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適材適所の床材をどう選ぶ〜ライフスタイルを快適に支える床材とは

2005年1月更新

ライフスタイルを快適に支える床材とは
リビングの床はフローリングにしたい―――。LDKや寝室のフローリングは、新築、リフォームを問わずに人気があります。お洒落だから、掃除がラクだから、などとインテリア性と機能性への期待がとても大きいようです。
床の仕上げで特に人気のあるのが、ナチュラルな風合いの「木の床」です。今回は木の床材選びにポイントを絞ってご紹介します。 ひと口にフローリングといっても、床材の色や材質だけでなく、床暖房などの機能や衝撃への強さ、音環境など、様々な性能の床材があります。家族構成、ライフスタイル、欲しいと思っている性能をきちんと把握して、最適の床材を選びましょう。

木の床材の特徴

フローリングは、材質によって2タイプに分類できます。

【単層フローリング】
ブナ、ナラ、ヒノキなどの材木から1枚の板を切りだして床材とするのが、単層(1つの層)のフローリング。そのほか、ブロック状の板を並べたりすることもあります。いずれも、床材が天然の木(ムク材)なので、木の持っている自然な風合いや、時間が経つとともに強度が増す点などが好まれます。自然素材のため、表面の色のばらつきや反りなどがおきることがあります。価格が割高なこと、メンテナンスに手間がかかるなどのデメリットもあります。

【複合フローリング】
薄い木材を貼り合わせてプレスした合板や集成材などを基礎にし、表面に化粧板などを貼ったものが複合フローリングです。ムク材に比べて強度があり、傷や汚れがつきにくいといった機能性から、広く使われています。表面の色、柄、木目なども様々で、インテリア性の高さや価格面からも人気があります。

■フローリングを構成する主な材質

天然木
丸太から切り出した板をそのまま使用したもの

集成材
板を組合わせ、接着剤で張り重ねて一つの木材にしたもの

■住みはじめてから気づくのでは遅すぎる

床材を選定する時の重視項目(複数回答)

選ぶときはデザインや色だけを考えがちですが、、

従来の木質床材に対するユーザーの不満点(複数回答)

住み始めて気になるのは、傷や汚れです。

1家族の健康に配慮した床材

快適な生活と健康は、切り離せないものです。家族が健康に生活できる住まいにするためには、室内に使用する建材や設備、家具にまで気を配ることが大切です。フローリングの床は、畳や絨毯の床と比較してダニやカビが発生しにくいことから、衛生的です。 また最近は、建材などから放散される化学物質により、体調不良を訴えるシックハウス症候群も増えています。床材は室内で広い面積を占め、小さい子どもが直接体に触れることも多いものです。
だからこそ、空気を汚さない素材を使用するなど、健康に配慮したものを選ぶことが必要になります。

シックハウス症候群に気をつけて

近年、アレルギーや呼吸器のトラブル、中毒症状など体調不良を訴える人が増えています。その原因が住まいの環境に由来するケースを「シックハウス症候群」と呼びます。住宅の建材などから発生する揮発性の化学物質で、室内の空気が汚染され、それを吸い込んだり皮膚に触れたりすることで、体に何らかの影響があるものとみられていますが、因果関係は現在も明確に解明されていません。

■ホルムアルデヒド放散量の公的規格

健康的な暮らしのために

シックハウス症候群の主な原因は、ホルムアルデヒドなどの気化しやすい揮発性有機化合物、VOC(Volatile Organic Compound)です。VOCの悪影響を受けないためには、低ホルムアルデヒド仕様の木材の使用や、低VOC対策をほどこした原材料のフローリング材を選びましょう。

抗菌塗装

床は、人の手や足に直接触れる部分です。ですから、衛生面への配慮も欠かせません。高気密、高断熱化が進んでいる現代の住まいでは、空気の流れが滞留した場合に、細菌やカビが繁殖しやすくなります。細菌の繁殖を抑えるように処理された、抗菌塗装の木質床材を使用することで、住まいの清潔が保てます。

■床材表面抗菌性能テストの例

床の硬さにも配慮したい

フローリングはどれも板張りだから、同じようなものと思っていませんか。実は、床の硬さによって、歩きごこちなどに大きな影響があるのです。床の硬さは、樹種などによっても違いますし、下地材によっても変わってきます。硬過ぎると疲労しやすくなったり、柔らかすぎると歩きづらくなったりします。快適に歩ける床材を選びましょう。

