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リビングをシアターにして楽しもう

2012年9月25日更新

わが家にいながら、しゃれたシアターの雰囲気に浸り、“どんな椅子に座って映画を観ようか”“どんなワインを飲みながら音楽を聴こうか”とイメージを広げる――。
大画面テレビの普及で、家族みんながくつろぐリビングにシアター環境を設け、映像と音を楽しむ人が増えています。リフォームで「ホームシアター」を検討してみませんか。

1リビングにホームシアターを

プラズマテレビ、液晶テレビの大画面タイプの普及により、一気にホームシアターが身近なものになってきました。これまでは地下室、趣味室など暗くできる専用室を作って、高級な機材をそろえて楽しむというイメージが強かったホームシアターが、家族みんなで気軽に楽しめる存在へと変わってきたのです。家族が集まるリビングルームを利用して、大画面の映像と音を楽しむファミリーが増えています。

ゆったり、のんびり楽しみたい・・・となれば、「ホームシアター」がおすすめ

ホームシアターを楽しむということだけなら、6畳間のスペースがあれば可能です。しかし、家族で楽しめるゆとりある空間、安らげる空間を演出しようと考えるのなら、あまり狭い空間はおすすめできません。戸建てやマンションの平均的な間取りを考えると、やはり10畳以上のリビングルームにホームシアターを設置するのがおすすめです。ホームシアターは、雑誌などでも取り上げられ、若い世代にも関心が高まっています。新築やリフォームを機にリビングの一つの設備として、「ホームシアター」を実現する人も増えています。

■部屋の広さと画面サイズの関係と視聴ポジション

プラズマテレビは、高精細でチラツキが少い。

2迫力の大画面と包み込むようなサラウンドが魅力

こだわりだしたら、何百万円かけても惜しくないと思ってしまうのが映像と音の世界。しかし、予算には限りがあります。スピーカーから聞こえてくる音は置き方や角度で全然違ったものになります。また、現在主流になりつつあるプロジェクターの置き方やスクリーンの設置方法など、専門家のアドバイスを聞きながら、わが家に合った使い方ができるホームシアターを手に入れましょう。

プロジェクターで楽しむと、さらに“シアター感”がアップ

スクリーンを下ろして、プロジェクターで映像を映し出すとなると、ちょっと本格的な感じがします。プロジェクターの魅力はなんといっても迫力の大画面。映画館の雰囲気を自宅でも楽しむことができます。
プロジェクターの場合は天井から吊り下げたり、天井埋め込み式や、家具に組み込んだりと、設置にはいろいろな方法があります。
普段の番組は薄型のテレビで鑑賞して、映画や音楽のライブなど大画面で楽しみたいときは、スクリーンをおろしてプロジェクターで映像を投射すると、ホームシアターとして使わない時でも邪魔にならず、空間を有効に使うことができます。ボタンひとつでスクリーンがおりてくる瞬間は、まさに部屋が映画館になったような高揚感があります。

■スクリーンを下ろすと、リビングがたちまち映画館に

普段はプラズマテレビなど大画面テレビで鑑賞。

映像や好きなシアターテイストのライブなどでは、さらに大きなスクリーンで楽しむ。

リモコンひとつで大画面スクリーンが自動開閉されるタイプなら、使わないときは、スッキリ収納されているので、邪魔にならない。

映画館のような音響空間が作れる5.1ch

いかにいい音を楽しむか、素晴らしい音響空間を作るか。スピーカーの向きをちょっと変えるだけで、まったく違う音に聞こえてしまうほど、音は繊細です。好む音質は、人それぞれが感じかたが違うので、居心地のよい自分にあった音響空間にしましょう。
ホームシアターでいわれる、5.1chというのは、5本のスピーカーと1つのサブウーハー(低音専用スピーカー)1本(0.1ch)のことをいいます。簡単な設置場所は、センタースピーカーは人の音声(セリフ)が出るので、テレビやスクリーンの下に設置するのが普通です。フロントの左右にその他の音を出す2本のスピーカーがあり、フロントの中央からちょっとずらしたところに、サブウーハーが設置されるのが一般的です。リアスピーカー(サラウンドスピーカー)の2本は、座っている位置より後ろに置くのですが、リビングルームを利用する場合は、床に置くタイプではなく、使用しない時に邪魔にならないよう、天井や壁に取り付ける場合が多いようです。今は9.1chまで出ていますが、基本的にリアスピーカーの数を増やしているだけなので、5.1chあれば十分だと考えられています。また、2.1chで擬似的にサラウンド効果を楽しむこともできますが、本格的にホームシアターを楽しみたいのであれば、やはり5.1chがおすすめです。

■5.1chの配置

3「ホームシアター」の環境づくりのポイント

ホームシアターを本格的に導入しようと考えたとき、テレビやスピーカーはもちろん、プロジェクターやスクリーンを設置したり、さらには照明やソファなどインテリアにこだわってみるなど、楽しみは広がるばかりです。取り付け工事などのことを考えると、やはり新築やリフォームを機に、導入を検討される方が多いようです。

