「宅配便の再配達が
ない」まちをつくろう。
宅配ボックス実証実験

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京都市インタビュー

地域の皆さん、宅配事業者、「まち」そのもの、
すべての負担が減ると思います。

インタビューにご協力いただいた3名の写真

インタビューにご協力いただきました

京都市都市計画局 歩くまち京都推進室 大岸將志さん 山下多恵子さん 篠田翔吾さん

京都市における「宅配便の再配達」の問題点をお教えください。

1)「歩くまち」の側面から

ご存知のように、京都は、古くからの細街路(幅員が狭い通りや路地)が多いまちですから、物流車両が荷さばきのために路上駐停車していると、その分、歩行空間が狭くなってしまい、わたしたちが目指している「歩いて楽しいまち」と、これを支える「安心・安全で快適な歩行空間」を阻害してしまうのではないか、という問題意識がありました。

一方で、一般家庭向けを中心とする宅配はもちろん、商店や飲食店その他さまざまなビジネスに活用される商業物流は、まちの賑わいを維持し、人々の暮らしを豊かにするうえで、必要不可欠なものです。

そこで、宅配便や商業物流を「なくす」のではなく、無駄を減らし効率的に配達していただくためにはどうしたら良いか、いう観点から、解決策を探ってきました。

2)環境の側面から

ガソリン、軽油等の化石燃料を燃焼させるとCO 2 (二酸化炭素)が発生し、いわゆる地球温暖化が進行し、やがては気候変動の影響リスクが高まります。現状は、ガソリンや軽油を燃料とする車で配達することが多く、宅配便の再配達が増えるほど、無駄に化石燃料を消費することになり、地球温暖化をより早めてしまうことから、宅配便や商業物流を「なくす」のではなく、無駄となる再配達の削減が必要となっています。

宅配便の再配達の削減に向けて、宅配事業者は課題を認識し積極的に削減に努めており、一方で、宅配便を受け取る側の意識・行動を高めていく必要があります。今回の実証実験を通じて、この問題を市民・事業者の皆さんと共有し、「宅配便を1回で受け取ろう」という取組が大学生をはじめ、単身者、各家庭へと広がり、「環境にやさしいライフスタイル」への転換につながることを期待しています。

3)「大学のまち・学生のまち」という側面から

京都市内には、大学・短期大学が全部で39もあり、人口の1割に相当する約15万人の学生が学ぶ「大学のまち・学生のまち」です。全国の大都市の中で人口に対する学生数の割合が一番高いまちなんです。

宅配便の再配達が社会問題化して以降、駅やコンビニエンスストア、公共施設などで受け取ろうという動きは広がっていますが、京都にたくさんいる学生さんを対象に何かできないか、と考えた結果、今回の実証実験につながりました。大学・学生を対象にした取組は、全国的にも珍しく、京都ならではの試みといえます。

特に、親元を離れて京都に来られている学生さんには、単身世帯が多く、ご自宅を不在にされることも多いですし、最近は、インターネット通販やフリマ・アプリなどを活用される学生さんも多いということで、宅配ボックスの活用に期待しています。

4)地域住民への影響という側面から

最初にお話した「細街路」は、地域にお住まいの方の生活道路でもあります。地域には、小学校に通うお子さんや、小さなお子さんを連れた親御さん、また、お年寄りの方など、さまざまな方がいらっしゃいますが、こういった方も、人とクルマが錯綜する細街路を通行しています。道路上の限りあるスペースを、上手に棲み分けて、安心・安全で快適な歩行空間を生み出すとともに、効率的に集荷・配送していただくことで、まちへの負担を減らせないか、と考えています。

一方で,こういったことを、宅配事業者だけに押し付けても、問題は解決しません。京都にお住まいの方は、皆さん、お気付きかと思うのですが、特に「まちなか」では、宅配事業者が荷さばき用の場所を確保し、台車に積み替えて集荷・配送したり、車両を減らし、あるいは小型化したり、といった工夫をされています。 それでも、ご不在のお宅には、2度、3度と訪ねていかなくてはいけないし、商業物流についても、ご指定の時間帯にお届けしないといけないので、同じ場所に何度も行かなくてはいけない、ということが起こってしまうのだそうです。