■歩行硬さ試験

2日常の汚れや傷に配慮した床材

床は、家族が歩くほかに、イスをひきずる、物を落とす、飲み物などをこぼすといった様々な条件にあります。ですから、時間が経つにつれ塗装が剥げたり、色落ちをすることは避けられません。
床材を選ぶとき、最初はデザインばかりに目を向けてしまいがちですが、実際に暮らしてみると床の傷や汚れは大きな問題です。
長い間、美しい床を保てるように、傷や汚れに強いものを選ぶことが大切です。

すり傷やへこみ対策

キャスターなど1点集中で力が加わると、床にへこみ傷ができます。イスや家具にキャスター付のものを使用している場合は、基材の硬度の高い床材を選ぶことが大切です。また、イス脚によるすり傷対策には、表面の塗装が厚くてなめらかな仕上げのものにすると、傷対策になり、光沢の長持ちにもつながります。

■床材でおこりやすいトラブル

キャスター跡が残ります。

冬におこるクラック

クラックとは、床材の表面におこるひび割れのことです。木の床は、電気カーペットや温風ヒーターで暖められたり、エアコンによる乾燥や結露による水濡れなどで、クラックが起こりやすくなります。
耐クラック性のある床材を選ぶことも重要です。

■床材でおこりやすいトラブル

表面にクラックが起こります。

トイレやペットの汚れ対策には

トイレは、水やアンモニア、薬品などが飛び散ることがあるため、専用の木質床材を使うとよいでしょう。薬品や汚れに強い、トイレ専用の木質床材が開発されています。ペットがいる場合には、ペットのトイレまわりの床材は、アンモニアに強い床材にすることも考えられます。

■床材でおこりやすいトラブル

アンモニアで黒いシミが残ります。

汚れにくい高機能な床材が開発されている

床材の表面にフッ素をコーティングした木質床材が開発されています。定期的に家具を動かしてワックス掛けをするという手間がいらず、毎日のお掃除は、から拭きだけで美しさを保つことができます。フッ素塗装により、光沢が長持ちするだけでなく、汚れもつきにくくなっています。

3音環境に配慮した床材

マンションや2階建て、3階建て住宅では、フローリングの防音性や床衝撃の強さを考えることが大切です。歩く音、イスを引く音、テレビや音楽の音など、家族同士でも上階から響いてくる音は気になるものです。マンションなど共同住宅になると、特に配慮する必要があります。床裏面のクッション材によって階下へ伝わる音をやわらげることが可能です。

2種類ある床の衝撃音

床の衝撃音には、軽量床衝撃音(L)と、重量床衝撃音(L)の2種類があります。Lは、イスを引く「ギー」、スプーンなどを落としたときの「チャリン・カラン」という、比較的軽くて硬い衝撃音のことを表し、Lは、重たいものを落としたときの「ドシン」、子供が走り回るときの「ドタバタ・ドンドン」という地響きのような重くてにぶい衝撃音をいいます。

軽量床衝撃音(L

重量床衝撃音(L

遮音等級・L値

遮音等級のことを一般にL値といいます。遮音等級とは、上階の床で生じる音が、どの程度小さくなるかの基準として設けられたもので、音の伝わりにくさを表しています。
L値は、数字が小さいほど遮音性能がよいことを示します。

■床衝撃音に対する遮音等級と生活実感(日本建築学会)

人の走り回り、飛び跳ねなど
<(L)重量床衝撃音>
椅子の移動音、物の落下音など
<(L)軽量床衝撃音>
遮音等級 住宅における生活実感
プライバシーの確保
かすかに聞こえるが、
遠くから聞こえる感じ
ほとんど聞こえない L-40 ・上階で物音がかすかにする程度
・気配は感じるが気にならない
聞こえるが、
意識することはあまりない
小さく聞こえる L-45 ・上階の生活が多少意識される状態
・スプーンを落とすとかすかに聞こえる
・大きな動きはわかる
小さく聞こえる 聞こえる L-50 ・上階の生活状況が意識される
・椅子をひきずる音は聞こえる
・歩行などがわかる
聞こえる 発生音が気になる L-55 ・上階の生活行為がある程度わかる
・椅子をひきずる音はうるさく感じる
・スリッパ歩行音が聞こえる
よく聞こえる 発生音がかなり気になる L-60 ・上階の生活行為がある程度わかる
・スリッパ歩行音が聞こえる
発生音がかなり気になる うるさい L-65 ・上階の生活行為がよくわかる
うるさい かなりうるさい L-70 ・たいていの落下音ははっきり聞こえる
・素足でも聞こえる