■ホームシアターを楽しむための主なポイント

音もれや振動は、ちょっとした工夫でかなり低減できる

せっかくのサラウンドも、ご近所や他の部屋への迷惑を気にし、小さな音で聞いていては宝の持ち腐れ。そこでさまざまな防音の工夫が考えられます。天井や壁、床に遮音材や吸音材を入れたり、防音ドアを取り付けたりということも考えられます。また換気扇の外側に防音カバーを付けることでも、音もれを軽減することができます。リビングでのシアター空間には、必ずしも専用室を作るのと同様の対応は必要ありません。一番大きな振動をする低音用サブウーハーのスピーカーをボードの上に乗せたり、吸音材を置くだけでも、音の響き方は変わってくるので、ちょっとした工夫で音の問題は解決できるでしょう。
休日の昼下がりに会話を楽しみながらオペラを楽しむ時もあれば、深夜に独りで映画を観る時もあります。リビングでの楽しみ方を想定しながら、状況に合わせた防音や吸音材の導入をおすすめします。

■天井の防音・吸音

遮音シートと合板パネルで外部の音をカットし、防振天井吊具で2階の床衝撃音を軽減。また吸音タイプの天井材は音の反射を抑えてくれます。

防振天井吊具

断熱・吸音材(グラスウールなど)

遮音下地パネル(天井用)

石こうボード 12.5mm

仕上材(調湿彫り天)

吸音天井材

■床の防音

防音床マットが床衝撃音を吸収し、粘性層を含む防音下地パネルは、優れた遮音性と防振性があります。

木質フロアー 12mm以上

断熱・吸音材(グラスウールなど)

防音床下地パネル

断熱・吸音材(グラスウールなど)

根太

■壁の防音・吸音

壁の隙間から入る騒音や、漏れてしまう音を遮音シートと遮音下地パネルで軽減。振動音の伝わりも粘着遮音テープを貼って低減します。

サイディング

通気層

透湿防水シート

柱・間柱105mm以上

断熱・吸音材(グラスウールなど)

防湿遮音シートV

格子胴縁

粘着遮音テープ

遮音下地パネル(壁用)

石こうボード 12.5mm

クロスまたはマイルドトーン

吸音壁材は、高音はもちろん、中低音の残響時間もしっかり短縮させます。調湿性にも優れたタイプもあります。

■開口部の防音

3点ロック式のグレモン錠&気密パッキン、モヘアにより、閉鎖時の遮音性能が、二重ドア並みの防音効果があります。

ドアとの密着性に優れた気密パッキンで音もれと外部からの音の侵入を効果的に抑えるホームシアター用の防音ドア。

ホームシアターは配線にも配慮が必要

5.1chでホームシアターを楽しむ場合、ソファの背後に設置するリアスピーカーは必要不可欠です。すると、配線の(コードの納め方にも)問題がでてきます。特に音環境は、配線の方法や、コードの種類によっても音の質が変わってきたりするものだと言われていますので、注意が必要です。電源を工夫するだけでも、より良い音を楽しむことができます。分電盤で同一回路に音響機器以外の(特にモーターを使う)家電製品が入っていると、ノイズが発生することがあります。できることならシアタールーム専用に回路を設けることが望ましいと言えます。

■シアタールームの屋内配線(設置例イメージ)

事前に埋め込み配線をしておくと、コードが露出せず空間を美しく仕上げることができます。

安らぎの空間だからこそ、こだわりたいインテリア

映画を観る場合は2時間以上座って観ることになるので、ソファにもこだわりたいものです。座り心地がよくて、いろんな姿勢で座れるタイプがおすすめです。応接室のようにどっしりと腰をすえるタイプは、同じ座り方しかできないので、長時間の鑑賞には疲れます。オットマンの上に足を投げ出したり、グラスなどを置くのにサイドテーブルを置いたり、自分にあったスタイルを追求してみてください。ホームシアターを使用しない時にも、リビングの雰囲気をこわさないものを選びましょう。

■耐震設計のAVファニチャー(設置例イメージ)

地震の発生時にも家具が倒れないよう、壁面にしっかりと固定されており、安全性が高い。

揺れを感じると、扉が自動でロックされる。

飛散防止用のフィルムをガラス裏面に貼りつけたスモークガラス扉なら割れても危険が少ない。

照明で音・映像の効果をさらに高めます

ホームシアターを楽しむためには、暗くすることで、劇場のような臨場感が得られます。画面への映り込みを避けながら、ほどよい明るさが必要です。それでも、“手元は少し明るい方が便利だな”とか、“トイレに行くときは足元に明かりが欲しいな”といった要求はあります。手元にはスタンド照明を設置したり、リモコンで調光できる照明器具で手軽にあかり環境が設定できれば、精神的に落ち着くことができるでしょう。

■ホームシアターのあかりのポイント

画面に背面のあかりが映ると見にくくなります。

テレビ横のあかりがまぶしすぎると集中できません。

ホームシアターの環境づくりは専門家に相談

ホームシアターの楽しみ方や空間づくりの好みなどは、人それぞれ違うものです。間取りなどによっても状況は違ってきます。それぞれ複雑な要素が関係し合うので、ホームシアター空間を手がけたことのある建築家や住宅会社に早い段階から相談するとよいでしょう。音や映像システムにまつわる、ホームシアター空間に関する全ての提案をしている、インストーラーという専門家も活躍しています。

内容監修:サウンドクリエイト