災警報器もあります。

4《コラム》なぜ義務化された? 逃げ遅れ防止に有効な火災警報器

平成18年6月1日に施行された「改正消防法」の目玉とも言えるのが「住宅用火災警報器」の設置義務化です。
これまでにも、大型ホテルやデパートの火災により、多くの人命が失われました。こうした反省から、「消防法」ではホテルや公共施設などの建物火災について、火災報知設備やスプリンクラーなどの設置を義務化。火災死傷者の減少という大きな成果を挙げてきました。

●火災死者の9割が住宅

統計的に見ると住宅火災による死者の数は、建物火災全体の約9割を占めます。つまりもっとも必要な戸建住宅において防災対策が進めば、大幅に死者を減らすことができるのです。
今回の「改正消防法」における「住宅用火災警報器」設置の義務化は、こうした事態への対応と言えます。

●設置目的は「逃げ遅れ」の防止

火災死者の約60%が「逃げ遅れ」というデータがあります。「逃げ遅れ」を防ぐもっとも有効な方法の一つとして「住宅用火災警報器」の設置が考えられました。ですから警報器が作動したら、消火活動をするのではなく、逃げるのを優先することが大切です。
また、死者の半数程度が65歳以上の高齢者であることも見逃せません。火災の発生を早く知り、できるだけ早く逃げる。「逃げ遅れ」被害を減少させる有効な対策手段として設置義務化が果たす役割には、大きなものがあります。

■火災による経過別死者発生状況(放火自殺者を除く)

消防庁「平成17年消防白書」より

■火災による年齢階層別死者発生状況(放火自殺者を除く)

消防庁「平成17年消防白書」より

●設置義務化の時期

「改正消防法」により、「住宅用火災警報器」の設置は住宅すべてが対象となっていますが、その義務化の時期については、新築住宅と既存住宅では異なります。

・新築住宅・・・平成18年6月1日

・既存住宅・・・平成20年6月1日〜平成23年6月1日の間(具体的な設置期日は各市町村の条例により異なります)

※住宅用火災警報器の設置については、建築会社、住宅会社・工務店、電気工事会社及び最寄りの消防署にご確認ください。