4インテリア性に配慮した床材

床材は、室内で大きなスペースを占めます。ですから床材にどんなものを選ぶかで、部屋の雰囲気づくりに大きな影響を与えます。
デザイン・色・木目の3つのポイントをチェックし、壁や天井、家具などとの相性を考えることが大切です。

部屋のトータルな雰囲気を考えて

基本的には、好みのデザインや色調で選べばよいのですが、長年使うものですし、部屋でも広い部分を占めるものですから、全体のバランスをよく考えましょう。家具、カーテンなどのインテリアに合わせ、デザイン・色・木目など、部屋をトータルコーディネートしたいものです。また、樹種によって部屋の印象はかなり違うので、床材とインテリアのイメージを合わせることも大切です。あたたかな肌触りと美しい木目の味わいをどんな床材から感じるのか、自分の好みをしっかりまとめて考えてみましょう。

■木質床材

チーク集成材

金褐色の色合いと黒い縞模様

オーク集成材

表情豊かな木目、欧州では、古くから家具材として使用

天然木集成材

やさしい木目で、やわらかな温かみを感じる

カバ集成材

均等で緻密な木肌感、繊細な美しさ

●床材のお手入れ方法

より長く木の美しさを感じたい
木の床の美しさをより長く保つためには、お手入れが必要です。 普段は、モップや雑巾でから拭きをすれば、表面の美しいツヤを保てますが、たまには、ワックスをかけると効果的です。また、小さな傷でも、見つけたらすぐに補修すること。市販の補修用ペンやクレヨンなどを使用して、自分で補修できます。 毎日の小さなお手入れで、いつも美しい床を保って快適な生活がおくれます。

ワックスがけ
天気のよい日にワックスがけをしましょう。 塗りやすさ、速乾性、から拭き不要など、手軽に使用できる水性樹脂ワックスがおすすめです。ワックスは、きれいなモップなどに染み込ませ、部屋の隅から均一に塗りましょう。ワックスを塗り終えたら、完全に乾くまで床の上を歩く、家具を動かすなどは避けてください。部屋の風通しを良くし、乾くまでの時間は夏場は30分、冬場は60分を目安にしてください。
※床の種類によってはワックスがけが必要ないものもあります。

ワックス掛けの効果
・傷から守る
・シミ・汚れがつきにくい
・毎日のお手入れが楽
・傷を目立たなくする

傷を補修する
床の色に合わせてペンで傷の部分に色を塗るか、ドライヤーで温めたクレヨンを傷にすり込み、仕上げにワックスを塗ります。

5リフォームにも対応した床材

リフォームをするとき、費用とともに重要なのが、「時間」。新築と違って、生活を続けながらの工事になる場合には、仕上がりの美しさや機能性とともに、スピーディーな工事が望まれます。

現在のフロアへの重ね張りがラク

リフォーム対応の床材には、現在の床の上に貼るだけで、簡単にリフォームできる「重ね貼り」が可能なものがあります。この方法をとれば、一部屋に1日かからずに設置することが可能です。これまでの貼り替え工事に比べ、時間短縮はもちろん、コストも削減できます。

リフォーム前

リフォーム後

6床暖房に適した床材

人気の床暖房。室内で火を使わず、空気を汚さない健康的な暖房方法として、新築、リフォームで取り入れる人が増えています。床暖房は、ストーブやファンヒータを誤って触った時のやけどの心配がありません。しかもエアコンのように、室内に暖かい場所と寒い場所ができる温度ムラもできにくく、温風の不快感や、チリやホコリが舞い上がる心配がありません。床暖房を取り入れる場合には、仕上げ材が伸縮して隙間ができたり、反りなどが生じないように、床暖房の熱に強い床材を選ぶようにしましょう。

今の暮らしにプラスの快適

床暖房には、大きく分けて温水式と電気式があります。
温水式は、ランニングコストが押さえられるため、広い面積に長時間使う場合に適しています。設置工事に温水工事が必要なので、どちらかといえば新築に適しています。
電気式は、狭い面積に設置でき、設置も手軽なのでリフォームにも最適です。必要な場所だけ部分暖房ができるので、リビングは全面、キッチンはシンクのまわりやテーブルのまわりといった部分に効率のよい設置も可能です。

床暖房の内部構造