今回の実証実験のように、宅配ボックスを活用することによって、この「何度も運ばなくてはいけない」という無駄が減り、効率的に配達できるようになると、荷物を受け取る地域の皆さんにとっても、宅配事業者にとっても、また、「まち」そのものにとっても、負担が減るのではないかと思います。そうなれば、理想的ですよね。

また、このような取組が、地域の皆さんにも、「これは,宅配事業者の問題」と片付けてしまうのではなく、ご自身にできること―例えば、指定の時間に1回で荷物を受け取れるようにする、宅配ボックスなどの「1回で受け取れる」仕組みを活用する、など―を考えていただくきっかけになれば、「環境にやさしいライフスタイル」の普及にもつながるのではないかと期待しています。

京都市がこの活動をはじめたきっかけを教えてください。

大岸將志さん

実は、京都市では、インターネット通販等による宅配便の急増が社会問題になるずっと前の平成20年頃から、足掛け10年にわたって、物流の効率化の問題に取り組んできました。先ほどお話したとおり、京都という、長い歴史を背負った大変コンパクトなまちで、まちに必要なクルマと人の関係をどう整理・整頓し、「歩いて楽しいまち」にしていくのか、というのが、京都市にとっては長年の課題だった訳です。そこで、「まちなか」の地域や商店街の皆さん、物流事業者、それに、われわれ行政関係者が集まって、「物流ワーキンググループ」という会議を定期的に開催し、情報交換や意見交換をする中で知ったのが、福井県あわら市の取組でした。 とにかく土地に余裕のない京都というまちで、「宅配ボックス」というツールを使って、物流効率化に取り組めないか、というところが出発点だったのですが、そこから、関係者との議論を重ね、今回の実証実験に至ったわけです。

折しも、宅配再配達が社会問題化する中で、地球温暖化対策の観点からも「宅配便の1回受取の促進」とこれに伴う環境負荷の少ないライフスタイルの普及が課題として注目されるようになるなど、市民―今回でいうと、モニターである学生さんを含みますが―の意識が高まっているタイミングであったことも、今回の取組を後押ししてくれたと思っています。

産学公の共同プロジェクトに期待することを教えてください

山下多恵子さん

今回は、パナソニック株式会社さんに宅配ボックスと、あわら市での実証実験におけるノウハウをご提供いただき、また、京都産業大学さんには、大学敷地内の一等地をお借りしたうえで、学生モニターの募集や、学生さんにも親しみ持っていただけるような宅配ボックスのラッピングデザインの作成などにご尽力いただきました。更に、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、という大手3社が揃って実験にご協力くださるという、大変充実した体制で実施することができました。

言うまでもなく、宅配ボックスを作って設置することも、大学生に働きかけることも、また、現に宅配便を配達することも、わたしたち行政にはできないことばかりです。

単に「再配達を減らしましょう」と呼び掛けるだけではなく、現に設置された宅配ボックスを活用し、宅配便の1回受取をお願いすることにより、荷物を受け取る皆さんの行動を変え、それによって意識も変えていただく効果が高いのではないかと期待しています。

京都市がこの活動に期待する効果を教えてください

篠田翔吾さん

「大学のまち」「環境先進都市」であり、「歩いて楽しいまち」を目指す京都ならではの試みです。宅配再配達が社会的関心を呼ぶ中で、にわかに脚光を浴びた感もある「物流」ですが、最初に申し上げたように、わたしたちの日々の生活を支える、とても重要なインフラです。

今回の取組をきっかけに、市民の皆さんをはじめ、宅配便を活用する皆さんにも、より一層物流に関心を持っていただくとともに、ご自身のライフスタイルを見直すきっかけにしていただければ、こんなに嬉しいことはありません。

とはいえ,実証実験はこれからなので、各関係者の皆様と一緒に、途中経過や効果をしっかり見極め、より良い明日につなげていきたいと思っています。ご協力、よろしくお願いします。

京(みやこ)の再配達を減らそう!プロジェクト

このプロジェクトに関するお問い合わせ

宅配ボックス実証実験事務局

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受付時間 月~金曜日/10:00~17:00

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